サヴァイヴ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052531

感想・レビュー・書評

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  • 2014.08.21

  • 1巻目の良さがイマイチわからなくて、それは石尾という登場人物のことが理解できなかったからだと思うが、この3作目ではそこが掘り下げられていて良かった。
    シリーズを重ねるごとに良くなっていると思う。

  • ストーリーセラーに収録されてるものを含めた短編集。

  • 近藤史恵さんの作品は精細で臨場感のあるサイクリング描写が好きなのですが、三作品目ともなると業界内部のドロドロした内部事情が主体に述べられており、自分が思っていたのとはちょっと違った方向性へ流れて来ていると思いました。Story Sellerから出典されたものが3つ含まれていました。

  • ⭐️2014年6月21日読了『サヴァイヴ』近藤史恵著 評価B+〜A

    プロの自転車ロードサイクルレーサー達を題材にその生き様を描いた物語です。

    老ビブネンの腹の中
    パリ•ルーベ 北の地獄と呼ばれるワンデーレースの話

    スピードの果て
    「やっとわかったんだよ」「いちばん速く走れば、早く終わるんだって」

    プロトンの中の孤独
    孤独な山岳レーサーの石尾が、予想もしないレース展開で、チームのエース久米を勝たせる

    レミング
    過去の恨みを晴らすべくチームエースを貶めても、復讐戦に勝ちたい安西 その心を知って、協力する石尾

    ゴールよりもっと遠く
    新興チームが仕掛けた八百長ロードレースにただ一人自らのけじめでタイムトライヤルを実行する石尾

    トウラーダ
    ポルトガルの闘牛に精神的ショックを受けるが それは気に入った国 土地で、うっかり緊張感を無くした時に、一撃を食らったから。ようやく立ち直った白石誓。しかし、、、、
    の6編

    近藤史恵は心理描写が非常に巧みで、恐らく女性作家だと思うのですが、そのハンディを乗り越えるほどの現場取材とインタビューを重ねて、この作品を書いていると思わせるに足りる出来栄えです。
    また今自分としても素人なりにロードサイクルを始めていることも、この作品の何気ない描写に頷いて、共感してしまいます。
    近藤の書いた自転車に題材を得た作品がまだ有りそうなので、また読んでみようと思う。テレビ接続していないけど、ロードレースがテレビでみたくなったなあ(^_^;)

  • サクリファイス、エデンの外伝。前作たち二つ程のインパクトはないが、自転車乗りの恐怖心がよく分かると思った。自転車乗りでなくても、自分が働けなくなったら、自分が今死んだら、この日常が簡単に失われるかもしれない恐怖心に通じるものがあるかなと感じた。

  • 【最終レビュー】

    「サクリファイス」シリーズ・第3弾。図書館貸出。

    午前中、テレビも全くシャットアウト。サッカー、見ていません。

    この時間、淡々とラスト、残りの
    ラストの2つのエピソードを読んでいました。

    読み終わって、どんより、重苦しい気分でしたが、核心をついてる所が随所に、各エピソードごとにあり

    〈芯のある、納得できる内容〉に
    まとまってました。

    『生きていくこと』

    『プロスポーツの本来の姿「光と影」の部分も含めて』

    『「内容そのもの」が、別の世界に置き換えられても「そのままに通じている」部分』

    シンプルな内容の描写ですが、それが、逆に『濃い』ものがありました。

    終わり方も、あやふやであるないような感じですが、かえってこんな感じでいいかな…と思えたりと。

    それが、この著書に関しては、何故か、許せるんです。

    ちょうど、読み終わったタイミング(時期)もよかったのかもしれません。

    来月上旬~下旬

    3,400km、23日間、全21ステージ

    『ツール・ド・フランス2014』

    BS1放映予告が、出ていたのも重ね合わせて…

    パリ・ポルトガル。著書の中の舞台として、登場していました。

  • サクリファイス、エデンのサイドストーリー。
    プロトンの中の孤独、で近藤史恵さん好きになったんだよね。
    前2作読んでだいぶ間空いたから記憶が曖昧な部分が…(^_^;)

    石尾好きだなー。
    レミング、ゴールよりももっと遠く、いい。
    チカ、こんな感じだったっけ。
    サクリファイス、エデン、読み返したくなった。

    老ビプネンの腹の中/スピードの果て/プロトンの中の孤独/レミング/ゴールよりももっと遠く/トウラーダ

  • 「サクリファイス」「エデン」に次ぐシリーズ第三作目。サクリファイスの過去や未来を描いてるというか、スピンオフ的な短編集。石尾が、石尾たるに至るまでが描かれていた章はよかった、
    まるで武士な石尾が好きになった。
    とはいえ、短編集だから仕方ないのかもしれないが、時系列がバラバラで読みづらい。一作目をうろ覚えな部分があり、なおつらかった。

  • 前回までの2作と前後する短編集。身内のドロドロした駆け引きなんて女同士だとネタ的によくある話だけれど、男性の、しかもスポーツの世界でも足の引っ張り合いはあるんですね。多分「楽しい」から始まった自転車競技が、いつの間にか強迫観念に代わる。競争相手や仲間に害を及ぼすのはもちろん行き過ぎなんだけれど、勝負の世界では普通にある事なのかもしれない。読んでいてなんだか色々考えさせられた。

  • ロードバイクレースの三作目。
    今回は短編集と言う仕上がり。
    その分ドラマ感が薄まり、全二作と比べれば今ひとつ。

  • 「サクリファイス」「エデン」の続編ではなくて、これらのサイドストーリー。
    前作を続けて読んだばかりだったので、これらのエピソードが楽しめた。「サヴァィヴ」を読んだら、更に「サクリファイス」が生きてきて、また読み返してみたくなる。

    前作は白石の競技選手としての成長が主点だったのに対し、本作は石尾の逸話(プロトンの中の孤独、レミング、ゴールよりももっと遠く)が多く、また違った楽しみ方ができた。
    石尾みたいなタイプはまわりから誤解されやすいけれど、「サヴァィヴ」を読んだら、貪欲なまでに勝負にこだわる彼の孤独や、競技に対しての真摯な思いをひっくるめて、石尾に惹かれてしまう。

  • 『サクリファイス』、『エデン』の続き、あるいはスピンオフの短編6作。主人公も誓だったり、伊庭だったり、赤城だったり、それぞれの立場からのロードレースの関わり方に奥の深さを感じました。
    特に「スピードの果て」では、公道で練習中に絡んできたバイクの事故を目撃したことにより、スピードを出すことに恐怖感を持ってしまう伊庭。彼がその恐怖感を超えた時に思った境地は、シンプルながら、それに苦しんだ彼だからこそ感じられたものなのだと思いました。
    他の作品も石尾がエースになる前の姿がかかれていて、あらためて『サクリフアイス』を読んだらきっと前の時には感じられなかったものが見えそうな気がしました。

  • 自転車ロードレーサーたちの心理を描くことで、人間が背負わされた業というものを読者に突きつける。

  • 番外編。石尾の赤城の関係がとても素敵だ。今後の展開を思うと悲しくなるけど良い番外編だった。

  • サクリファイスの番外編という位置づけの短篇集。サクリファイスを読むなら、まとめて読む方がいいと思う。石尾は本当に愚直で不器用だな。でも、純粋でいい奴だから憎めない(笑)
    それぞれが、それぞれの歴史を背負って来たことがよく分かる一冊です。

  • 熱いオムニバス短編集。このシリーズのよさは本作でも変わらず楽しめた。
    でも、良くも悪くも3冊目。

  • オムニバス形式でチカの存在感は薄かったけど、その分石尾さんの知られざる過去が読めて楽しかった。赤城さんと石尾の近づき方が、男っぽいというか不器用で微笑ましい。玄関開けたら準備万端でいるとか、子どもみたい。いい関係だな。

  • 前二作の前後譚を書いた短編集である今作も、安定の面白さでした。
    相変わらず、とても軽くて素直〜な読みやすい文なのに、ロードレースの過酷さや孤独、エンドルフィンがリアルに感じられる不思議な本。

    全体を通して女っ気がほぼ全くと言っていい位に無いのも、この本の良い点かも?べちゃべちゃした話は求めていなかったので、その点かなり好感が持てました。潔い!

  • あーこれ短篇集だったんだ。

    石尾と赤城な過去エピソードを読んで久々に『サクリファイス』を読み返したくなったりもしたけどやっぱ次は長編が読みたいなと。

  • ロードバイク3作目。これまでの2作の登場人物の短編集。内容を読んだ先から忘れてしまった。でも良くないこともなかった。
    kobo

  • 『Story Seller』で既読のものもあったけど、やっぱりこのシリーズは裏切りなく面白い。個人的には伊庭が主人公の話が好きだったかな。伊庭を絡めた長編が読みたいな。『サクリファイス』がもう一回読みたくなる。石尾さんに会いたい。2011/347

    ※図書館で予約してたんだけど、新刊とは思えぬ速さで回ってきてラッキー♪しかも栞紐の挟まり具合から察するに私が1番ぽいー!!なんか得した気分♪

  • 前二作品の登場人物を、更に掘り下げるような短編の数々。読みながら次第に個性の尖った面々を一人ずつ思い出してきた。でもやっぱり原点"サクリ~・石尾"に注目してしまう…偉大なるファイティング・スピリット!。やや、レースの風は弱めか♪

  • 他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には――。

    近藤さんのロードバイク3作目。短編集です。時系列が1、2巻の間だったり、1巻の前だったりしたので、けっこう思い出すのが大変でした。
    石尾さんと赤城さんの話が結末を知っているだけに読むのが辛かったです。若き日の石尾さんが赤城さんを信頼していく姿はちょっとかわいかったり。
    最後のチカの闘牛の話は私もショックでした。じゅうぶんグロテスクです。

  • 「エデン」に続いて、硬派。
    アスリートとまではいかなくとも、集団で何かをしたことがある人間には何かしら思い当るところがある…と思わされることがたびたび。

  • 短編集。
    赤城と石尾の話が多い。サクリファイスやエデンの登場人物の過去やその後がみれてよかった。

  • 図書館本。サクリファイスが良かっただけに、前作(エデン)、今作と今ひとつの印象です。今作は、短編の連続なのですが、もう少しそれぞれが、最後につながっていくと良かったのかと。ただ、日本ではマイナーな自転車競技を描くという作者のその心意気が好きです。

  • 三作目。短編集。二作目よりこっちのほうが好きかも。ただでさえ主人公が花型じゃないのに、更に脇役メインの短編があり、渋いが味わい深い。

  • このシリーズは回を重ねるごとに良くなっている気がする。一番気に入ったのは最終章の「トウラーダ」。限界に挑むアスリートの葛藤、焦燥、そして自己への敗北がとても上手に表現されていると思う。次作を読むのが益々楽しみになってきました。

  • このシリーズは好きです。
    ツールドフランスはいろいろ薬物のことで問題があるようですね。
    この本を読まなければ知らなかったことばかりです。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

近藤史恵の作品

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