愛に乱暴

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628063

感想・レビュー・書評

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  • 3.0 鬱々たる不倫の物語。男女にとって何が幸せなのかわからなくなる。同じことを繰り返す男の課題が、女性の人生を壊して行くって思う。

  • 葉月が正しい。

  • イヤミスな感じかな?
    とにかく夫がゲスクソ野郎ですw
    なんだろなー日常にありそうななさそうな
    ドロドロ系が読みたかったから良し!

  • からくりが分かるのが終盤でなく中盤、というとこがけっこう良かった 少し希望を感じる終わり方も。

  • 資産家である義父母の離れで夫婦2人で暮らしている主婦、桃子。結婚8年目で子供はいないが、夫婦仲に問題はなく、母屋に住む義母とも、それなりに上手く付き合えている。ある日、義父が脳梗塞で倒れ、うろたえる義母と夫。介護で生活が一変するかと思われたが、夫の不倫が発覚し、離婚を迫られ、少しづつ蝕まれていく桃子。

    気付かないうちに忍び寄って、絡みつく大蛇に少しずつ締め上げられるような息苦しさを感じながらも、引き込まれてしまう。愛人と正妻の日記に描かれる愛するが故の孤独。桃子の不安と孤独の理由が分かった時、さらに胸が苦しくなる。愛とは、夫婦とは、家族とは何なのか。

    読み終わって、もう一度最初から読み返してみたい。きっと、桃子が違った姿で見えてくると思う。
    吉田修一さんは、人間の闇を描くのが本当に上手い。女性が主人公の作品は初めて読んだけれど、女性特有のじっとりとした闇も魅せられてしまう。

  • 不倫がベースだけど、そこまで不快感をもたずに
    読めるのは、夫が夫なら妻も妻だから…?

    ちゃんと見ていてくれて、理解してくれる味方は必ずいる
    そういう結末なので救いはあるが
    ちょっとくるしい。
    らしいといえばらしいのかな。

  • 辛いです。読んでて本当に辛くなる。
    女性のなんとも言えず積もり積もってくる鬱憤や不安、孤立感を描くのが上手い。
    クズな夫が浴びせてくる無神経な日常の言葉一つ一つがリアルで吐き気がした。
    上手いだけに、こっちまで壊れそうになります。
    最後は一筋の明るい光も見えはしましたが。

  • 一気に読めた
    むしろドキドキして先を読みたくてたまらなくなった

    内容はどこかのドロドロ不倫日記ブログにありそうな話なのに魅せ方が素敵
    イライラの対象がまんまと変わってしまった

    どこから狂ってたのかいつから狂っていたのかでも狂っていた方が幸せなんだと思い知らされた

    吉田修一はサラリとゲイの方がでてくるので期待していたらやはりサラリとでてきた
    その描写で昔好きだったゲイの子を思い出す
    青春

  • 愛とは何だろう、夫婦とはなんだろう、愛人とはなんだろう。家とはなんだろう。

    夫の実家の離れに住む妻桃子。夫の不実を疑い、姑の視線に悩む彼女がだんだん壊れていく。不倫された女の日記と不倫した女の日記を挟んで物語は進んでいく。離れに昔住んでいた義父の実母の物語と。


    日記の仕掛けがわかったとき、物語の悲しさが増す。

  • 義父母と同じ敷地内に暮らす結婚8年目の桃子は、愛人を作った夫から離婚を迫られて。。。という話。
    構成に少し違和感を感じながら読んでいたら、はは~そういう仕掛けでしたか。因果応報の叙述トリック。

    何と言っても追い詰められる、と言うか半ば自ら詰まって行く桃子の描写が素晴らしい。特にチェーンソーを振り回すシーンは圧巻ですが、いたって日常的なシーンであっても、そこに密かな悪意や微妙な人間関係が示されて行く。さすが吉田さん、上手いですね。

    と言いつつ、好きにはなれませんでした。
    何と言っても登場人物が好きになれないのです。夫では無く「結婚」にしがみつく主人公、子供欲しさだけで結婚しようとする夫、一見嫁に理解がありそうで実は子離れしきれない母。誰にも入り込めず。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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