メイン・ディッシュ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 168
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474244

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!!
    小劇団の看板女優が拾った同居人、料理が上手くて謎解きの能力があるという、ほんわかしたよくある物語だと思っていたら違ってた。
    連作短編集で全てが繋がってる。
    ただ、登場人物の名前が覚えられなくて、何度もページを戻って確認しないといけなかったが。
    (図書館)

  • かなりの爽快感。かなりの満足感。
    北森作品を読みはじめて、通算6作品目。
    今までで一番に踊り出ました。傑作と言っても過言では無い気がする。
    …自信無いけど(笑)
    こう、読んでいて頭の中でビジュアル化できるくらい、世界観やら、キャラクターがきちってしている気がします。 こうなると、私はかなりの虜状態(笑)
    色々妄想して世界が立体化していくんですよね。
    このトリップ感がたまらない!

    考えてしまうんですよね。ミケさんが、そのそれでも戻りたかった気持ちを。留まることもできす、でも漂い続ければ続ける程、とても泊まりたくなる。ふと、気まぐれで拾われて、構うでもなく放置でもなく、なんとなく一緒にいる感覚。お互いに束縛しないし干渉しない関係とあったけど、それでもなんとなく側にいる、人の近くに居るって感覚。甘酸っぱいような、キュンとくるような、凄い恋しいもののような気がして。
    ねこはねこで、日に日に募っていく「大切」って気持ち。 何かを求め合うでもなく、ただただ大切という気持ち。ご飯の時とかの、その描写のひとつひとつが、食べて飲んでおいしいと言う感情とセットで滲み出てくる気がします。

  • (いい意味で)おもいっきり(作者に)だまされた。

  • 他シリーズでも、料理の描写が美味しそうで美味しそうで読んでると食べたくなって仕方がなくなる北森作品ですが。
    それがタイトルから「メインディッシュ」なんて。きっと絶対美味しそうなんだ…!と思わずにはいられません。実際、食べたい物ばかりで困る…レシピ公開してくれないかな…せめてレタスチャーハンだけでも…!!
    あ、ミステリですから、この作品。ミステリも極上の美味さなのですよ。 

    劇団「紅神楽」の看板女優・紅林ユリエ(通称ねこ)には同居人・・同居同棲ルームシェアetc言い方はどれでもいい…がいて、彼の名は三津池修、通称ミケさん。あまり過去を語らない彼だが、特技があった。自分の気配を置物の猫みたいに消せること。美味しい料理で人の心を癒せること、そしてミステリマニアの劇団座つき作家・小杉隆一がこんぐらからせた推理や事件をほどいて解決に導けること。
    雪の中、ねこさんとミケさんの出会い―――プロローグ「アペリティフ」
    小杉が行き詰まってしまった天才料理店舞台の推理劇の脚本。主要俳優と小杉でミケさん手料理付の緊急ミーティングを開いたが、設定上のメニューからミケさんが結末を導いていく―――「ストレンジテイスト」
    仲の良い大学生5人のうちのひとり恩田が、仲間内で開いたカレーパーティの1ヵ月後自殺した。7年経ち、泉谷は病をきっかけに当時の友人を呼び集め、事件の解決を披露しようとしたのだが。―――「アリバイレシピ」
    ミケさん手料理ホームパーティの最中、アパートの真下の路上で男子高校生が死亡していた。ねこさんも被害にあったバイクでのひったくり犯が目撃されているのだが…?―――「キッチンマジック」
    旅の電車の中、男が話しかけてきた。彼は駅弁について語り、この車輌に奇妙な乗客が乗っていることを指摘する。「バッドテイストトレイン」
    推理劇を中心にした公演がアタり、劇団はなかなかの好評を得ていた。最新の「ビヤ樽の中で眠り続けた男」の話が気に入った金持ちが、信州の別荘で自分のためだけに公演してほしいと依頼してくるほどに。―――「マイオールドビターズ」
    ミケさんが突然姿を消してから半年。きっかけであろう新人推理小説家と接触しようと小杉の協力も得るがなかなか叶わない。そんな中、ねこさんがミケさん直伝チャーハンを披露したエッセイが雑誌に掲載され、その編集者からトラブルの相談を受け…。―――「バレンタインチャーハン」
    ミケさんの置き土産の梅酒が見つかった。そこには1年前の、ある劇団の脚本家が自殺し解散に至った事件の真相が、ひっそりと託されていたのだ。―――「ボトル”ダミー”」
    ようやく判明したミケさんの”過去”。その事件の犯人を推理していくと重苦しい気持ちになるのだが、そこに光明を差し込んでくれたのは”卵”だった。―――「サプライジングエッグ」
    そうして向かえるエピローグ―――「メインディッシュ」に、またも小杉が難題を持ち込んでくる―――文庫化のための書下ろし「特別料理」を加えた以上11作、の美味しい連作短編集。

    当時「小説すばる」にて単品で掲載していた作品ですが、きっとひとつだけを読んだ時ではこの”料理”は大満足には至らなかったんじゃないのかなぁ。1品ずつでも確かに美味しいんだけど、この11作(文庫化以前だと10作)が揃ってこそ、満足の溜め息と共に「美味しかったぁ。もう食べられないよー」と幸せの言葉を吐き出せると思うんだ。すごいなぁ北森鴻。
    あ、内容紹介にも書きましたが、文庫版の方にだけ書下ろしが載っています。単行本より絶対コッチのがお得!お得!

    ああお腹が減った…ミケさんなにか作ってー!(本当に作って欲しい…食べたい…)

  • スッゴク、美味しそう。
    フリッターたべたくなっちゃった。

    食の描写がある小説でここでお薦めされて読んだ。読み始めは、あー、失敗したかも、と思ったけどどんどん面白くなっていった。

    てっきり短編集だと思ってたから
    すべてが繋がる面白さがあった。

  • 好み

  • 劇団の女優ユリエ、座付き作者の小杉、その他の劇団員に
    ふるまわれる料理の数々がとても美味しそう!
    そしてそんな料理を作るミケさんは、
    次々と事件を解決してくれる。

    連作短編集ではあるが、
    作品ごとに視点が変わり、
    途中でその謎が明かされる。

    ミケさんとは一体誰なのか…

    それが明かされたとき、
    ミケさんは去っていってしまうのか。
    ユリエと一緒になって、待つ気持ちになってしまった。

    最後の一編は文庫用に書かれたということで、
    得した気分!

    読後感のよい作品だった。

  • 作中の人物の創作と本編、作者自身までもが入り混じる、とっても面白いストーリーでした。

    タイトル通り、ミケさんが作るお料理がどれもこれも本当においしそうで!
    実際に真似して作ってみたくなりました☆

  • 何とも不思議な本。推理短編集だか、全て読んで一つの大きな謎が解ける形。

    それぞれの短編は、読み始めたときは「なんじゃこりゃ?」と呆れ半分の感じだったが、全体と通すと、最初の短編は事実ではなかったりと不思議な展開になり、2度目読み返すと全てが最初読んだとは違う視点でもう一度考えることになる。

    ワクワクするという感じではないが、空気感は好き。

  • 北森 鴻 さんの魅力ある人物描写と短編連作の創りは飽きることが無い。

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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