斜陽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.76
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本棚登録 : 13002
感想 : 1308
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006024

感想・レビュー・書評

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  • またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み…
    スウプをひらり?普通ならおかしいと感じるこの表現をお母さまなら全然おかしくない、そう思わせる太宰治はすごい。
    この作品に出てくる4人すべてに似ているらしい太宰治。
    どれだけこの世の中が生きにくかったのだろうか。

    • yamatamiさん
      けいたんさん、はじめまして、こんばんは!
      こちらこそ、フォローしていただいてありがとうございます!コメントまでいただいて、とてもうれしかっ...
      けいたんさん、はじめまして、こんばんは!
      こちらこそ、フォローしていただいてありがとうございます!コメントまでいただいて、とてもうれしかったです(*^^*)

      太宰治の作風と、文章の美しさとのギャップが不思議と心地よくて...いろいろ挑戦したいなと思います(^^)

      明日は予選会!うわぁ、熱い、熱いですね!!
      作品を思い出すと、胸が熱くなり、涙がでそうになります。年末に向けて私も読み返そうかなぁ。けいたんさんの感想、楽しみにしております(*^^*)

      けいたんさんの本棚、かなり自分のツボで拝見していてとてもわくわくします!
      梨木香歩さん、私も大好きですー!

      またいろいろ語ることができたら嬉しいです。これからどうぞ、よろしくお願いします。
      2015/10/16
  • お母さまのスプウンのところだけでもクラクラするくらいイイ。

  • 始まり:戦後のある母と娘の日常描写からはじまる。描写を交えて人物説明を付け足していく。会話を挟みながら。

    終わり:自分たちの状況を主観的に振り返りつつ、望みや野望をつづって終わる。犠牲(滅亡)、革命、執着(恋、麻薬、酒、親、家柄)がキーワードに思える。

  • 人間は、みな、同じものだ。
    同じであるはずがないのに、

  • 斜陽
    太宰治

    ∞----------------------∞

    独特の文章だけど、私もこういう読点(、)ばかりで句点(。)のなかなか出てこない話し方するかもなぁと思った。

    お金が無くても暮らしは華族だった以前の頃のままで、今後暮らして行けなくなるのも分かってて、こういうのってプライドなのかなぁ。ただ分からないだけなのかなぁ。近所の住民たちの「おままごとみたい」というのが分かる気がする。
    返事も返ってこないのに恋文を送り続ける(たった3回ではあるけど)のも、ちょっと怖いなと思ったのは、私が貴族じゃないから分からないのでしょう。

    この小説で1番惹き込まれたところは「直治の遺書」。育った階級の違った人と付き合うことに困難で、麻薬を始めたり、生きることに疑問を持ったり奮闘する。
    「人間はみな同じものだ。」
    実際生きていると、同じはずなのに違うことも分かってくるし、同じじゃなくてもいいと思ったりもするんだけど、元貴族は自分の生まれが悪いからなどと元々庶民より甘えが数倍強そう。でもそうしか生きられないのだろうというのも分からなくはない。

    姉は直治の言う通り、男性を見つけて上手に世話になるだろう。女性は強か。

    2024/04/09 読了(図書館)

  • 最後の一文で考えさせられたな。
    「これは、直治が、或る女の人に内緒で生ませた子ですの」

  • 初の太宰治(あ、メロスは読んだか)
    大人になってから読み返したい。まだ全てを吸収しきれてない気がするから。
    でも、日本最後の貴族も、ボロボロに壊された青年も、どちらの滅び方も美しくて、、、

    死ぬひとは、きまって、おとなしくて、綺麗で、やさしいものだわ。

  • 太宰作品をちゃんと読むのは初めてだけど、読みやすかったな〜と思う。

    あらすじからいい話じゃないんだろうと思ってたけど、だんだんと堕ちていく様子が怖...なんでこんなに鮮明に表現できるのか!
    読み終えて『苦しいな』と思う本は久しぶりでした。

    他の作品を読んだ後にまた、読んでみたい。

  • 15年ぶりぐらいに再読。当時の自分がどう感じたか、覚えてないな。でも、その時はとにかく読み終えるのが目的で、あまり記憶に残る読み方ができてなかったなと実感。もちろん僕は貴族じゃないけれど、比較的恵まれてこれまで生きてきて、上原や直治にも、かず子にも自分を重ねてこれまで信じてきた物を壊したくなる、壊れてくれないと生きていけなくなる…(もちろん命に関わる物じゃないですが)。きっと定期的に読み返して自分の壊した物壊せてない物を振り返りたいと思います。

  • お母さまがスウプを掬う初めの1ページ目が物語の最高地点で、そこから沈み続けていくストーリー。日が傾いでいく、というのがいいのか。

    主人公のかず子さんは、何も知らな過ぎて見ていられない。ここまで痛々しい主人公なのに語り手も同じ温度なのが、なんかもうゾワっとする。笑

    高校生の頃に読んだときはもう少し純粋に楽しめた気がするんだけど、読後若干胃もたれするので「もう歳をとってしまったのかなぁ」と少し寂しい、太宰治でした。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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