ジェンナ 奇跡を生きる少女 (SUPER!YA)

  • 小学館
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本棚登録 : 160
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092905184

感想・レビュー・書評

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  •  事故にあって1年半意識を失っていた17歳のジェンナ。記憶とぎれとぎれで、両親の撮っていた成長の記録のディスクを見ながら、自分の記憶をたどる。
    両親と祖母は、以前住んでいたボストンからこの1年半の間にカリフォルニアに引っ越していて、以前の友人たちはいない。自分はいったい誰なのか。過剰なくらいに慎重な母親と、仕事の都合で離れて住んでいる父親の態度も不思議に思える。
    いったい自分は何なのか。

    徐々に謎が解けてゆき、驚きの事実とジェンナのアイデンティティの復活。近未来のSFであり、謎解きであり。少女と親との葛藤と成長の話。

    ジェンナのそばによりそう祖母リリィと、その娘であるジェンナの母・クレアの葛藤も大事なポイントです。

  • うーん、期待していたほどおもしろくなかった。。。残念。
    まず翻訳が読みづらいのと
    けっこう話が同じところをぐるぐるまわっている感じだったかな。

    でも、この系統の本を読むと確かに
    「生きる」ということがどういうことなのか
    色々と考えてしまう。。。
    何が正しくて何が間違っているかは
    その人の置かれている立場によって、
    答えは全然違ってくるんだろうなと思う。

  • わたしはだれ?目覚めたジェンナには記憶がなかった。事故で昏睡状態だったのだと説明されるが、その事故の記憶もない。
    小さい頃からの両親が撮ったビデオを見ながら、時々記憶は蘇ってくるが、違和感はぬぐえない。友達は?なぜその事故の直後に引っ越ししてる?両親は何の仕事をしているの?祖母の態度の不自然さはなぜ?
    なぜ食べてはいけないの?

    思春期の、アイデンティティの悩みや世界のあり方への悩みをSFというしかけで文学としている、ということかなぁ。
    ネタ自体は、わりと早いうちから予想がつき、フィクションだけど何十年か先に実現されていてもおかしくない、またネタ自体も日本のSFマンガで読んだことのあるような気もしますが、それはおばさんの感覚。
    YA本は読むけどまだあまりSFを読んでない(今の子どもってあまりSFをSFとして読んできてないよね)層には、新しい感覚で読まれるかも。(i44)

  • (No.12-21) 近未来SFです。YA。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『私は誰?記憶喪失なの?
    事故にあったのは、一年半前だという。でも目覚めたのは2週間前。何が起きたのだろうか?上手く歩けないのはなぜ?
    ジェンナの頭の中にあるたくさんのクエスチョンマークは、物語が進むに連れてむしろ増えていく。
    ジェンナが新しい自分を見つけ生きていく勇気の物語。』

    ジェンナの世界は、私たちが生きている時代より少しだけ未来。
    遺伝子組み換えをした植物や、使いすぎた抗生物質のため環境にいろいろな悪影響がでてパンデミックが起き、その反省から規制が厳しくなっています。
    医療技術は格段に進歩していますが、一人の人が使える点数に上限がある社会です。

    でもいつの世でも手段があればそれを使って子供を救いたいのが親。読み始めてすぐに、多分そうなんだろうなということは分かりました。
    この物語では母と娘の関係がダブルになっています。主人公のジェンナと母親のクレア。クレアとその母、つまりジェンナには祖母のリリー。リリーはジェンナに対して、反感というか否定するような態度なのに、ジェンナを護ろうともしています。それはクレアがジェンナを護りたがっているから。リリーにとっては自分がやりたくはないけれど、クレアが望んでいるからジェンナを護るというわけ。ジェンナはリリーの孫なのにどうしてそうなんだろうということはだんだん分かってきます。リリーがそんな気持ちになるのは無理もないのです。

    これはSF小説ですが、古典的な親子の物語でもあります。少女が家族による囲い込みから抜け出し、自己を確立する物語。それが極端な設定で語られます。

    あまりネタばれになることは書けないのでこれ以上説明はしませんが、私はラストではちょっと裏切られた思いがしました。
    問題提起をいっぱいしていたのに、それで良いんですか?と著者に聞いてみたい気がします。
    読書メーターに記録した時、ピーター・ディッキンソンの「エヴァがめざめるとき」を思い出したと書いていた人がいました。私も読んでいたときにエヴァ~を思い出したので同じ人がいる!と嬉しかったです。ラストはエヴァ~の方が好きです。

    でも小説としてはとても面白くて、一気に読みました。あのラストで嬉しいと思う人も多くいると思います。

  • この本を読んでいると、「天国からはじまる物語」と「ミアの選択」を思い出す。確かに新しいSFのテーマですね。でも近い将来実現しそう。

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