- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102057025
感想・レビュー・書評
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【208】
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読みたいと思ったときには絶版になっており、新品を入手するのが大変だった。
「フラニー」でフラニーと自分を重ね(年齢が近いからよけいに共感できたのかも)、「ゾーイー」で少しだけ救われる、そんな本だった。ゾーイーのように語りかけてくれる存在が羨ましい。最後はあたたかい気持ちになり、家族とは素敵なものだと思った。 -
こちらも私にとっての青春の書。
フラニーの思いは「わかるわかる!」(彼女はいい意味で行き過ぎだったけど)と感じることが多かった。今にして思うと、若い時はそのくらいのエネルギーや欺瞞に対する怒りがあっていいと思うけどね(´∀`)
ゾーイーの「太っちょおばさま」(母)の愛だよね、(※雑な要約をしていますが)はほっと安心する、ひとつの解ですね。
自分も大学生時代にこういった欺瞞に憤怒したりということがあったけど、もちろん自分にもエゴがあり、それに対してディスカッションできる人も周りにはいない(というかみんなそれを抱えててもなかなか言えないかな?)ので、こちらの書物に凄く救われたような気がしました。 -
「フラニー」と「ゾーイー」の2本を収録。
「フラニー」では、周囲の偽善やアカデミズムの欺瞞にがまんがならなくなり、神経を衰弱させてしまった大学生の少女フラニーが描かれ、
「ゾーイー」では、フラニーの兄のゾーイーの、彼女への真摯な語りかけが描かれる。
若い世代は、フラニーの感覚に共感し、後半のゾーイーの言葉に真実を感じ取ることができるのではないだろうか。 -
登場人物(フラニー)の若い感の描写がすばらしいな。
なんでこんな風に描けるのかな。 -
「フラニー」と「ゾーイー」の2編から成る。
華麗な過去を持つグラース一家の散々な現在について描かれている。
前半は忍耐を伴いながらジリジリと読んでいたが、
後半、ゾーイーが居間でフラニーに厳しく長い語りを行う辺りから物語がまとまりを見せ始め、結末に向かって愛情が分かりやすいものに変化していく感じで、引き込まれた。
キリスト教に関する記述は、クリスチャンでない私にとっては理解に苦しむものがあり、流しながら読んだ。 -
作品内では不合理な世の中で生きる意味を家族の愛に結論づけています。そのため、最後のキリストは太っちょのオバサマという兄ゾーイの発言は、愛すべきは母親だという意味を込めている解釈しました。きっとフラニーは起床後チキンスープをすするのでしょう。
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「ライ麦畑でつかまえて」で有名なサリンジャーさんの作品。誰でも一度は経験しそうなシチュエーションと、兄妹愛、家族愛。結構、考えさせられる。海外の小説らしく、キリストとかイエスが山ほど登場するけど、別に宗教本ではない。人間世界の話、いやとても人間臭い話。もとは「フラニー」と「ゾーイー」の二編の短編だと思うけど、見事につながっているので違和感はない。表現の密度というか、書きっぷりは結構違うけど、多分あえてそうしてるんだと思う。正直、サリンジャーさんの作品はハマる。
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若さゆえの男女それぞれのどうしようもなさ、不器用さ、純真さ、そしてその中でも伝えられようとする(家族)愛をえがいた本。
学生時代を終えるまでに読んでおいてよかったと思える本。特徴のある言い回しが多いので、再読は英語で行いたい。 -
2014.12.08