- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092905184
作品紹介・あらすじ
私は誰?記憶喪失なの?事故にあったのは、一年半前だという。でも目覚めたのは2週間前。何が起きたのだろうか?上手く歩けないのはなぜ?ジェンナの頭の中にあるたくさんのクエスチョンマークは、物語が進むにつれてむしろ増えていく。ジェンナが新しい自分を見つけ生きていく勇気の物語。
感想・レビュー・書評
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近年読んだなかで、1、2を争うくらい好きかも。
恋愛、サスペンス、SF、シュブナイル、推理要素など、突っ込めるだけ突っ込んである。
色々考えさせられるし、もがいて成長していく主人公を応援したくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「価値観は変わる」ということを印象付けられた読後感だった。
ジェンナは事故の影響から一年半も眠り続け、目覚めるが記憶喪失になっている。
分からないことだらけの現実の中で、真実を見つけようともがく17歳の少女。
SFと推理小説と青春小説と家族の再生の物語。
薄暗い不安定な闇の中を手探りで進んでいくような感じ。
仄暗く重たい重圧に、最悪の結末を想像をして気が重くなる。
それでも、紡がれる言葉のシャープさや、ジェンナの率直な感情に、瑞々しさと力強さを感じ、読み進めることが出来た。
友情、恋愛、家族…ひとつも余すことなく描かれ、それらが絡み合って、この作品の世界を形作っていく。
母親との関係は、この特殊な状況の彼女らでなくとも誰しもが少なからず抱いているものだと思うし、共感や想像できるものだと思う。
祖母のリリーの存在感が卓越している。愛する娘の願いと自分の倫理観の狭間で悩み、また愛する孫娘への愛情とジェンナへの思い…、凛とした婦人として描かれる彼女の言動には惹かれるものがあった。
結末は思わぬ方向へいったが、そうきたか、とこれは嬉しい誤算だった。
なにせ私は重苦しい物語が苦手なのだ。そして冒頭の感想へと至る。
SFが好きな男子生徒に薦めてみようと思う。 -
NO.1410
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これを奇跡と呼ぶかは難しい問題。現実にここまで科学が進めばどうなってしまうんだろう。
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近未来SFファンタジーのヤングアダルト小説、なんだけど侮れないわこれ…。存在していることの強さを賛美する良作。映画の公開はいつだろう?
来週、牟さんに差し入れる。読み仮名少ないけど、大丈夫かな? -
ジェンナは、記憶をすべて失い、歩き方も話し方も何もわからない状態で目覚める。近未来を描いたミステリアスな問題作品。(e-honより)
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悪くはないけど、話に入っていけなかった。医療以外は現代とあんまり変わらないような感じなのに、医療だけがものすごく先に進んでことに違和感があるような。10%あれば人が再生出来る時代で、声紋認証でエンジンかけられる時代ならそもそも交通事故なんて無くなってるんじゃないかな?いや、車に代わるものがあるかも!と思いました。
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結末が気になってドキドキしながら一気に読んでしまった。緊張感高かった。
近未来SF。医療技術の発達はどこまで許されるのか?人間が人間であるための要件とは?
テーマはSFでも古典的とも言えるものだけど、描き方はさすがに現代の技術を反映していて、古典SFとは一味違う感じ。
移植医療とかAIがこれだけ発達している現代では、何十年か後にはほんとにこうなってそうなリアリティがある。
同時に、親子の愛情や葛藤という普遍的なテーマも描いていて、自分が親の立場だったら、主人公の立場だったら...と考えさせられた。
結末は賛否両論あるだろうなあ。
私は好き。作中で描かれていた諸々がこういう風に結実するとは!人間て、しょうがないものだけど、そのしょうがないところを抱えつつこれからもやっていくしかないんだろうなあという諦めにも似た希望を感じさせるラスト。 -
2015.05.11