オー!ファーザー

著者 : 伊坂幸太郎

• 新潮社 (2010年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[haruさんの感想 · 2013年11月11日]

四人の父には悩まされることも多いけど
それぞれ別分野で頼れる父が四人もいるなんて羨ましいじゃないか。
なんて言ったら由紀夫くんには他人事だからだよって言われそうですが

[青きうりさんの感想 · 2013年8月25日]

父親が4人てえらいまた無理な設定を・・・

と嗤いつつも気付いたらどっぷり入り込んでいる
それが伊坂ワールド。

伊坂さんの作品で多々見られるメッセージについて少し。

人間が組織的に末端的に、かつ無意識に大きな犯罪の片棒を担がされている、という描写が多い。
全体の計画を知らされておらず、自分の任務のみを無機質に、ロボットのように遂行していく、もはや歯車の一部でしかない人間を伊坂さんはよく描く。

これは暗に人々の動物化を示唆してるんじゃないかと。
警鐘を鳴らしている、とまでは言えなくとも、自分たちもいつその歯車になるかわからないですよ、他人事じゃないんですよと言ってるような気がする。

[akariさんの感想 · 2013年7月23日]

それぞれ違ったタイプの4人の父を持つ高校生・由紀夫がひょんなことから事件に巻き込まれます。父親達も含め、愉快な人々がいい味出してます。人間って怖いなぁとヒヤッとさせられる場面もありますが、全体の印象としては子を想う風変わりな父達と息子の面白くてあったかいお話でした。

[mafti9riさんの感想 · 2011年6月26日]

色んな伏線が最後にびしっと決まるのが伊坂ワールド。夢中になって読めました。
この作品は、性格が異なる4人の父親を持つ高校生が主人公。子は親に似るというけれど、これだけ色んな父親がいると様々な影響をうけるから、若くして世の中達観しちゃうんだろうなって。高2にして、冷静すぎでしょ。ただやり過ぎてないから、そこも丁度いいんだよね。最後の最後でやっと出てくる母親がどんな人なのかそしてその母親からはどういう面で影響受けているのか知りたいので続編期待。

[かづきさんの感想 · 2010年5月12日]

めちゃくちゃだ。。。
でも入り込んで読んでしまう。
感動してしまう。
そんな伊坂幸太郎作品を極端に象徴しているような作品でした。

あとがきを読んで、
この人はテーマをきちんと持って、段階的に作品を書いているんだな。
と感心しました。

歯の痛みで会社を休んだ事を忘れさせてくれた一時でしたね。
鏡を見ると、右頬がふっくらと腫れています。

[hatoandtoriさんの感想 · 2010年3月29日]

主人公が高校生って初めてな気もして、出だし新鮮に感じましたが、主人公の達観した感じやそれを取り巻く父親達の荒唐無稽さや所々に光るウィットに富む会話など、あとがきで第一期の最後の作品と書かれている通り、初期からの伊坂さんの流れを感じる軽快な作品でした。
ただ、良くも悪くも昔からの伊坂さん作品らし過ぎて、最近のキングや猿に比べて無難さ感じられる気がします。
ぜひ次回作ではどちらも併せ持つ、更に進化した伊坂作品に出会いたいと思います。

もちろん、一作品としては、家族や人の温かさがじんわり感じられる、とても素敵で面白い作品でした！
どの父親も素敵だったなー♪

[sonica00さんの感想 · 2024年3月4日]

再読。
楽しかった。
手旗信号のところだけ覚えていて、そうそうこれこれ！と嬉しくなった。
由紀夫君の冒険、伊坂節で読めてよかった。また忘れた頃に読みたい。

[so-kenさんの感想 · 2023年6月3日]

個性豊かな父親4人と真面目で愛想がない息子のお話です。後半は前半の伏線が回収され、盛り上がるので、是非読んでみてください。

[八木橋幸子さんの感想 · 2022年11月13日]

最初、高校生が主人公というのがキツくて（鬱陶しい女子高生の登場人物がキツくて）全然進まなかったけど、1/3過ぎくらいから物語が動き始めてそこからはあっという間に読めました。
これはドラマにすると良いと思う。ドラマの方が絶対面白いと思う。役者の良さで面白くなるし、女子高生も友人も鬱陶しくなくなると思う。
父親役4人の俳優とクールな息子役の俳優、誰がいいかな〜と妄想。

[nagiさんの感想 · 2022年9月3日]

情報が多すぎてどう収束するのかと思っていたら、最後にぎゅっと纏まって終わっちゃったという感じ。
性格の違う4人の父親と由紀夫の掛け合いなんかはそれぞれの個性が出てて面白かった。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。