サヴァイヴ

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 372
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052531

感想・レビュー・書評

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  • サクリフェイス、エデンに続く第三弾です。
    これは今までに出てきた人たちのスピンオフ的な短編集です。
    このシリーズが大好きだったので他の登場人物の細やかな描写が嬉しかったです。

  • サクリファイスから続く3作品目。今回は短編集だった。とても読みやすく2時間くらいで読めてしまう。サクリファイスでは感動したけれど、熱量が冷めた感じで終了。

  • 一作目が良かったために、惰性で読んでしまった。白石誓のヨーロッパでの活躍を期待していたが、内容的にはそうであらず。

  •  サクリファイス→エデンに続く短編集。でも、話は過去と未来なので、続編とは言えない。
     同じシリーズではあるけれど、一冊への詰め込み方がちょっと雑で勿体無い印象。サクリファイス後、エデン前が一作と、サクリファイス前が三作、エデン後が一作。

     いやいや、このご時勢、単行本にまとまって出版されるだけ、良いことなんだと思いますが。

     サクリファイス以前の話は石尾と赤城の話がメイン。なので、もう、どうにも。
     サクリファイスでの未来を知っているわけですから、石尾かわいいな!とか思ってしまってしんみり。

     伊庭サイドの話ももう少し読みたい。また誓と道が交わればいいのに。そんなことを思いつつ、また続刊がでますようにと祈るのでした。

  • 「プロトンの孤独」がたまらなくすき。

    シリーズのファンにはたまらにスピンオフ集。

    彼女の言葉はさらさらと読みやすいのに
    ぐさぐさと刺さるね。

  • 自転車ロードレースを題材に書かれた3作目。
    同じ主題で書いていても飽きさせない。

  • 続編と思いきや、過去の話も混じったり、前作からの後日の話となったりしてる・・・らしいのですが、実際のところ、前作は海外編だったし、1作目の記憶から「この話はいつ頃の話だ」と判断しないといけないため、ほとんど時間軸が分かりませんでした。

    そういうところってあんまり覚えてないんですよね。

    でも、それを差し引いても、内容としては面白く、サラっと読める感じが好印象です。さすがに登場人物は覚えてましたし。

    もっと白石の話が読みたいと思う部分もありますが、短篇集なので仕方のないところでしょうか。

  • サクリファイスの外伝
    誓のその後や和解頃の石尾など

  • ワクワクしながら読めた、また自転車乗り始めようかな~
    アシストってわかってるけど、ここまで来たらステージ優勝ぐらいは見てみたい
    本人もその気になってきたみたいだし
    しかし後味の悪い終わり方、これが最終話だと辛すぎる

  • ロードレースのライブ感とそのなかで紡がれる感情。どちらも生き生きと、生々しく、今回も引き込まれた。

  • やっぱりこのシリーズ好きだ。
    ロードレースの厳しさと、それに賭ける熱い思いが
    押し付けがましくなく心に響いてくる。

    しかしやはり腐った頭で読んだため
    穏やかで世話好きな赤城x天才でわがままな石尾とか考えちゃって台無し。

  • 「サクリファイス」「エデン」につづいて自転車ロードレースの世界を描いた物語、今回は短編集です。ツールドフランスという名称こそ知っていても、その競技の実態はなかなか広く知られていない世界を、これだけ読みやすくそしてダイナミックに描いてみせる手腕はさすがだなとまず思います。そして、あくまで淡白なまでにさっぱりとした筆致によって、スピード感は鋭く描かれ、自転車競技に賭ける男の強い想いはダイレクトに伝えられます。
    自身へのふがいない思い、他者への憧憬と紙一重の嫉妬、ねたみ。それらの混ざり合ったエネルギーが迸り、彼らがそれでもレースへ身を捧げる姿を尊くすら感じます。ここまでひとつのことを目指したこともないと、共感した、なんて感想は、私はおこがましいと思うのです。

  • 「サクリファイス」「エデン」と続いてきた作品の3作目です。今回は前2作のような長編ではなく、短編集でした。物語の視点も、誓だけではなく、伊庭や赤城など他の選手からの視点で描かれた物語もありました。また物語の時間も、前作よりも過去になったり未来になったりします。
    視点が変わったことで、これまでには読めなかったようなお話を読むことができて楽しかったです。

  • SURVIVE-生き延びる。生き残る。がテーマなのだろうか。まあ後付のタイトルだからな。


    サクリファイス、エデンのスピンオフ6編。最後のトラウーダを除き既読なのは承知で読んだ。
    だいたい、本編のサクリファイスもエデンも話の内容はすっかり忘れている。


    老ビプネンの腹の中
    老ビプネンはフィンランドの神話カレワラに出てくる巨人の神様。老ビプネンの腹の中に落ちたワイナミョイネンは鍛冶屋の真似をして熱さと痛さで吐き出させることに成功する。
    一人称はヨーロッパのチームで活躍する白石誓。前チームで同僚だったフェルナンデスが薬物中毒で死亡する。ロードレースを出口の無い老ビプネンの腹の中にたとえ、そこから脱出するには・・・。というお話なんだろうか?


    スピードの果てに
    チームオッジの伊庭和実が一人称。赤城はコーチになっている。
    公道で伊庭の乗るレーサーに絡んできたオートバイが追突事故を起こし運転手は死亡する。
    伊庭はそのことがトイラウマになり調子が良くない状態で日本代表としてヨーロッパのレースに参加する。そこには白石も代表として参加。レースを辞めるには・・・。


    プロトンの中の孤独
    一人称は赤城。スペインのアマチュアチームからオッジに移った頃の話。新人の石尾豪も同時にチームに入る。チームのエースは久米。赤城は久米に命じられた同僚に転倒させられる。危うく逃れた石尾は・・・、山猿が一つ成長したのか。

    レミング
    一人称は赤城。チームのエースは石尾。理由有って沖縄のレースに出場したい安西の意を汲んだ現地スタッフのアルバイトの女の子たちが石尾のレースを妨害する。
    「プロトンてレミングの集団みたいだな」
    「集団で自殺する鼠?」
    ・・・
    「リーダーがしっかりしていれば大丈夫だ」
    石尾がリーダーを自覚した一編。

    ゴールよりもっと遠く
    一人称はオッジのコーチになった赤城。
    話はまだ赤城が現役の頃のこと。とあるチームが看板スターを勝たせるためレースのスポンサーとして主催者に圧力をかけ、オッジを書類不備により不参加にさせる。参加できなくなった石尾の行動は・・・。
    そして石尾がゴールの先に見ていたのは・・・
    引退をほのめかす赤城に対し、「あんたが言ったんだ。俺をツールド・フランスに連れて行けって」
    ・・・ってことだ。

    トラウーダ
    一人称はポルトガルのチームに移った白石誓。チームメイトの実家に下宿する。
    ポルトガルの闘牛(トラウーダ)を下宿先の両親と見物に行く。
    トラウーダの牛の姿と、チームメイトがドーピングを疑われるチームメイト状況が交錯する・・・そんなお話。

  • 「サクリファイス」に感銘を受けた全ての方々のために!
    サクリファイスの世界が肉付けされるのと同時に、短編形式の各章毎にミステリー仕掛けがあって小気味良かった。

  • ロードレースシリーズ3作目。一作目の「サクリファイス」より前の出来事と未来。短編集で登場人物の若い頃の話しで面白い。
    個人的には「エデン」、「サヴァイヴ」、「サクリファイス」で面白かったなあ

  • さすがにシリーズ3作目となると、キャラも立ってきて、ただの1ファンとして読んでしまう。
    いつもの白石はもちろんのこと、赤城と石尾の出会いや伊庭のことも出てくる。読む人には、1巻であきらめずに、是非本作まで読んでほしい。

  • 「サクリファイス」のシリーズの、短編集。
    もう少し白石の話が読みたかった気もするが、これはこれでおもしろかった。

  • 「サクリファイス」シリーズ3作目は外伝的短篇集。
    前2作の主人公である白石誓の登場は少なめで、脇を固めるサブキャラクター達が主役。
    より自転車ロードレースに踏み込み、そこでもがく彼等の苦悩を描いている。
    短編それぞれの時間軸がバラバラなので、「サクリファイス」を読んでから本作を読むことをおすすめする。
    通じてこのシリーズは自転車ロードレースを知らない人でも楽しめるよい作品だと思う。世界ではメジャー競技だが、日本ではマイナー競技であるロードの魅力を示してくれている意味でスポーツ文化にも貢献している小説シリーズなのではないだろうか。

  • 「サクリファイス」と「エデン」に続く第3弾。それまでのストーリーに登場したサブキャラクターを中心に据えた内容だったが、今回もロードレースの奥深さを感じさせる読み応えのある内容に仕上がっていた。久しぶりに一気読みで読了。早速ペダルを漕ぎたくなった。

  • 自転車ロードレースを題材にした小説の第三弾。前の二冊は長編だったが、今回は短編集です。
    前作で脇役だった人達のエピソードが書かれています。
    サイクルロードレースを題材にした小説が他にあるか知らないが、ロードレース知らない人でも知っている人でも楽しめる作品だと思う。

  • 名作『サクリファイス』、その続編『エデン』に続く第三作。前二作がチカを主人公とする長編なのに対し、本作は様々な登場人物の目線からみた短編集となっています。

    そのためか、前二作ほどには胸踊るというか引き込まれる感覚はなかったものの、静かに、厚みのある読み応えでした。外伝というとこれで終わりのように感じてしまいますが、ストーリー的には続きがあってもおかしくない。是非もう一作読みたいと期待しています。

    ロードレースを知らない人には、サクリファイスから順に読むことをお勧めします。

  • スピンオフ、短編。

    トウラーダが最後に入っていることで、すっきりしない読後感。

    エデン<サヴァイヴ<サクリファイス
    の順で好き。

  • 自転車ロードレースを背景にした人間ドラマ。サクリファイスのほうが面白かったかな。

  • 2012.7.6読了。図書館で借りる。

    ストーリーセラーで読んだのもあるし、やっぱり長編で読みたい。
    いいかげん飽きがきたか?

  • 『サクリファイス』・『エデン』に続く3作目。
    時間軸も主人公もバラバラの短編集なので、読み始めは誰のいつの話かを理解する所からのスタートです。
    『エデン』までを読んで主人公のその後を知りたかった自分としては、少し物足りなく感じました。
    印象の強かった脇役達の背景が補完されるスピンオフとしては、面白かったです。

  • 作者のシリーズ3作目(スピンオフ作品)。

    自転車競技にミステリーの要素を絡めた1作目にドキドキし、
    期待して読んだ2作目に少しがっかりしたあとの3作目でしたが、
    これは結構読み応えありました。(短編ですが)

    1作目の内容(人物相関)を忘れた状態で読んだことが勿体
    なかった。できれば1作目のすぐあとに本書を読みたかった。

    このシリーズのお陰で自転車競技に興味がわき、自転車関連の
    小説を読むようになってます。ロード用自転車も欲しい!

  • 「サクリファイス」、「エデン」に続く3作目。白石のヨーロッパ3チーム目がテーマかと思いきや、前2作の番外編っぽい短編が6作で、内3作は「Story Seller 1~3」で読んだもの。
    ガツンと長編で続きを読みたいな~。

    老ビプネンの腹の中/白石@フランスチーム(「エデン」の時期)、前スペインチームメイトの死
    スピードの果て/伊庭、オートバイ事故、ロッカー荒し
    プロトンの中の孤独/スペイン帰りの赤城、新人の石尾、エース交代
    レミング/赤城とエース石尾、補給での嫌がらせ、沖縄
    ゴールよりももっと遠く/赤城の引退、新人の伊庭と白石、スポンサー問題
    トウラーダ/白石@スペインチーム、闘牛(トラウーダ)、ドーピング

  • 自転車ロードレースシリーズの短篇集。正直なところ自転車の世界には興味ないけどこの小説で描かれる人間関係は非常に興味深い。自転車レースはチームプレイでありつまりは大変だということですね。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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