百年の孤独: Obras de Garci´a Ma´rquez1967 (Obra de Garc´ia M´arquez)

  • 新潮社
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感想 : 429
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105090111

感想・レビュー・書評

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  • ものすごく広い器にゆっくりとしたドリップコーヒーが抽出されてるのを見てる感覚。
    本を開いて物語の中に入った時、ひとつの滴がゆっくりと落ちていくのを感じました。
    淡々と語られていく物語を読み終わった時、、
    気づくと僕が見ていたものは空の器でした。
    この本と向き合う時は、苦みの効いたコーヒーを飲みながら時間をかけて読む事をおすすめします。

  • 美しい文章表現(レース細工のような美しさではなく原色鮮やかな美しさ)と、幼少期への郷愁を感じさせる現実の描き方。
    楽しんで読んだにも関わらず、この本の3割も理解しきれていない気がする。

  • 「点」や「線」ではなく「面」でぶつかって来るような文体と独特の表現に最初は戸惑ったが、木の枝葉の細部を事細やかにスケッチするように詳細に情報を理解しながら読むことをやめて、木が風に揺れる姿の全体を眺めるように読むと、ページをめくる手がスムーズになった。過去現在未来という時系列を濃密に押し込めた1枚の絵画を眺めるように全体を全身で感じとるような体験だった。

  • 物語の中でマコンドは蜃気楼のように人々の記憶から消え去ったが、メタ的には全世界の読者の記憶に残り続け、有名な歴史書の類に勝るほど、孤独から遠く離れた場所にある…と思えば、少し笑えて、慰められる気がする。

  • 良いことも悪いことも、次々起きてはいつのまにか過ぎ去ってしまう、人生とはこういうものですね。
    一行も無駄のない小説だと思いました。

  • 太陽の熱と砂にまみれたマコンド村のブエンディア一族は、その頭首のホセ・アルカディオがジプシーのメルキアデスに傾倒したことで、奇妙な系譜を紡ぐことになる。アウレリャノ・ブエンディア大佐は戦争の英雄となり、小町娘のレメディオスは妖精となって窓辺から消えて、叔母と甥の近親姦で生まれた豚のしっぽのアウレリャノは餓死の末に蟻に運ばれる…

    無茶苦茶な文脈で、非現実的な世界観なのだけど、一族の人々がやけに魅力的で一気に読めてしまう。特に、100歳超えて目が見えなくなっても一家を仕切るパワフルなウルスラおばあちゃんが好き。アマランタのツンデレとはもはや言えない天邪鬼っぷりにあきれたり、一族の子を何度も生むピラル・テルネラの放埓な優しさに驚いたりするうちに百年がたって、最後は嵐の中で一族の形跡がすべて消えてしまう。

    アウレリャノ・ブエンディア大佐やアウレリャノ・バビロニア(ひきこもり)が一生懸命解読しようとしてたのが自分の一族の顛末記というのが、ちょっと笑っちゃうオチ。
    人間の営みが最後に跡形もなくなって消えてしまうのは、諸行無常やもののあわれに通じるところがある。また超常的な町の出来事は、人と自然の境目が曖昧なアニミズムっぽく、すこし日本の文化に似てて共感。

    物語の終わりにマコンドの村は消え去るけど、読者には、眠れなくなる奇病、金の魚細工、自動演奏のオルガン、レメディオスの肖像……等々、ブエンディア一族の姿が強烈に残る。彼らはみんな変人で、主観的には孤独だったかもしれないけど実はお互いに愛し愛されていたと思うし、同じ名前の繰り返しに何度も家系図を見返しながらそれにつきあった読者も、まあ彼らを愛さずにはいられない。だから、百年の「孤独」というには騒がしく、どうにも愛に溢れた小説に感じた。とはいえ、愛と孤独は表裏一体だから、結局同じことかも。

  • 文句なし。私の読書人生に最大のインパクトをくれた最高の一冊。

  • 大学生の時に買って、読めず、10年以上経った今になって、なんだかすごく読みたくなって読んだ。2か月くらい毎日寝る前に数ページずつ読み進めた。百年の孤独というタイトルを考える。さわがしいブエンディア家。騒々しさだけとると、孤独とはむしろ無縁のように思われる。死者が入り乱れ、過去が介入してくる。頭を抱えるというか頬を張ってしっかりしろよ!と怒鳴りたくなる男たちばかり出てくる中で、ウルスラやサンタ・ソフィアやフェルナンダが家を維持していくのを、奇妙に励まされるような、悲しいような気持ちで読んだ。

  • じっくりゆっくり読み進めて、良い意味でどっと疲れてしまった。淡々とそれでいて熱く重厚に紡がれていく歴史が、段々と同じところを回っている要素に気付かされていく因果が、迫力があって恐ろしい。超自然的な現象が時折(?)起きるけれど、そんなことのひとつやふたつ起こるだろうと納得させられる時間と感情の厚い層に、くらくら来てしまいました。最初に出てくる家系図を最後に振り返ると見え方が全然違う。すごかった…

  • カルタヘナやボゴタの裏通りでは、今も百年の孤独のあの不思議な雰囲気の空気が流れていて、何処か遠い気がするでも危険なニオイがありました。あれは、ノンフィクションだったのではと。

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