智恵子抄 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101196022

感想・レビュー・書評

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  • 読了日不明。
    多分30年くらい前に読んでいると思う。
    最近、詩歌に何かと触れる機会が増えて、とってもまた読みたくなった。
    近々読みなおそう。

  • 購入したのは中学2年の時で、それ以来ほぼ毎日読み返しています。
    読むたびに高村光太郎の智恵子に対する一途な愛情が痛い程伝わってくると同時に、彼女の最期を知っているため哀惜の念に堪えません。
    この詩集を読むと、なんだか坂本九さんの「心の瞳」を思い出します。

  • 高村光太郎ってRADWIMPSと同じ匂いがした。

    ちがうか。

    RADWIMPSが高村光太郎と同じ匂いなんだよね、きっと。

  • 年に一度くらい読み返したくなる本。
    亡くなった妻への愛とか、やり切れない想いとか…ストレートに表現されていて読んでいて切なくなる。
    亡くなった妻が漬けた梅酒の詩が好き。
    妻は居ないけれど確かにそこには妻がいた証があり、その証は詩人の残りの人生を共に過ごす。
    年々濃くなる梅酒の色付きは詩人の愛の深さと一緒だと思う。

  • 智恵子のもどかしい気持ちもわかるなぁ。
    いや、私は何の才能もない普通の主婦なんだけど。
    高村光太郎は最後までやりきれない思いを抱え続けたのかな。
    切ないな。

  •  高村光太郎の生涯を綴ったリアルな詩の数々

     千恵子という女性と出会い

     千恵子という女性と恋をして

     千恵子という女性と結婚して

     千恵子という女性が結核を発病して

     千恵子という女性が精神を蝕まれ

     千恵子という女性が死ぬ


     それぞれの場面を「心情」を直接「言葉」せずに、漂わせていく手法が心を動かします。

  • 「僕はあなたをおもふたびに一ばんぢかに永遠を感じる」

    私は「愛」というものを信じていません。
    「愛」なんてものはただの言葉で、
    実態のない曖昧でふわふわしたものを「愛」と呼んでるだけだと思っています。
    でも、この本を読むと、
    愛って、こういうものなのかもしれない、と、思うことがあるのです。

  • 愛とはなにか、それがすべてここに記されてある

  • 夏になると作文書いたなあって。

  • 中学生の時に読んだ。結構原点。

  • たとえ、広く社会の役に立っていなくとも、誰か1人の役に立っていること、それだけで生きる意味があるのだと思いました。
    親や友人、恋人。そのひとがいるだけで、人は救われる。そんな経験があるはずです。
    特に、「あなたはだんだんきれいになる」という詩が好きです。
    内心からの美しさが時を経て増してゆく、愛する人からの素敵なメッセージだと思いました。

  • 智恵子の才能を世に知らしめたのは光太郎、
    となっているが、それは綺麗事で
    光太郎は智恵子の才能に嫉妬し受け止めきれなかっただけでは
    ないのかと疑っている。

    ロダンほどひどい仕打ちはしていないだけで。

  • 最初はいまいち意味がわからなかった。
    けど、読むにつてれすごい素敵な本だった。この信頼、愛情はすごい。
    “人を信じることは人を救う”こういう考え方ってすごく素敵だし、そういう人に巡り会えた。ってことがすごく素敵。目指さないと

  • 詩もすばらしいけれど草野心平さんのあとがきもよかった。銀座のバーでのエピソードに電車の中で涙ぐんでしまった

  • レモン哀歌が読みたくて借りた本です。
    全てを読んだ上で、やはりレモン哀歌が一番爽やかで綺麗で、悲しい。
    草野心平さんの話にもあったように、高村光太郎がいかに智恵子夫人を愛していたかが分かる詩集でした。
    彼の芸術はただ彼女の為に。
    そんな風に人を愛する人が、お話の中ではなく実際に生きていたんだなと考えると感慨深くなりました。

  • 2010/4/14
    あまりにもうつくしくも激しい精神と生活の営みすぎて・・・。
    愛情の深さ・苦しさを感じさせる恐ろしさ。

    詩は苦手だったが、情熱の強さが伝わるこの詩は好きだ。

  • 若い頃から大切にしている本です

  • 09.8.1

  • 一途で綺麗な愛情です。

  • 『道程』―僕の前に道はない、ぼくの後ろに道は出来る―の高村光太郎をもっと知りたいと思い、ならば智恵子抄だろう、ということで買いました。

    と思って読み進めていったら私、高村光太郎の世界、ものすごく大好きでした。
    ここに在ったかこの世界、という発見でした。
    言葉の選び方と並べ方、テンポと抑揚もすごく好きです。
    そして、この大げさで劇的な詠み方、ひいては生き方が、全くもって私のタイプど真ん中です。

    詩って、うーんなんだかなぁ、と思ってしまえばもう二度と共感することはないように感じるのですが、逆に初見から引き込まれてしまうとその魅力に溺れて金輪際とりつかれてしまうのだ、と実感しました。
    良い詩は、何度も何度も魂を通して反芻することができる。言葉の一片一片を噛み潰し味わい、その息づかいにそうっと寄り添い、やがて自然と溶け込み交り合う。
    そしていつの間にか、高村光太郎の詩が、自分の詩になるのです。

    『智恵子抄』は、光太郎と智恵子の愛の存在に圧倒されて文字通り言葉を失います。
    詩は声に出しながら読むのが好きですが、幾度となくうっと胸が詰まるので中々声になりません。
    私がやられた詩は以下の通りです。

    ・『人に』

     本を投げ打つ刹那の私と
     本を開く刹那の私と
     私の量はおんなじだ

    ・人類の泉
    ・樹下の二人
    ・値ひがたき智恵子
    ・亡き人に
    ・案内
    ・あの頃


    そして私の中のナンバーワンは、『僕等』です。
    好きすぎるので一部書いてみます。

    二人ははるかに其処を乗り越えている
    僕は自分の痛さがあなたの痛さであることを感じる
    僕は自分の心よさがあなたの心よさであることを感じる
    自分を恃むようにあなたをたのむ
    自分が伸びていくのはあなたが育ってゆくことだとおもつている

    僕等は命を惜しむ
    僕等は休む事をしない
    僕等は高く どこまでも高く僕等を押し上げてゆかないではいられない
    伸びないでは
    大きくなりきらないでは
    深くなり通さないでは

    ―何といふ光だ
    何といふ喜だ


    これが、芸術家・高村光太郎と、同じく芸術精神のありながら精神分裂症のため狂気の末に逝った妻智恵子との、誰も真似ることのできない壮絶な喜びと絶望と信頼と諦観そして調和に塗れた愛の記録なのである!
    これほどまでに”夫婦道”を極めた二人がただただ羨ましい。
    畏れ入った。

  • 人生の中で

    買い替えはたぶん3冊目になる。

    持ち歩いてはぼろぼろになるから。

    あどけない話、

    レモン哀歌。

  • 「わたしもうぢきだめになる」16歳で初めて読んだ
    この一文は衝撃でした。以来愛読書。
    ボロボロになるまで何度読み返したか判りません。

  • 愛なのです。そうなのです。

  • 詩集という形式ですが著者高村光太郎氏と智恵子夫人の切ないストーリーが織り成して個々でもキレイな詩となっていますが、全体でも1つの作品のように思えます。

    やはりオススメはレモン哀歌です。

  • すごい。巧く言えんけど、ほんとすごい。

  • この愛の迫力には言葉も出ない。
    たまらなく悲しいんだけど、たまらなく美しい。
    『絶対』とか『純粋』が存在するんだと思わせてくれる。

  • 永遠の愛のバイブル。(笑)

  • 詩集というよりは、智恵子との生活と愛を淡々と綴った言葉達。
    孤独に対してヤケだった筈なのに、智恵子1人に全幅の信頼を置く様になる光太郎には共感出来無いからこそ感服です。

    「智恵子の切抜絵」で、

    千数百枚に及ぶ此等の切抜絵はすべて智恵子の詩であり、抒情であり、機智であり、生活記録であり、此世への愛の表明である。

    と高村は言っていましたが、この詩集も同じだと思います。
    智恵子と「元素智恵子」で満たされた世界が、高村の「此世」で。


    1122-1124
    /////
    明治の年末、グロキシニアの鉢植をもってアトリエを訪れた智恵子嬢を“人類の泉”と讃えた恋愛時代から、“東京に空が無い”と語り合った幸福な結婚生活を経て、夫人の発病、そして昭和13年10月の永別――。しかも死後なお募る思いを“智恵子の裸形を残して、わたくしは天然の素中に帰ろう”と歌い、昭和31年4月の雪の夜に逝った詩人の、全生涯を貫く稀有な愛の詩集である。

    <font size="3">あなたはまだゐる其処にゐる
    あなたは万物となつて私に満ちる

    私はあなたの愛に値しないと思ふけれど
    あなたの愛は一切を無視して私をつつむ</font>

  • 国語で習ってから読みたかったので購入したけど、詞は読むの辛いですね・・・。

  • 1人の人をここまで愛せるのだろうか?
    ここまで美しく描けるのだろうか?

    狂気の中、消えていったはかなげな生命。
    元素智恵子で、智恵子は実在する、という。わたくしの肉に居る。という。
    智恵子の生命は復活し、昇華されてゆく。

    自然というもの、理ではない自然というものを彼等は得たのだと思う。
    「あどけない話」にある、ほんとの空はいずこにありや?

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著者プロフィール

詩:詩人・彫刻家。高村光雲の長男。東京美術学校卒業後、欧米に留学してロダンに傾倒。帰国後、「スバル」同人。耽美的な詩風から理想主義的・人道主義的な詩風へと転じる。代表作:「道程」「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」等。


「2013年 『女声合唱とピアノのための 組曲 智恵子抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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