サヴァイヴ

著者 :
  • 新潮社
3.63
  • (104)
  • (436)
  • (373)
  • (37)
  • (3)
本棚登録 : 1892
感想 : 372
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052531

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • このシリーズは、題名と内容がちゃんと最後に擦り寄ってくっつく感覚がたまらなく上手い。今回の「サヴァイヴ」もその言葉通り、自転車競技・ロードレースという地獄の中で生き残りをかけた選手たちの悩み・苦悩を描いている。
    1・2作目の続きにもなっているし、赤城たちの昔の話も入っていて、今昔入り乱れての生き残り競争・・・。若干、その話の入れ替わりに意識がおっつかない部分もありましたが、やはり読み終わりの気分はスッキリ。
    先が読みたくて読みたくて1.5日で読み終わり。この展開の早さ、話の引き込み方がたまらない。

  • ゼノンのパラドックス。

  • 『サクリファイス』、『エデン』のサイドストーリー的続編。
    頂上に辿り着けない凡庸な者の絶望と追われ続ける勝者の絶望。
    100回目のツール・ド・フランスが開催されるなかで読んだ。
    チカの続編が読みたくなった。

  • ★3.5

  • 作者にとって、
    石尾という人物がいかに
    大切な存在なのかが
    深々と伝わってくる。
    周りの人間の視点を通して
    レリーフを彫り上げるように…
    丁寧に描いている。
    しかし、彼という人間の底など
    まだまだ、というか到底見えることは
    ないのだろう。
    そして最後に誓くんの
    ポルトガル生活での混乱と
    これからの飛躍の兆しが垣間見えると
    いう、嬉しいおまけ付き。
    いやいや、これではまた
    サクリファイスを再読したく
    なるではないか!

  • サクリファイスシリーズ

  • 「サクリファイス」「エデン」の続編、というかその前後の物語、
    短篇集、番外編(?)でした。

    「サクリファイス」の前の時代の白石の先輩の赤城さん、石尾さんの話が多かったです。

    「エデン」を読んだ直後だったので、それに比べると、物足りない感じでした。

    最終章のルイスのことは、もうじきページがおしまいになるのに、
    どう収束するんだろう?と思いながら読んでいたら、ブチっと終わった感じでした。

    更に続編「キアズマ」が出ているそうです。
    大学自転車部が舞台ということは、登場人物は全然違うのかな?

    図書館では55人待ちだそうです。
    でも、積読本も沢山あるから地道に待とうか…とりあえず予約入れました。

  • またきた自転車もの。

    「サクリファイス」「エデン」とつながるシリーズ。
    番外編的な短編集。

  • いつも惹きつけられるロードバイクもの。
    自転車なのに、日本的組織論とオーバラップするような凄まじい感情の混じり合い。

    あっという間に駆け抜けた非日常の世界。
    夢中になれるって素晴らしい。

    いつも思うけど、なぜ近藤史恵はこんなにも自転車と組織論と男の感情がわかるのだろうか。

  • 前二作の登場人物の一面が見られて面白かった。それでも、チカをメインにした長編がいいなぁ。

  • 「サクリファイス」「エデン」に続くサイクルロードレース3作目。
    4作目の「キアズマ」が出たから急いで購入。

    相変わらずの爽やかな読後感です。
    伊庭や赤城の目から見た白石の印象というのはまた面白い。

  • サクリファイス、エデンの前後の物語、短篇集。ロードレースを舞台にした興味深い話ではあるが、サクリファイス、エデンを読んだあとでは軽い印象をもってしまうのは仕方ないところ。

    さくっと読めて楽しめました。

  • 過去に発表されたサクリファイスの人物たちの短編6編をまとめた短編集。短編…中編?
    実は私がサクリファイスシリーズに出会ったのは、Story Sellerシリーズに収録されていた赤城と石尾の短編を読んだからだたのですが、これはやはり何度読んでもよい。切なくて気持ちいい。
    急ぎ足で読んでしまったので、また改めてちゃんと読みたい1冊です。

    --

    他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。

  • 自転車ロードレースを舞台にしたショートストーリー集。登場人物はサクリファイズやエデンと同じです。先にこれらを読んでたら文句なく楽しめるでしょう。

  • サクリファイス、エデンに続く3作目。

    それまでの2作とは違い、一話ずつのオムニバスに近い形式。

    主人公だけでなく、関わった周辺の人を軸にした話などもある、サイドストーリー的な本。

    ただ最終章は次への布石であり一貫したテーマであるドーピングがテーマ。

    自転車界とドーピングについては競技の特殊性も影響してるんだなと改めて思う。

  • 「サクリファイス」を読んだ時の衝撃には及ばないけれど、やっぱり好きだ。

    白石誓くんが好き。
    石尾豪選手の自転車に乗っている時とそうでない時のギャップが好き。
    赤城さんは柿沼さんが適任などと妄想もできる。

  • これを最後に読んで3作全部読み終わった。
    時間を空けずに読んだほうが良い。
    赤木先輩が誰か分からなかったw

  • チカ、伊庭、赤城の目線で書かれたサイドストーリー6編。石尾と赤城の過去を知ることで「サクリファイス」が深みを増し完結した感じ。赤城さんがあの事件後もロードレースの世界に関わっていて嬉しかった。

    ・老ビプネンの腹の中
    ・スピードの果て
    ・プロトンの中の孤独
    ・レミング
    ・ゴールよりももっと遠く
    ・トウラーダ

  • このシリーズは面白かった。
    自転車が好きな人なら読むべきですが、作者の書き方が分かりやすくイメージがしやすいです。そんなところはラノベと言うかヤングアダルトな感じなのかも。そう、中高生とかね、読むと良いかも。

    勝つためには裏切りがあったり、誰かをサポートする立場だったり、一作目のサクリファイスなんて正にそんな立場での目線だったけど、チームとしてどんな戦略で勝ちを目指すか、そのためには犠牲にならなくちゃいけない人もいるだろうし、いろんな感情があるなぁと感じました。

  • ☆☆☆☆

  • 連作短編だったんだー。
    自転車小説であってミステリーじゃなくなっているような。。。
    でも文章のリズムはやっぱり好き☆彡

    自分もスポーツサイクルに興味を持つようになったら別の視点でも楽しめるようになった。
    前の作品を読みなおすかな。

  • 少し物足りない。。

  • 三作を読んでみて感じたのは今までの二作があってこの作品が小説的作品になったんだなと。前二作はイマイチ読み物としての深みというか読み応え感はあまり得られなかったが本作は読んだという実感を得られた。ただ文章は正直つたなく感じる所は前二作同様だが大分良くなったかな。続くのであれば次作も読んでみたいな。

  • 長編が待ちきれない人にはうってつけです。エデン続編へのつなぎの話もありますし。
    しかし最後の話は残念ながら自転車界から無くなりませんね…

  • サクリファイス,エデンのちょっと前話とか,後の話とか.安心して読めます.大変面白いですがそろそろ飽きてきました.

  • 『サクリファイス』『エデン』の続編。二作に比べて読み応えは少ないけど、他の登場人物を主人公とすることで自転車競技の奥深さを感じさせられた。と同時に勝利というのが一番になることだけではないというのは人生でも同じではないかと思わされた。

  • それぞれの登場人物の人間像を掘り下げる短編集。
    これはもう一度"サクリファイス"を読み直さなくては…

  • 長編の方が読み応えある。あっさり。

  • オマケですね。

    エデンが面白かったので、ついつい読んでしまいましたが、ちょっとガッカリ。

    短編というのを抜きにしても、興奮とは程遠いドラマ性の無さ。

    やっぱりチカを主人公に長編を出して欲しいですね。

    シリーズ外伝としてはまあまあですが、単体としては低評価になってしまいます。

    シリーズのファン以外は手出し禁止。

    あまりお薦めしません。

  • 「サクリファイス」「エデン」に続くシリーズ3作目。
    今回は、白石、伊庭、石尾、赤城のサイドストーリーなので、
    前の2作品を読んでない方は面白さが半減するのではないかな。
    反面、このシリーズのファンにとっては懐かしい人も登場して嬉しい限り。
    でも、石尾の事を思い出すと目頭が熱くなります。
    もう一度「サクリファイス」を読んでみたくなりました。

    【他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか】

全372件中 121 - 150件を表示

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

近藤史恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×