オー!ファーザー

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 8567
感想 : 1185
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104596041

感想・レビュー・書評

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  • 4人の父親をもった由紀夫くんのとばっちりストーリー。

    最初は伏線ばかりで何がこの小説の軸となるのか見えなかったけど、最後にどかーんと来ました。

    由紀夫がテレビを見ながら涙をこらえてるとき、
    わたしが由紀夫のかわりに泣いてしまったよ。くぅぅ、オー!ファーザー

    出てくる人も言葉もエピソードも、無駄なものは何一つない。どのお父さんも魅力的ですき☆

  • 父が5人。ありですか?

  • 第一期最後の作品とも呼べるこの本は、それに相応しい内容・書き方だったと思います。それくらい、「伊坂さんらしい」本でした。

    父親が複数いるのは確かにありきたりかもしれないけど、それをありきたりで終わらせないのが伊坂さん。4人の父親も、息子も、その友達も、脇役でさえも、いいキャラでした。
    伊坂さんの家族ものって、必ず心が温まるんですよねー。だから、読みながら口角が上がってしまう。あんな父親4人が欲しいです。

    私の脳内では、
    由紀夫→神木くん(?)
    悟→堺雅人さん
    鷹→寺島進
    葵→谷原章介
    勲→宇梶剛士
    富田林さん→小日向さん
    かなぁ、と。これで実写化したら豪華だあー。

  • 「えっ、これも伏線だったの?」という帯の文句にやや期待しすぎたというか、読み進めながらこれも伏線なのかあれも伏線なのかと疑いながら期待しながら読んだからか、読み終わってみるとちょっと期待はずれというかやや物足りなく感じました。
    しかし、ぱらぱらと読み返し思い返ししてみると伏線の張り方と回収の仕方はとても綺麗で、はっきりと明かされていない伏線もあるのかもなと思うと再読するのも楽しくなりそうです。
    今作も伊坂氏らしい登場人物設定と会話で、あぁいいなぁなるほどなぁと思う言葉も多数あり(なぜか伊坂作品の登場人物の言葉はしばしばよく響く)、物語の展開は今までのものと比べると突飛ではないものの、息子と4人の父親の関係性は物語が進むにつれてその絆の強さが濃くはっきりと見え、同時に若かった父親たちの老いとその先の未来を息子が感じたり庇護されていることを実感するあたりはこちらにもじわじわと来ました。
    誰かが意図せずとも誰かに影響を与えることが世の中の伏線なんでしょうかね。

  • 伊坂ワールド炸裂って感じ!
    こんな環境理想的。小さい頃から色々な可能性?を知れるって良いよね。昔々に夢見てた理想像かな~。
    やりとりに温かみがあって思わず読んでるときに頬が緩む感じ。

  • 父親が四人。なんだそりゃあ。節操ないにもほどがあるぞおかーさん!って思うのですが。なんだか憎めませんね。そしてこの四人を選ぶ趣味は悪くないのでは。たしかに異様だけど、素晴らしい家族の物語。
    小洒落た台詞とどこかしらずれた会話の楽しさもさながら、それらが全部伏線になって繋がってゆく見事さはさすがです。ラストの派手なあのシーンも、伏線は揃ってましたね。あまりに無茶ですが、爽快。

  •  主人公の由紀夫には、四人の父親がいる。母親が若い時分に四股をかけたのだという彼らは、なんと全員で一軒の家に住み、それぞれ全員が「由紀夫は俺の子だ」といいながら、由紀夫の世話を焼こうとする。
     そんな特殊な環境で育った由紀夫は、それなりに平穏な高校生活を送っていたはずだったが、友達が不良に絡まれているのをほうっておけなかった一件をきっかけに、次々ととんでもない事態に巻き込まれていき……

     面白かった!
     巧みな伏線の構築による、めまぐるしくも痛快な展開。クセのあるキャラクターたち。四人それぞれに個性的な父親たちが、また面白い。ユーモアたっぷりの会話が楽しく、ほのぼのしたエピソードあり、スリリングな展開あり、読み終えてほっとできるラストがありと、まさに極上のエンターテインメント作品。思い切り楽しめました。

     伊坂さんの作品のなかで、『陽気なギャング』シリーズ、『ゴールデン・スランバー』『砂漠』あたりがお好きな方には、特にオススメかなと思います。

     あと本筋にぜんぜん関係ないんですけども、主人公の名前が由紀夫で、その友達が鱒二……遊んでる?

  • 高校生の由紀夫と4人の父親は、とあるきっかけで重大事件に巻き込まれ・・・。一風変わった彼らの関係を描く長編小説。

    4人の父親を持つ高校生が主人公、という意味のわからない設定を読んだ瞬間興味を惹かれました。ああ、あのときの言動はこういう形で繋がってくるのか、とわかったときのパズルをはめ込んでいくような楽しさ。軽妙洒脱な文章。伊坂さんの文章表現やテンポが凄く好きだと再認識しました。

    (2010年4月読了)

  • ひさびさに、伊坂幸太郎らしい作品。
    というと少し語弊があるけれど、「伊坂ブーム」なるものが生まれた頃のテイストの作品でした。

    「あるキング」、「SOSの猿」が気に入らなかった人は、「帰ってきた」と思いそうですが、ゴールデンスランバー以前のお話らしく、完全に「昔の伊坂」の本。

    物語は、4人父親がいるという少しへんてこな設定。
    「砂漠」のようにだらだらと心温まるような話でありながら、「陽気なギャング」のようなポップな仕掛けと、粋なおじさんが登場するシュールさを持ち合わせています。

    「1番好き!」ではないけれど、「そういえば、いいよね」と、影ながら愛され続けそうなお話。
    少し懐かしい適度にぬるい読後感を与えてくれます。

  • すべての伏線がつながるこの快感! 伊坂エンタメの技の冴えを、とくとご覧あれ。

    みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。なんたって我が家は、六人家族で大変なんだ。えっ、そんなの珍しくないって? まあ聞いてよ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。しかも、飛びっきりアクの強いね。今回も、その一人と一緒に出かけたことから、とんでもない事件に巻き込まれてさ――。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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