オー!ファーザー

著者 : 伊坂幸太郎

• 新潮社 (2010年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[しろいるかさんの感想 · 2012年12月5日]

個人的にはこういう伊坂作品を心の底から待ってました！細やかな伏線、思わずメモっておきたくなるような名言、洒脱でテンポよい会話、後半のスリルと解決までの爽快感・・文句なしに好き。何より由紀夫の4人の父親がそれぞれにキャラがたってて魅力的。口では鬱陶しそうにしていながらいつか父達が老いていくことを考えた由紀夫がぽつり「寂しさも四倍なのか」とつぶやくいたりして、ハートウォーミングという点でもこれまでの伊坂作品で一番じゃないかな。ところでこんなにも4人の父に愛されてる知代さんってさぞ魅力的なんだろうな。

[sykm1024さんの感想 · 2012年11月4日]

4人の父親の愛にあふれたお話だった。
家族の会話のテンポもよく、終わり方も爽やか！

[shin5220さんの感想 · 2012年11月3日]

「大人がかっこよければこどもはぐれないんだよ」という別の伊坂作品のセリフを思い出した。

とにかく登場する大人たちに多くのかっこいいセリフを吐かせる！という作者の強い決意を感じる作品だな、というのが第一印象。現実問題カッコ悪い大人(きっと自分もその一人)が多くはびこる時代に生きる10代に読んでほしいな。

何故学校で勉強するか、何故試験なんてあるのか、そういう根本的なテーマにも答えている部分があって勉強になったなぁ。

[decoさんの感想 · 2012年5月12日]

面白かった。

著者代表作『ゴールデンスランバー』前に書いていた新聞小説で、あとがきには、『ゴールデンスランバー』以降が第二期とすると、著者の第一期最後の作品となる著者自身も感慨深い作品とある。

伊坂幸太郎さんの作品久々だったけど、会話のリズムや掛け合い、生き生きとしたキャラたち、そして伏線がチラチラ。
うん、読んでて楽しい。

主人公は成績優秀、スポーツ万能、文字にすると完璧な高校生。なんだけど感じのいい由紀夫。（あっ、完璧だw
でも彼には父親が４人もいるん…です。

感動する小説ではなく楽しい小説です。

一番かっこいいのはお母さんかもねw

[yuko0802さんの感想 · 2012年4月17日]

ありえない設定なんだけど
4人の父親それぞれキャラクターがたっていて楽しい。

[nixinyoさんの感想 · 2012年1月7日]

４人も父親がいて、その誰が本当の父親かもわからないまま暮らしているという状況がおもしろいと思いました。

自分の子供だと信じて疑わない４人の父親に愛されて、主人公は幸せだなと思います。

[mel2meelmeさんの感想 · 2011年10月7日]

伊坂さんのお話って
登場人物同士の会話が
機転効いてて楽しい(*^^*)

こうなるんだろうなって
推測に+αがあるのが
すごく面白い∩^ω^∩

あと人間らしくて
愛情持てる登場人物が
たくさん出てくるのが
素敵だなって思う★

好きな一冊！

[c-brain38さんの感想 · 2011年7月24日]

これまた映画化しそうな作品でした。新聞連載だったそうで、そのせいなのか最初のほうが間延びした印象で読むのに時間がかかってしまいました。後半にスリル感あり。個性的な登場人物たちがこの著者ものらしい作品です。

[sanaさんの感想 · 2011年2月23日]

四人の父親と暮らしているというとぼけた設定の話。
高校２年の由紀夫は同級生の多恵子に家までついてこられて、そのことがばれてしまう。
出張中で母親はほとんど出てこないが、よほど魅力があるということなのか～何と四股かけていて、一緒に結婚式を挙げたのだという。戸籍上は未婚の母なのだろうが。
一人息子が可愛くて仕方がない父親達にいささか困らせられているが、愛情を一心に受けて、それぞれの教育もよろしく、なかなかいい子に育ってるんですね。

大学教授で博学な年長の悟は、何でも正確に答えてくれる。
元ホストでバーを経営している若いもて男の葵は、どこへ行っても女性の視線を集める。
がっちりした中学教師の勲は、自分の教え子に手を焼いているが、いかにも頼りになりそうな熱いタイプ。
ギャンブルに生き甲斐を見いだしている遊び人の鷹も、普通でない視点とやり方で物事を教えてくれる。
ドッグレースのファミリー席に行きたいという鷹に連れられて、多恵子と付き合うことになったが、そこでスパイ映画のようなシーンを目撃。思わず…？

幼なじみの鱒二が、万引きしたグループに因縁を付けられている件にも巻き込まれる。
一方、由紀夫の学校では、野球部のキャプテン小宮山が不登校になっていた。いじめられるようなキャラでもないのだが…
多恵子に、小宮山を連れ出そうと言われるが…
四人の父親に押され気味なためにクールでだるいようだが、実は素直でお人好しで、また案外なんでも出来てしまう由紀夫。
手に負えないことになれば、父親が４人がかりで駆けつけてくれるのだ。
幾つかの事件が絡まりつつ、珍騒動も危機もあるけど～微笑ましい展開に。

[とまとさんの感想 · 2011年2月4日]

４人の父親がいて、小さいころから母一人と４人の父親と一緒に暮らしている男子高校生の話。
これぞ伊坂節！
おかしな状況の個性的な登場人物たち。
そして彼らがすごく人間味あふれていて魅力的！

事件が起こりだす前にも、これもあれも伏線か？！と予想しながら読んだが、伏線だったものも実は全然無関係だったものもあった。
伊坂氏の作品は読んでいて自分のよみがあたったり外れたりする感じが好きなんだよなぁ。

四人の個性的な父親が表現は違えど息子を愛し、守ろうとしているスタイルが気に入った。
その中心に母親の存在感があるはずなのに、物語の中ではぜーんぜんどんな人物なのか登場しないのがいいね！
…で、母親は本当に出張だったの？

男子高校生は、４人の父親がいるなんて世間的に恥ずかしいと思っているけれど、実は４人全員を父親として信頼している様子が最後の最後でわかった。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。