マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712902

感想・レビュー・書評

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  • 東京バンドワゴンシリーズ 番外編

    終戦後の激動の時代に、語り手であるサチが堀田家に嫁ぐまでの物語。

    prologue
    第一章 On The Sunny Side Of The Street
    第二章 Tokyo Bandwagon
    終章  My Blue Heaven
    epilogue

    サチは華族・五条辻家の令嬢で、終戦による混乱の中、父母はGHQに連れ去られてしまう。

    父母からサチに託された政を左右するという天皇陛下の文書を巡って現れる者たちと、命に懸けて守る堀田家の面々。

    堀田家がかつて財閥であったことや、我南人の口調の秘密など、東京バンドワゴンのルーツが詰まった物語。

    かなり話がでかくなってるのも、まあ良しとしましょう。

  • サチとの出会い 戦後編 バンドワゴンシリーズは読みやすい。目になじむ感じ。語り口だろうか

  •  悪くなかった、スピンオフ編。
     3巻(スタンド・バイ・ミー)で唐突に出来てた感じの登場人物たちだけど、まぁ文学作品でもなく、アニメかTVドラマのノリなので、ホンワカと読み進められた。

     時代設定が、戦後直後というのがいいね。木内昇の『笑い三年、泣き三月』的な。いや、もっとお軽い。政の深部に関与するフィクサーとか、元陸軍の影の組織出身とか、闇の貿易商とか、容易にでっち上げられる組織や登場人物たちが、お子様アニメか。

     それでも、健気に頑張るサチの姿には、ちょっとウルっときた箇所あり。

     登場人物の一人の、
    「小さきものを守る。それが集まり束になって大きなものを守る。そういうことですよぉ」
    という言葉が、今の時代にたいする警鐘にもなっていて、素晴らしい。

    「大きなものを守るために小さなものを犠牲にしては、今までのこの国の失敗と同じになってしまいます」

     このことを忘れない為、先の戦さ、昭和のあの頃を振り返るのは悪くない。

  • 登場人物に見覚えの無い名前が多いけど???と思いながら読んでみて、納得。なんとサチさんの若かりし頃のお話だったのですね。頑固者のおじいちゃんというイメージの勘一さんは、気風のいい正義感が強い若者でした。サチさんの出自と堀田家の交際の広さには吃驚ですが、堀田家の人間は昔から情が深かったのですね。サチさんが素敵な一家に出会えて本当に良かった。

  • あったかい話だった。
    いつもは進行役のおばあちゃんこと咲智子とおじいちゃんの勘一が主なお話。
    GHQのお偉方との掛け合い。
    手に汗握るって感じでした!
    こういうお家が羨ましい。

  • 東京バンドワゴン、感動の番外編!
    おなじみの幽霊おばあちゃん・サチの娘時代を終戦直後の東京を舞台に描く感動長編。国家の未来に関わる重要文書を託され身を追われるサチが堀田家に出会い、強く優しい仲間達に守られて奮闘する!

  • 国家の未来に関わる重要文書が入った「箱」を父親から託され、GHQを始め大きな敵に身を追われるはめになった、子爵の娘・咲智子。だが、がらっぱちだけれど優しい青年にかくまわれ…。「東京バンドワゴン」シリーズ番外編。

    サチさんのお話。いろいろ解明していくね。

  • 終戦直後の東京バンドワゴンを舞台にした活劇。内容には触れないが、勘一を始めとして、人物が魅力的で話に勢いもある。とても楽しんで読むことができた。

  •  最初の出だしは、なんでこんな関係ない事が書かれてるの?と疑問に思い、はいり込めなかったんですが、五条辻咲智子さんが上野の駅で、勘一に急場を救われ、堀田家に居候することになり、堀田サチになったいきさつを知るにつけ、ぐいぐいひきつけられました(^O^)/
    亡くなってからも堀田家にいて、いろいろ語っている「サチ」の生い立ちにびっくり§^。^§
     そして、そのサチを守った、ジョーさん、マリアさん、十郎さん、ネズミさん、等々の面々の優しさ、堀田家のおじい様の賢さとかめちゃくちゃ魅力的でした(*^_^*)
     自分が暗くなりがちな時だっただけにこの時に読めたすごくうれしかった特上の本です\(^o^)/

  • バンドワゴン4作目にして早くもスピンオフ作品!若かりし頃の勘一さんとサチさんの馴れ初めがサチさんの語りで綴られています。
    終戦直後の混乱期のさ中にもかかわらず様々な人たちが力を合わせて1人の人を守ろうとする姿勢が、現在の「東京バンドワゴン」にも引き継がれているんですね。
    「My blue heaven」も誰もが一度は聞いたことがある歌ですよ。何だか幸せな気分になれます。
    本作での事実を知ったうえで5作目以降を読むと更に味わい深く読めるのかな?(^^)

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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