愛に乱暴

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1319
感想 : 248
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628063

感想・レビュー・書評

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  • 苦しい気持ちが伝わる。離婚される側ってこんなに辛いものなのだろう。この情けない旦那が無性に腹が立つ。しかし、日記の書き手については驚いた。

  • ネタバレレビューを先に読んでしまったが、それで良かったと思っている。
    わからないまま読んでいたら、半分以上過ぎたあたりでやっと出てくる種明かしにより混乱し、また最初から読み直さなければならなかったはずだから。
    本来なら、そのような自分でカラクリに気付く喜びと驚きと読み返すことが大好きなのだが、本書では、もしそうなっていたとしたら、なんだかその作業が無駄に思えただろう。
    最後までどんどん読ませる力はあると思うし、つまらないか面白いかと言ったら面白い。
    でも私にとってはこんな感じ。
    その割りには★4つ、という、自分でもよくわからない読後感。

    やたらと登録商標と思われる固有名詞が出てくる。

  • 今日読み始めて、先が気になって気になって
    日常のあいまあいまに読んで読了。
    あー面白かった。
    主人公の桃子の日記部分と日常の描写部分で
    成り立つ物語。
    桃子の旦那さんが不倫したり、義父が脳梗塞で入院したり
    桃子夫婦が住んでいる義理両親の離れの過去が
    明らかになったりして物語がすすむ。
    桃子が離婚するのか!離婚しないのか!
    気が狂うのか!!狂わないのか!!
    最後どうなるのか、ハッピーエンドか、不幸か!!
    と気になるとこが山盛りで本当に楽しい読書だった。
    読後感もよかった。が、桃子の旦那さんは馬鹿すぎると
    思った。義母ももっと教育しろって思った。
    でもその馬鹿さ加減がないとこの物語が成り立たないのかな。

  • 吉田修一って、読み始めるとするすると最後まで読んでしまうんだけど、読み終わると「あー面白かった」というときもあるけど、「で、なんなの?」ってときもある。(桐野夏生もそうだな。)
    エンタメの流行作家だから(多作)、作品にムラがあるのは仕方ないのかもしれないが、後者が続くと「もう、吉田修一、読まなくてもいいか」と思う。
    今回、まさにそうね。
    夫に愛人いて、自分は夫の親と敷地内別居、自立できるほど稼げていない。そんな中夫の父が倒れ、愛人が妊娠するという女性週刊誌並の下世話な心をくすぐる展開。
    主人公の過去があらわになったり、床下に穴を掘ったり、主人公の心理状態が尋常でないので、何か事件が起こるかと思いきや、このオチか。
    だったら、今までの描写はなんだったのさ。単に読者を離さないためだけか。
    まあ、最後まで読ませてしまうから、それなりに上手いんだろうけど、人物も描写も粗雑。
    石鹸作りって、苛性ソーダを使ってやるのは奥様のお教室としては優雅じゃないよね。デコパージュとかにすればよかったのに。
    『平成猿蟹合戦図』でも「田舎の貧乏な家の子がチェロはないだろ」と思ったけど、こういうディテールはわりとどうでもいいと思っている作家なんだと思う。
    だから、もう書評にそそられて読むのはやめる。
    もっと読むべき本があるしね。

  • 略奪愛でできた幸せが、同じく略奪されていくさまが、過去と現在の日記によって、交錯していく
    幸せと思っていた結婚生活が崩れ落ちていくなかで、最後に気づく自分の気持ちの表れ方が何とも言えない

  • なんとも捉えどころのない、ちょっとした波風の日常生活の様子が、ほんと上手い。
    途中で判明するある事によって、物語がぐっと転換し、なんだか嫌な感じがじわじわと確実に忍び寄ってきて、
    “ページを繰る手が止まらない”状態に。
    一気読みだった。

    ラストは、希望の持てる、ちょっと救いのある終わり方かな?と思ったけど、真守の自覚のないおぞましさたるや、読書中気分の悪いこと甚だし。

    まー、そもそもこんな男に引っかかってはいけないのだ。

  • [2014.05.23]

  • 恐れていたほど暗くもなく
    入れ替わり・立ち代わりに??となりつつ
    思い入れたり
    面白かったよ

  • 日記に騙された!友人の名前が出てきたところでやっと気付いた。

    因果応報ってことなのかな。自暴自棄になりつつも、小さな幸せを見つけられたり、人って不思議。
    H26.5.13読了

  • 略奪婚で得た幸せが、また繰り返す夫の不倫で壊される。
    子供を産む、男女の愛が家族のきずなに変わる瞬間なんだろうな。
    チェーンソーで自宅の床下を掘る、、、怖そうなシーン、不倫騒動のスッタモンダな描写にズンズン読んでしまったが、単にこの旦那の女癖の悪さ、一生治りません! と言う話かな?

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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