赤と黒(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102008034

感想・レビュー・書評

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  • 仏文のなかでも、ずっとずっと読みたい
    読まねばと思い続けてきた本

    レーナル家の家庭教師編
    神学校編
    の上巻

    神学校編をかなり好もしく読めた
    賢すぎてもダメなんだと悟るジュリヤンが面白い

    フランス大革命、ナポレオンの帝政、復古王政
    10年おきに革命がおきる混沌時代に、堂々と男女の恋愛憎劇が描かれるのがいかにもフランスらしい…

    日本の御瓦解とは根本的に土壌が違う

  • 宝塚を観に行くために原作を読んでみた。
    難しかった。
    当時のフランスの歴史的背景や社会情勢、貴族や僧や平民の生活などを知らないと、理解できないことが多い。
    急に物件が売りに出た話など、その出来事が何を意味するかがわからないくだりがちょくちょくあった。
    それでもあまり深く考えすぎずにさらっと読むだけでも、そこそこおもしろい。

  • 高校時代授業でタイトルだけは習った本。
    フランス文学って恋愛至上主義だなぁと。
    当時のフランスの歴史的宗教的背景が解らないと読みづらい。日本史選択の自分には難しく、世界史選択の兄に度々聞いたものの「世界史は世界史でも俺は古代ローマだから」と言われました。
    そうか高校時代に読んでたら世界史の先生に色々聞けたのか!と閃くも、高校生じゃこの男女の機微と人間心理は絶対理解出来なかったな…人生はままならない。

  • (上下巻通しての感想です)

    読みやすいか読みにくいかと問われれば、個人的には読みにくいほうの部類に入る作品です。
    中盤以降のジュリヤンとマチルドのやり取りは読んでいて正直かったるかったですし、肝心な場面の描写がさらりと書き流されていたり、逆に似たような心理描写の延々記述が繰り返されていたりして、もしかすると現代の小説に読み慣れてしまっているせいかもしれませんが、読み手に対する配慮やサービス精神に欠ける印象を持ちました。
    比較するのもアレですが、同時代のフランス人作家デュマの作品は相当読みやすかったなあと今更ながら感心しました。

    ま、世界的名作らしいので、きっと私が読解できていない美点がわんさかあるのでしょうが、ひとつ間違いなく言えるのは、恋愛小説の体裁を纏った社会批評としてはなかなかよくできているという点です。
    貧しい出自であるジュリヤンが、様々な駆け引きや誘惑、そしてありったけの情熱によって、レーナル氏やラ・モール侯爵から妻や娘を奪い取ってしまうところは、堕落した旧来の支配階層に対する痛烈な皮肉であり、一方であまりにも自由すぎたジュリヤンの最後は、過剰な自由主義の行き着く先を暗示しているように思えたのでした。

  • サマセット・モームが挙げた『世界十大小説』のうちの一つ。そのうち読もう、と思って積読本棚に置き始めてから3年ぐらい経っちゃったので、さすがにボチボチ切り崩していかんといけんな、と思い、まずは上巻を読了。

    フランス小説だからか時代背景がなせる業なのか、全編通じて語調が緩慢というか鬱陶しいというかネットリしてるというか。どう贔屓目に見ても、テンポよくグイグイ読める、というものではありません。
    思い返すと、同じくフランス小説の『ゴリオ爺さん』や『異邦人』なんかも決して読みやすくはない文体なので、これは時代を問わずフランス文学の癖なのかもしれません。良く言えば登場人物の心の襞を細密に描写してるとも取れるし、悪く言えば話は盛り上がっているはずなのに文体が盛り上がらず、メリハリがなくて冗長、とも言えます。

    舞台はとある片田舎、ナポレオン後の王政復古の時代。軍人に憧れつつも、時代の流れを考慮して聖職者としての立身出世を目指す聡明で美しい青年ジュリヤンが主人公。貧しい自らの境遇を打破して出世したいという権力への羨望と、それに対する嫉みやら恨みやら妬みやらが連綿と描かれます。

    自身の出世のため、利用できそうな上流階級のご婦人を誑かし、しかし時を経ることで彼女への愛が本物となるなかで、とある事件により彼女の許に留まることができなくなってしまい、離れた町の神学校に通うことになる、といったあたりで上巻は終了。下巻に続く。

    当時の下層階級の若者にとって、自らの力で社会的にのし上がっていくという野望は大きなものであり、それが故に既得権益層である貴族や聖職者への羨望と恨みが非常に激烈だったということが、頻繁に出てくるジュリヤンの独白から読み取れます。もはやまごうかたなき古典文学なので、ストーリーを楽しむというより時代背景を味わう、というスタンスで臨んだほうが読みやすいかもしれません(ストーリーもそれなりに面白いんですが、なんせ文章の技法として大きく盛り上がるわけではないので、淡々とした文章を淡々と読めるならまだしも、そうでもなければ何か「目的」を持ったほうが読みやすい)。

    上巻でギブアップする人も結構いるようですが、なんか全体の雰囲気と古典西洋文学の傾向からして、下巻でジュリヤンは零落しそうな気がするので、その予測を心に留めながら下巻に進みたいと思います。

  • 下巻にまとめています。

  • 愛に落ちるということは地獄に堕ちるということ。

  • 歴史の教科書的名作に挑戦。ストーリーが遅々として進まない中、田舎者の秀才が頑張るお話。ナポレオンについての当時の考え方になかなかついていけなかったりする。

  • フランス革命ののち目まぐるしく変わる政情の中で、軍人から聖職者を目指す若く美しい青年。
    野心家というか自尊心の塊というか。
    貧しい製材屋に生まれ、この貧しさから抜け出したいと思いナポレオンを心の支えに生きていた。
    時代はレミゼラブルと少し重なる。ABCカフェにいた若者達にどこか似ている。

  • 感想記録なし

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著者プロフィール

スタンダール(本名アンリ―・ヘール)は、フランス革命からはじまるフランスの歴史的な激動時代を生き抜いた、フランスの代表的な作家。著書に「赤と黒」「パルムの僧院」「恋愛論」など。

「2016年 『ディズニープリンセス 「恋愛論」 Disney Princess Theory of Love』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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