空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468823

感想・レビュー・書評

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  • 何故その装備でいいと思ったんだ…

  • カヌーの話しと探検史はおもしろかった。著者の探検もすごく大変なことなんだろう。文章も上手くてどんどん進む。けど、峡谷がどんなに巨大で人を寄せ付けない世界なのか想像つかなくて困った。もっと写真や地図で実感したかったな。

    著者はあとがきで、自分自身のひとりよがりな物語を書きたかった、というようなことを述べている。そういう意識で読み返すと、そんな本があってもいいなと思えて好感が持てた。

  • 著者の体験と過去の探検家と活動が入り混じって語られる。

    探検の成果はともかく、極限状態に置かれた著者の心境と、そこから見出したものがすばらしい。

  • 2016/1/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2017/5/1〜5/16

    開高健ノンフィクション賞などを受賞した、角幡さんのいわゆる出世作。21世紀を迎えようとする時期に未だ未踏の地であったツァンポー渓谷に挑んだ記録である。何と言う血湧き肉躍る冒険か!Google EARTHで探してみたが、特定出来なかったが、まさに男のロマンだなぁ。古臭いけど。

  • 2016年11月12日読了。

  • 開高健ノンフィクション賞(2010年)、大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)をダブル受賞した冒険ノンフィクション作品。
    著者がエッセイ集『探検家、36歳の憂鬱』でも書いているように、現代は「エベレスト初登頂とか、南極点初到達とか・・・なぜ冒険をするのかということについて、冒険をしない人でもおおむね納得できるような対象が完全に失われてしまった」時代である。しかも、著者が挑んだ人跡未踏の世界最大のツァンポー峡谷でさえ、書斎の机上でGoogle Mapを通してそのリアルな写真を見ることができるのである。
    そうした時代に、著者は外部との通信手段も持たずにツァンポー峡谷の単独行に挑む。
    そして、その行程は常人の理解を超え、無謀とさえ言えるものであるが、何かに憑かれたような著者はそれを乗り切ってしまう。
    著者の筆致も優れたものであるが、冒険家としての情熱が主要ノンフィクション賞をダブル受賞させたと言えるような作品である。
    (2014年10月了)

  • チベット奥地のツアンポー峡谷に探検するノンフィクション。

    最近、エベレストを読んで感動し、その麓にあるツアンポー峡谷の物語なので、話にはいりやすかった。

    ツアンポー川は、本当にとんでもなくスケールが大きな河なのだと思う。一人で探検はできないけど、一度はチベットの雄大な景色を見てみたい。

    生と死の境目を体験した作者の言葉は心に響き、エネルギーをもらえる。

    また、読みたい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が、命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは―。第8回開高健ノンフィクション賞、第42回大宅壮一ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞。

  • 今や地球上に人類未踏の地はほとんどない。地上の冒険、宇宙からの観測。深海への挑戦。
    それを承知で、あえてGPSや電子機器を使わず、原始的とすら言える過酷な冒険に出る。

    テーマ設定に、入念な下準備、そして文字通り命を懸けた冒険。
    ガイドブックやスマートフォンを片手に、観光地をちょろっとうろつく、生温い「旅行」の対極にある「旅」だ。

    別に、角幡氏には私たちの旅行スタイルを批判するつもりはないと思う。それでも、「そんなんでいいのか」と言う微睡の中に生きる私に、生きることそのものについての問いを突き付けているように感じた。

  • 冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだけだ。答えまでは教えてくれない。

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著者プロフィール

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
 1976(昭和51)年北海道生まれ。早稲田大学卒業。同大探検部OB。新聞記者を経て探検家・作家に。
 チベット奥地にあるツアンポー峡谷を探検した記録『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。その後、北極で全滅した英国フランクリン探検隊の足跡を追った『アグルーカの行方』や、行方不明になった沖縄のマグロ漁船を追った『漂流』など、自身の冒険旅行と取材調査を融合した作品を発表する。2018年には、太陽が昇らない北極の極夜を探検した『極夜行』でYahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞を受賞し話題となった。翌年、『極夜行』の準備活動をつづった『極夜行前』を刊行。2019年1月からグリーンランド最北の村シオラパルクで犬橇を開始し、毎年二カ月近くの長期旅行を継続している。

「2021年 『狩りの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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