- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087520118
感想・レビュー・書評
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恥ずかしながら、国語の授業以来の芥川だった。
当時は感じ得なかったが、こんなに緻密で多彩で表現力豊かだったんだと思わされた。
地獄変は解釈の仕方がさまざま。語られてない余白がある。余白があるからこそ、時代を超えて読み継がれていく物語になるんだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芥川の世界にどこか後ろめたさを覚えるのは、自分のどこかに彼の描く世界の人物と重なるところがあるような気がするからかもしれない。「羅生門」「蜘蛛の糸」「地獄変」…もちろん「鼻」や「芋粥」にだって。さて、今回の目当ては「藪の中」。なんだかよくわからなかった、そんな印象の残っていた話は、今回じっくり読むと多重解を持ったミステリのよう。何度も読み返し、真相が藪の中のままであることに逆にほっとする。年を重ねたせいか、特に印象深かったのは「秋」。そしてやっぱり、突然目の前に開ける色に目を見張る「蜜柑」は別格で好き。
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地獄変、恐ろしすぎた
藪の中、結果誰が殺したん?
秋、悲恋だわ、、、
トロッコ、ドッと疲れてホッとした
芋粥、わかるぅ、飽きたくないね
鼻、つまり、自分らしく生きる
羅生門、生きるって事?
蜘蛛の糸、学校で習ったんかも -
藪の中やっと読めた。
結局誰が犯人なのか、それを考えること自体が無意味なのか、あれこれ考えたら面倒臭くなって、結局考えることをやめた。 -
芥川の短編「大川の水」、「羅生門」、「鼻」、「芋粥」、「地獄変」、「蜘蛛の糸」、「奉教人の死」、「蜜柑」、「舞踏会」、「秋」、「藪の中」、「トロッコ」が入っている。
芥川なんて最後に読んだのは何でいつというのも分からない。たぶん「トロッコ」は中学校くらいの教科書かなんかで読んだのか、でも話の内容はなんだったのか、ひとつも覚えていない。けど、あるきっかけがあって、読んでみた。タイトルは知っていても、「羅生門」と「蜘蛛の糸」以外は全然内容を知らなかった。実はこの本はもう3週間以上前に読み終わった本だが、今でも面白いと思うものはどれだろう。やっぱり「地獄変」だろうけど、サル好きのおれとしては「地獄変」のサルがやっぱり印象に残っている。サルが最後飛び込んでいくなんて、なんて可哀そうな話なんだ、と思った。後は、どれも面白いけど、改めてどれと言われると正直よくわかんない。そんなことよりも、キリシタンの話から舞踏会や秋みたいな現代的?な話から、藪の中とか蜘蛛の糸や地獄変みたいな話まで、文体の幅がすごいということに驚いた。(18/05) -
知り合いから引き受けた数箱の古本処理の中にあったのが本書。ちゃんと読んだことないな…を出発点として手に取ったもののそうこうしているうちに積もった身の回りのチリも相当なものになっていることに改めて気づく。
黒澤明監督作品「羅生門」(1950) がむしろ原作と呼ぶべきなのは「藪の中」であったりすることはもう百も承知、石井岳龍監督作品「蜜のあわれ」(2016) を通してその室生犀星の原作にも触れ、その中に現れる芥川龍之介を眺めてぼうっとした気分になったのもここ数年のこと。そして最後はつい最近読了した内田百閒。共に漱石門下であったというつながりまでも芋づる式に出てきてしまった。今回こうして短編十二編というのお得な詰め合わせにめぐり逢えたのは幸せ。これからもあちらこちらにチラチラと表出はしてくるのであろう。
ひきつづき「くるもの拒まず。」の精神でいこう。 -
「地獄変」おぞましいの一言 狂気の世界 良秀=芥川か?
「蜜柑」浪曲、浪花節の世界 チトほろり -
「蜘蛛の糸」が読みたくて購入。
その他にも気になっていた話が多数収録されていたので満足でした。
(2013/06/12) -
藪の中
人それぞれ考え方見方話し内容異なる