サヴァイヴ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052531

感想・レビュー・書評

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  • サクリファイスを今すぐ読まねば!

  • サクリファイス、から続くサイクルレース小説。今回は白石誓に焦点を当てるよりも、現在の立場までに至るまでの【過去】に注目している。白石に関係していた人達の話の方がふくらませているように感じた。しかし、それらがあるから白石誓がこれからの未来への心根を顧みるきっかけを与えているのかもしれない。

  • 「サクリファイス」「エデン」の続編、短編集。
    ロードレースの駆け引きや個性的な選手たち。その中で揺れ動く感情。
    きっと、選手たちはいろいろなものを削げ落として、まっさらに走ってみたいのだろう。ロードレースがチーム戦である以上、人と人との葛藤があり、交流があり、衝突もある。
    思った以上にどろどろした世界だが、疾走感が読後を貫いている。

  • このシリーズ3作目にして初の短編集。白石以外の登場人物も主人公になっていて、色んなロードレーサーの苦労が描かれていて興味深い。ただ、大半の登場人物を忘れてしまっていたので混乱して大変だった…。シリーズ物として読むのではなく、独立した話と割りきって読んだけど、1・2作目も読み返してた方がもっと楽しめたなと後悔。
    きっと4作目もあるだろうから、今から楽しみ!

  • サクリフェイスから続くシリーズ物。今回は短編集です。

  • 『サクリファイス』を初めて読んだときの総毛立つような全身が震えるほど衝撃ほどではないけれど、自転車ロードレースの身体的精神的厳しさがひしひしと伝わってくる。
    文字通り命をかけるほどの、この過酷なスポーツになぜ男たちは惹かれるのだろう。

  • やっぱりこのシリーズ好きだなぁ。
    でも短編じゃなくどっしりとした長編が読みたい。ストーリセラーで読んでしまっていたのもあるのでちょっと残念。
    全部新作で読みたかったなぁ。
    チカの優しさや繊細さが本当に好きだなぁ。短編だからこそ、各個人の心情が手に取るように読めたのはラッキー。(笑)

  • サクリファイスを理科の先生にお薦めしてもらったのがこの作品のハマったきっかけです。作品の中のキャラが魅力的で個人的に好きです。

  • 「サクリファイス」の面白さに衝撃を受け、「エデン」で少し中だるみを感じつつの、「サヴァイブ」。
    全2作の登場人物のスピンオフ的短編集がファンには嬉しい。
    まだまだ続けられそうなシリーズ。是非読みたい。自転車ファンならずともコレは是非。

  • 「サクリファイス」の第三弾
    というよりは、
    スピンオフの短編。

  • 短編集。ストーリーセラーの内容がまるごと入ってます。
    ストーリーセラーを読んだ時、あんなにおもしろい!と思ったのに、この本で読んだら、あまりおもしろくなかった。
    この本がシリーズものみたいなので、途中から読んだのがいけないのかもしれない。
    自転車はチーム競技。一人ではなく、みんなでエースをフォローしなくてはいけない。エースを立てるためにアシスタントとして割り切って頑張るところとか、普通の社会生活と変わらない気がしておもしろいと思った。

  • サクリファイス、エデンの続編。時間が前後したり各編が続いているのか解りにくい部分もあった。自転車ロードレースでのアシストの苦悩、フォアザチームに徹してひたむきに走る精神は計り知れないものがある。

  • 赤城さん、石尾、チカなど、前2巻に登場した懐かしい面々の短編集。話ごとに、現在、過去、未来、時間軸が行ったり来たりするので、読み始め戸惑うんですが、みんな今を大事に生きていて勇気をもらえる。可能なら、チカの続編をお願いしたい。

  • ああー良作。
    このさっぱりとした文体が心地よい。
    最近本を読んでなかったけど、良いリハビリになった。
    また読書欲が湧いてきた。
    一番好きなのは、【ゴールよりもっと遠く】。
    単作ではそこまでだけど、【プロトンの中の孤独】からの伏線が
    (´;ω;`)ブワッって感じ。笑
    しかし★3なのは、『エデン』のラルプ・デュエズのようなワクワク感を
    味わいたいから。SSにそんなの求めるな、ってとこですか。
    というわけで、続編楽しみにします。

    【老ビプネンの腹の中】
    「俺はときどき思う。まつでビプネンの腹の中にいるみたいだって」
    パート・ピカルディに移籍したころのチカが主役。
    ドラッグに手を出したフェルナンデスと、
    自転車レースを全くわかっていないライター、田辺。

    ―なあ、だからあんたは、ドラッグなんかに手を出しちゃいけなかったんだ。
    ―そうしたら、あんたは生き延びられたんだ。

    【スピードの果て】
    オートバイに煽られた日本最速のスプリンター・伊庭は
    目の前で死亡事故を目撃する。
    イップスになった伊庭のロッカーを漁る玉置。

    「伊庭さん?世界選は・・・」
    「ヘルメットだな」
    「ようやく気づいてくれましたね」

    【プロトンの中の孤独】
    石尾がチーム・オッジに入ったころのお話。
    ただ走りたいクライマー・石尾と、
    己のポジションを守りたいエース・久米。

    「なあ、石尾。俺をツール・ド・フランスに連れてけ」
    「じゃあ、赤城さん、俺のアシストしません?」

    【レミング】
    「プロトンってレミングの集団みたいだな」

    石尾がそのポジションを確立したころのお話。
    不可解な補給ミスで勝ちを逃す石尾。

    「おまえにはわかるのか?一生ゴールを目指さずに走り続ける選手の気持ちが」

    【ゴールよりもっと遠く】
    彼が見ているのは、目の前にあるゴールではないのかもしれない、と。

    新進気鋭のチーム、エクリュのスカウトと話す石尾を目撃する赤城。
    些細なミスによって出場資格を失ったチーム・オッジ。
    レース前週、石尾は赤城の家を尋ねる。
    「これから、九字ヶ岳に行く。一緒に行かないか?」

    「もう三十五だ。そろそろ引退を考えてもいい頃だろう」
    「ツール・ド・フランスに行くんじゃないのか」
    「え?」

    【トウラーダ】
    『エデン』の後のお話。
    ミッコと共にポルトガルのサボネト・カクトに移籍したチカ。
    トウラーダを見て体調を崩したチカに、
    ドーピングの疑いをかけられ出場停止になっていたルイスが尋ねる。

    煽られ、傷つけられ、嘲笑され、蔑まれる。戻りたかったはずだ。曇りのない、ポディウムの上の自分へと。

  • シリーズ三作目。なにが面白いかって、やはり「アシスト」に関する部分だ。エースを支え、チーム競技として行われる自転車レース。アシストする立場で書かれているから、俄然ドラマに奥行きが出てくる。

  • 過去2作(サクリファイス、エデン)の登場人物数名に焦点を当てた短篇集。ロードレースの厳しさや魅力が描かれる。

    過去2作の登場人物の過去、未来が描かれているということで、本シリーズ好きとしては堪らない一冊でした。もう一度サクリファイス、エデンを読み返そうかな。

  • 『サクリファイス』『エデン』に続く3作目。短編集だが、読み応えがあった。
    いろいろな作品を書き分けている著者だが、このシリーズのおもしろさは格別だ。

  • 6話の短編 自転車ロードレース選手ストーリー。
    内3話は既読のものであったが、単行本で読んでみるのも
    新たな気持ちで読書出来、満足・満足。

    赤城とか白石とか伊庭とか、知った名前が出てくると嬉しくなるのは、
    私だけだろうかぁ?

  • 赤城と石尾の過去編がよかった。ロードレースという集団競技に
    馴染みがなくても、アスリートとして葛藤する人間の姿に惹かれる。

  • 「サクリファイス」「エデン」と続く短編集、自転車競技を行う男たちの、静かだけれど熱い戦い。
    日本にいても、海外に渡っても、トップと言われる選手であっても、エースでも、そして、そんな人々をアシストする人も、自転車にかける思いは熱く、貪欲である。
    前2作を読んでいなくても、十分面白い物語集ですが、より楽しむためにも、前作も読んでみてください。

  • NHKテレビで放映されたツールドフランスを見て勉強していたので、自転車レースの世界を堪能することが出来ました。
    この集団競技の世界に憧れます。カッコいいです。なんで日本ではあまり流行らないのでしょうかね。

    今週末は自転車でかっ飛ばそうという気に、思いっきりさせてくれます。自分の場合は、頑張っても平均速度が20kmぐらいですが、この本のおかげで気分だけは一流選手なみになることが出来ます。

  • 「サクリファイス」「エデン」と続く自転車競技シリーズの第三弾。
    とはいっても今回はスピンオフ短編というか番外編とかそういうものだそうです。

    これまでのシリーズを読んでなくても楽しめるのかどうかは正直さっぱりわかりません。まあやっぱりシリーズを初めから読んでからのほうがいいかな、と。
    サイドストーリーなので「これまで楽しめた方用」ということでそれ以上でもそれ以下でもないと思う。うん。

  •  こういったスピンオフものは期待しちゃうけど、何時も期待を裏切られるような気がする。 といった感じ。

  • 何が良かったか上手く書けませんが、自転車乗りだったら登場人物の言葉や思いにキュンキュンと来ると思います。レベルは違っても、似た感覚、感情をもっている(いた)はずと思います。

  • 「サクリファイス」のスピンオフかつ短編集です。

    赤城さんと石尾さんや伊庭さんの話があって、面白かったです。

    チカも好きですが、個人的に伊庭さんが好きなので、

    伊庭さんの読めてよかったです。

    短編集なので、少し物足りないと思ったのは私だけでしょうか。

    長編でとは言わないけど、中篇くらいで

    しっかり読みたかったです。

    収録されている話の中では伊庭さん

    世界選手権エピソード「スピードの果て」が一番面白かったです。

  • 短編集、6編。
    Story Seller に載っていて、既に読んでいたのもある。少し残念!

  • プロの自転車ロード・レーサーを主人公にした連作「サクリファイス」、「エデン」からスピンオフした読み切り短編7編を収録。「yom yom」や新潮社のアンソロジー「Story Seller」三部作に収録されていたものに、新たな一作を加えて登場。何編かは既読の作品だ。

    このシリーズならではの安定した面白さ。それぞれの登場する主人公の心理を通して、プロ自転車競技の駆け引きやレースの醍醐味が増幅される。今回は番外編らしく、白石誓以外の人物にスポットが当たった作品も多く、本編のサブストーリーとしてもなかなかの読み応え。

  • 「サクリファイス」のスピンオフかつ短編集。自転車レースを語るには短編だと短すぎて物足りない感じ。やはりグランツールのような平地あり山岳ありの長編を期待したい。

  • 【収録作品】老ビプネンの腹の中/スピードの果て/プロトンの中の孤独/レミング/ゴールよりももっと遠く/トウラーダ
    『サクリファイス』『エデン』の外伝短編集。

  • 「サクリファイス」シリーズ(?)第3段は短編集。
    石尾・赤城コンビの過去のエピソードがメインだけど、個人的には伊庭の世界選手権エピソード「スピードの果て」が一番面白かった。伊庭の事故を目撃した事によるトラウマの克服を、別の事件の背景を絡ませて解消するくだりがお気に入りてますね。
    ただ、やはりこのシリーズは長編の方が良いですね。第4段に期待します。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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