百年の孤独: Obras de Garci´a Ma´rquez1967 (Obra de Garc´ia M´arquez)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105090111

感想・レビュー・書評

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  • 寝食を忘れて読みふけった。娼婦の如く(本物の娼婦も登場するが)貪欲に男たちを受け入れ、土地と血筋を守るため戦い抜く女性達に圧倒された。蜃気楼のように現われたマコンドの街は百年の歳月と共に消失したけれど、彼女たちの情愛は瘴気となり土地を彷徨い続けているような気がする。まだ孤独を引き摺っているのかと思うと悲しくなる。物語の吸引力が恐ろしく強く、読者の技量など頼らなくとも読ませ切るパワーに溢れている。複雑で濃密ながら誰にも楽しめるエンタテイメント性、選民意識などカケラもないマルケスの純粋さが素晴らしい。大傑作。

  • きっと、文学をよく分かってる人がスゴさに気がつくことができる話なのだと思った。もっと色々な本を読んでから、戻ってきたい。

  • ゲームの世界みたい。土地に家を建てて街を大きくしていくゲーム。笑えるところがいっぱいでした。また、読み返すと思う。

  • 百年の時の流れの前では、全てが空虚である。
    全編の印象は「人間神話」、聖書や神話を読むのが好きな人であれば、楽しめるだろう。

  • ブエンディア家の百年に渡る隆盛と衰退の物語。
    繊細かつ大胆なアウレリャノの血筋、粗野かつ陰惨なアルカディオの血筋。一族のなかで繰り返される2種類の精神性の生滅が、人間の持ちうる全ての孤独を描いている。

    多彩な登場人物はみな常軌を逸した特徴を持ちながらも、どこか己を投影できるような普遍的魅力を備えている。中でもアウレリャノ・ブエンディア大佐の存在が最も衝撃的。

  • 本当に大作と呼ぶにふさわしい重量級の小説でありました。僕はこれを読み終えるまで都合3ヶ月というとてつもない時間を費やしました。本作はマコンドを舞台にブエンティア家の栄枯盛衰の百年を綴ったものです。

    本書の存在は以前から気になってはおりました。で、機会があって読み始め、読み終わるまでに3ヶ月の月日を費やしました。それぐらい重量級の文学作品です。

    物語は蜃気楼の村マコンドを舞台とし、 ついには廃墟と化すまでの七世代百年というときの流れを通じ、「魔術的リアリズム」という手法を用い、その草創、隆盛、衰退、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生という人間の持つ営みすべてを詰め込んだ物語であるといえます。はっきりいって、要約をするというのはほぼ不可能なことです。

    チョコレートを飲んで空中浮遊する神父、四年以上も降り続く雨、異常に繁殖する家畜などの非現実的なエピソードから、銃殺体の前に引き出されて処刑される今際、さらにはアウレリャノ・ブエンティア大佐が反乱の後に生涯にわたって人とのほとんど接することなく魚の金細工に夢中になり、そして最期も孤独のうちに終えた話や、ホセ・アルカディオ・ブエンディアが栗の木につながれた話。「小町娘のレメディオス」が昇天したというようなエピソードを1枚ずつ積み重ねていった果てに「愛によって生まれた」というブエンティア一族の幕引きを担うとされる「豚のしっぽ」をもって生まれた子供アウレリャノまで、延々と続くものです。

    その一つ一つの出来事や、ブエンティア家のもの全員が背負っているとされる「孤独」という運命に、僕はただただひれ伏すのみでした。個人的に最大のハイライトは以前読んでここでも紹介した『バナナの歴史』という本の中にバナナ会社が一国を思うがままに操るほどにまで力が及んでいたころの話をつづったエピソードの中にこの『百年の孤独』が出てきて、バナナ会社のプランテーションで働いている労働者三千人を機関銃で一気に虐殺し、その屍体を貨車に詰めて海に運んで投げ捨てたというなんともいいがたいエピソードがあるのですが、これが物語の後半部に出てきて、そのあまりに淡々とした描かれ方に逆にむしろ背中が寒くなってしまいました。

    僕は寡聞にしてこの作品が世界文学の中でどういった地位を占めているのかはわかりませんが、とにもかくにもその圧倒的な世界観にはただただ、打ちのめされるばかりでございました。人生の中で文学が必要ないとおっしゃる方はそれまでのことなのですが、もし、自分の人生の中でこれを最後まで読みきることのできる時間と体力のある方は、ぜひとも一度はチャレンジしていただければな、と。そういったことを願ってやみません。

  • 1967年、コロンビアの作家、ガブリエル・ガルシア・マルケスの小説である。要約すると、100年5代にわたるブエンディア家の運命をマコンドという土地を舞台に語った小説である。500頁近い長編であるが、登場人物が多く、密度が濃く疾走感がある。まぎれもない傑作だ。語り口は、錬金術・伝染性不眠症・激烈だが何も獲得できなかった戦争・野性的な美女の昇天・抹殺される歴史・桁外れの浪費・4年も続く降雨と10年も続いた日照り・近親相姦など幻想的で奇妙なエピソードと、嘘のような世界を生きる人間の細やかな心理描写が併存している。「魔術的リアリズム」といわれる所以である。全体として「騒がしくも痛ましい」話である。登場人物は発明や戦争や浪費にとりつかれていて、「愛」を知ったのは最後の二人だけである。みな、望まれすに生まれ、何かに取り付かれて死んでいく。「百年の孤独」というタイトルのわけである。男は振り切れた情熱で何かにとりつかれ、女は驚くべき強さで生活と戦う。こうした「時」が延々とくり返されるのである。

  • 今のところオールタイムベスト小説。重複が多い人物名は覚えづらいし、唐突に現れるマジックリアリズムに面食らうし、時間の流れがスローな部分とすっ飛ばす部分が極端だし、別にエピソードが面白いわけでもないのにどんどん読み進めてしまった。情景描写がツボだったので物語が映像化できたことが大きいか。100年分追っかけて、最終ページに辿り着いた時は異常な達成感を覚え、架空の町マコンドから帰ってきた気分になった。有名な「昇天」のシーンは度肝抜かれた。

  • 大学の授業で読んだ。
    その当時本当に興味がなくて、しっかり斜め読みしてた記憶がある。
    古本屋でハードカバーのを買ったけど売っちゃったなぁ。勿体ない。。


    近親相姦を繰り返して破滅していく一族みたいな話だった気がするなぁ。
    なんか割と奇天烈な世界観だった記憶がある。
    全てがぼんやりしているな。読み直そう。

  • これは読まないといけません。感想はそれぞれあると思うので是非。

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ガブリエルガルシア=マルケスの作品

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