百年の孤独: Obras de Garci´a Ma´rquez1967 (Obra de Garc´ia M´arquez)

  • 新潮社
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  • / ISBN・EAN: 9784105090111

感想・レビュー・書評

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  • 長い闘いやった。やっと読み終えた!

    何が孤独だったのか?
    町か、家か。

    俺名義の実家も俺が死ぬ頃には同じような運命を辿るのだろうな。

    ちなみに、やっと、スペイン語検定試験DELEのA1合格した!

  • 正直に書こう。
    全く理解できなかった。

    なんのことやらさっぱりわからなかった。
    人物名からして私にはなじみのない名前である。
    文化や思想も全く違うのだろう。
    それらのありとあらゆる要素が絡み合った結果、私はこの小説を全く理解できなかった。
    しかし、グッとくる一文などは至る所に見受けられた。
    この小説を何度も読み直し、グッとくるものや、ハッとさせられる表現をかき集めていけば、この小説が形を成して私の中に浮かび上がるのかもしれない。
    そして、マコンドの世界観がありありとした実感をもって私の中に根を下ろすこともあるのかもしれないのだ。

    現時点では私がこの小説についてどうこう言うことはできない。
    全く理解できなかったのだから。
    負け惜しみのようになってしまうが、1,2回読んだ程度で理解できる小説だとは最初から思っていない。
    ただ、文学的評価などから考えてこの本は何度も読み直すに値する本なのだろう。
    私自身、10回読み返すに値する本だけを読むようにしている。
    この本を読むことは、最初は理解できない本でも繰り返し読めばわかるようになるのかどうかを確かめるいい機会であると考えている。

    私にとってマコンドとは、知的実験場である。
    私がマドンコを喰らい尽くしてやるのだ。

  • マジックリアリズムの古典だということで手に取った。
    怒涛の百年の物語。
    情報量が物凄く多い。様々な人間関係を描いた百年間。
    蟻、バナナ、熱気、ハンモック……目を閉じると熱帯の中の蜃気楼の町が浮かぶようだ。
    アウレリャノとホセ・アルカディオの名前は一生忘れられないだろうというくらいインプットされてしまった(笑)

    海外文学は読みにくい訳のせいでページが進まないことが多々あるが、これは読みやすかった。原文自体も読みやすいのだろうか。

    この物語においては、女たちに同情的にならざるをえない。
    働き者のウルスラやサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエラ、愛情深いピラル・テルネラやぺトラ・コテス、聖なる二人のレメディオス、悲劇のアマランタとレベーカ、メメ。陽気なブエンディア家に影を差すフェルナンダでさえ、彼女の立場を想えば気の毒だ。
    それにひきかえ男たちは、面倒ごとばかり運んでくる。とはいえ彼らのロマンチシズムや旺盛な好奇心、放蕩、恋に悩む姿は魅力的ではあるのだが。
    ホセ・アルカディオ・ブエンディアやアウレリャノたちはメルキアデスの遺産(錬金術や真理探究)に魅せられるのだが、人生の初めから終わりまで一貫して夢中になるわけではなく他の大義や恋によって中断されることもリアルだ。
    それにしても、この小説では「気が狂った」人間が真実を見通している。生活の些末なことを飛び越えた遠くのものを見通しているせいなのだろう。

    恋と愛について。この小説では明確に区別されているような気がする。恋=性欲を中心とした一過性の情熱、愛=必ずしも性欲を必要としない落ち着いた感情、といったところだろうか。だからあんなに狂おしくレメディオスに恋したアウレリャノ・ブエンディア大佐が愛を知らない人間だというのにも矛盾はないのだろう。
    愛のあるカップルは老いた後のアウレリャノ・セグンドとぺトラ・コテス、そして最後のアウレリャノ・バビロニアとアマランタ・ウルスラくらいか。

    最後に豚のしっぽをもつ子供が生まれたのにはやられた。最初から何度も張られていた伏線だったのにもかかわらず、驚かされた。物凄くうまい物語の閉じ方だ。

    孤独を宿命づけられた一族の百年の物語。
    愛は、孤独を救えたのだろうか?
    心変わりにしても死によってにしても、愛はいずれ失われるものであるというのに。

  • とにかく読んですごい本だから、といわれて

    うん読むよ、と答えてから二年以上が経ったのかしら、
    こうなってくると逆に手を出しづらくなってきて、せきたてられるように
    読みました。
    まあこれが読みづらい読みづらい。
    二日くらいで読み切ろうとしたんですが、根気が必要です。
    文体もフラフラ、同じ表現の多用。もっと抒情的に描いてくれれば
    感情移入もしやすかったんですが、そうしないところがこの小説の特性上のキモなんでしょうね。

    『予告された殺人の記録』が「キライ」と言ってもいい出来だったので
    ちょっと不安だったんですが、
    最後まで読み終わって溜息が出ました。

    これは、どんな作家も一度は目指す、一つの終着点であり
    完成形です。

    「面白いか」と言われるとわたしはあいまいに微笑むしかないですが、
    「すごいよ、読んだ方がいい」とは間違いなく言えます。
    そういう作品です。

    あらすじとしては、豚のしっぽを持つ子供が生まれることを恐れるあまりに
    村を出てマコンドという村をうちたてた
    ホセ・アルカディアとウルスラにつらなる一族の物語、としか
    説明のしようがないのですが

    マジックリアリズムとどうも言われているようなんですが
    メルキアデスと呼ばれているジプシーが死後も普通に出てきたり
    レメディアスはシーツにくるまれて昇天したり
    ウルスラさんは120歳くらいまで生きていたり
    なんでもトランプ占いで予言できるピラル=テルネラだったり
    「えっどういうことですか?詳しく」と言ったら負けというか
    あ、そういうことですか、はいはい、と受け入れていくうちに
    いったいこの物語をどういうスタンスで読めばいいのか
    感情移入なんてできるはずもなく、俯瞰したところから、ふわふわと
    酩酊したような気持ちで、きまぐれに人生をのぞきみる神のように
    この本を読む羽目になるわけです。

    そんな私は、アウレリャノ=ブエンディアが大佐になろうが
    好きにしたまえよ、革命のために死ぬのも君の自由だよ、等と
    クールなスタンスで読んでいたのですが
    レベーカとピエトロ=クレスピの婚約からはじまる
    アマランタの「どうしてそこまで!」という嫉妬と狂気に
    ページをめくる手が早まりました。

    レベーカがホセ・アルカディアと結婚したのはまあ
    「あっ、君の気持ちってそういう感じ?まあ・・・よかろうね」と
    スルーしようとしたものの
    アマランタとピエトロ=クレスピがだんだんいい感じになってきたのも
    「まあこれで丸く収まれば万々歳ですよ」と思っていたものの
    そこでまさかのアマランタによるクレスピの拒絶!自殺!完!

    はあああああああああああああああ?
    なにやってんのこの女?バカなの?死ぬの?
    ってリアルに声に出ました

    この小説は登場人物たちの心理描写がほとんどないので、
    行動だけで推し測るしかないんでしょうが、私はこの瞬間から
    アマランタを許せないなあ、と思ってしまったのです。

    だから正直な話、ここから先の世代の彼らがどうなっても
    わりと冷めた目で読んでいたというか
    もうどうでもいいやこの一族的な思いがあったことは否めません。
    同じ名前つけすぎだし。

    世代をこえて同じ名前を与えられると、だんだん
    名前は記号にしかなりえなくなってきて、
    ホセ=こういう人、 アウレリャノ=こういう人 という
    どんどん個人を逸脱した観察になっていき
    いち個人の人生を語った第一世代から、読者は気付いたら
    遠いところに置かれているわけです。

    でも個人的に第四世代は好きです。
    女王様フェルナンダと、
    明るいが学のないアウレリャノ・セグンドと、
    小町娘レメディオスと
    聖母のような献身の情婦、ペトラ=コテス。
    この奇妙な関係はとてもよかったです。
    ペトラ=コテスが実に格好いいのです。
    与えて与えて与えて与えて与えているうちに憎しみを忘れる人というか。

    まさかのウルスラおばさまが大往生し、
    一族のはじまりのことなど誰もおぼえていない頃合いになると、
    アウレリャノとアマランタ=ウルスラが子供をもち、
    希望に満ちた夜明け、かと思いきやのそこからの急降下。

    何と言ったらいいんでしょう、蜃気楼のような、
    群像劇を見せつけられて、これは・・
    物語としてどう、ということよりは、「小説」としてはすごいんです。
    章立てもしてあって、章ごとの起承転結も意識してあって、
    ダレない。(が、山場もない。)

    うまく言葉にできないですね。
    ただこの感覚、夢か幻をみせられたような、なかば以上は
    ドキュメンタリー映画をみせられたような、そういうまじりあった感覚、
    これはなかなか味わえるものではなく、忘れがたいとも思います。
    この小説にかわる小説はどこにもないでしょう。
    そういう意味で、まごうことなく傑作です。

    時間の都合で、急いで読んだのでもったいなかったかもしれません。
    二日で一章くらいのペースで、きちんと個人個人と血筋を追っていけばまた違う感想になったかもしれないとは思うので、
    数年後くらいにまた読みたい作品です。

  • 一年くらいかけてようやく読了。
    登場人物の把握は途中から諦めて、文章を味わうことに専念しました。

  • 3週間ほどかけて読んだ。どのエピソード、文章も無駄がなく、一文でも忘れると後々どんどん置いていかれる。よって理解できていないところがある。
    あまりにも情報過多でスケールが大きく、感想をうまくまとめることができない。

    「神話」に近い文章だった。妖しい香りを撒き散らし男を死に追いやるレメディオスの昇天、4年以上続く雨などの描写が好きだ。
    男性たちは戦争に行き、女にだらしがなく、欲にまみれている。個性はあれど流れている血は同じである。
    それに比べ女性がみな魅力的で、外から入ってきた者も含めてそれぞれ個性が輝いていて、強く美しい。

    「孤独」というタイトルは何を意味しているのだろうか。生きている間は孤独な人生を送る者と、そうではない者がいる。しかし、死ぬときはみな孤独に返る。一人で生まれ、一人で死んでいく。
    そして村は初めから孤立状態であり、よそ者が来て賑わっても最後にはまた誰もいなくなり、消えていく。そう考えるとこの賑やかな物語の中にも寂しさ、物悲しさを感じるのだ。

    しかしこの物語をただの暗い悲しい物語とはとらえない。読み終わった後はなぜかあたたかな気持ちになる。これは何代にもわたるブエンディア家の人々の人生への讃歌だと思うからである。どの人物も愛おしい。そして、それは自分にも跳ね返ってくる。自分の人生はきっと美しい。どんなことがあっても。なぜかそう思えるのだ。

  • 圧巻だった。
    うまく感想が出てこない。物語る楽しみとか、物語に引き込まれる快感とか、そういうのが圧倒的というかなんというか。
    これが1950年代の文学シーンを牽引した、と言われて、確かにそうだろうな、と納得せざるを得ない。それくらい、すごい。
    いい本読んだ。これをもっと前に読んでいたら、と思うけれど、一方で、ある程度の読書歴があったからここまで吹っ飛ばされたのかもしれないので、それはそれで幸せな出会いだったと言える。
    「小説って、こうだよね」という教科書的な読みばかりしていた自分にサヨナラ。
    そんな本だった。

    中身について。
    一族の歴史、なんだけど、読後感が『古事記』のそれに近い。世俗の話には違いないんだけれど、系譜的には神話に入れてもいいような。
    近代の目で前近代を描いたのが芥川。この小説はその逆。前近代の目を捨てずに、近代を描いている。だから、『遠野物語』にも近い肌合いを感じる。女との交わりが家畜の増殖につながる、なんていうあたりは、類感呪術のたぐい。
    登場人物が前振りなしにボッと出てきて、いつの間にやらストーリーを牽引してたり、かとおもうと「えっ?このタイミングで?」って時に死んじゃうし。死んだかと思えば生きてる人と会話が成立してるし。
    でも、破天荒なだけじゃなく強烈なメッセージ性ももってる。

    愛じゃ人間は救われないんだ。
    もちろん、孤独も救っちゃくれないよ。
    じゃあ何のために生きるのかって?
    何のためだかわからない。
    けど、この世なんてしょせん蜃気楼だしね。
    じゃ。

    っていうメッセージなのかしら?
    とにかく心にドカンと入ってくる。
    なんだろう、この圧倒的なパワー?ジャングル的とでも言うのかな。
    上手くまとまらないけど、そもそも、まとめられないように物語られている作品だから仕方ない、ということにする。
    とりあえず、今日、2人の本好きさんに貸してみたので、後で感想を聞いてみたいと思う。
    存分に吹っ飛ばされてくれてるといいな。

  • 再読。
    あらすじに収束できないような取りとめのない複雑な物語をガルシアマルケスは書きたかったのではないだろうか。そして、もしその全体を俯瞰することができたとしたら物語は少なからず色を失ってしまう、というようなことを。
    百年の孤独はどこまでも開かれていて、拡散し続けるような取りとめのない物語になっているが、作中に登場する羊皮紙にはその物語を一望できる俯瞰図のようなものが書かれている(らしい)。
    決して読み解き様のないそれを読み解いた瞬間、まるで物語から奥行きが失われるかのように文字通りマコンドは塵と化してしまった。そんな皮肉っぽいユーモアのあるオチとしても読めるのではないかと思った。
    勿論こういった理屈で百年の孤独という物語を解った気になってしまうのは少し勿体ないし、仮にどのような理屈が付いたところでバラバラになってしまわないだけの強度のある物語であるということは保証されているように思う。

  • 2014.7記。

    ノーベル賞作家のガルシア・マルケスが亡くなった。私自身は、筒井康隆氏が書評で繰り返し絶賛していたのが入門のきっかけだった。
    初めて読んだのがいきなり代表作の「百年の孤独」で、その冒頭の一文。これほどに大いなる予感を秘めた文章には滅多に出会うことはできないのではなかろうか?

    「長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思い出したにちがいない。」(新訳版、新潮社)

    架空の街、マコンドには広大なラテン・アメリカ大陸を旅する行商人が訪れ、割れた瓶やらなんやらのがらくたを売ったり、誰も見たことのなかった「磁石」を持ち込んで仰天させたり、売り物の空飛ぶじゅうたんで飛び回ったりする。ブエンディア家の庭には祖父の亡霊がうろついている。物語の中で、亡霊や飛行術は「ファンタジーの道具」ではなく、当然の現実の一部として描かれている。

    ラテン・アメリカ文学、とくにマルケスの代名詞のように使われる「マジック・リアリズム」。科学で迷信を打倒してきたと思っている欧米人には鮮烈だったのかもしれないが、我々日本人にとっては、源氏物語とか雨月物語とかでなじみのある世界観ですよね・・・

    • naosunayaさん
      淳水堂さん、
      川端康成が守備範囲外なんですよねこれが、、、(深い理由なし、巡り合わせ)。
      頂いたコメントを読んで、手に取ろうという気になりま...
      淳水堂さん、
      川端康成が守備範囲外なんですよねこれが、、、(深い理由なし、巡り合わせ)。
      頂いたコメントを読んで、手に取ろうという気になりました、ありがとうございます!
      2022/07/14
    • 淳水堂さん
      naosunayaさん

      川端康成は「片腕」という短編がまさしく妖しい幻想文学だと思いました。これは素晴らしい。

      「眠れる美女」は...
      naosunayaさん

      川端康成は「片腕」という短編がまさしく妖しい幻想文学だと思いました。これは素晴らしい。

      「眠れる美女」は中編です。
      ガルシア=マルケスの「眠れる美女の飛行」は、短編集「十二の遍歴の物語」に入っています。
      でも「我が悲しき娼婦…」もこれも、川端康成の「眠れる美女」の背徳感とは別物で、妙に健全でした 笑
      2022/07/14
    • naosunayaさん
      川端康成も、「幻想」という言葉で表現されるような類の小説なんですね、そこからかい!という感じですが。
      個人的には、「神話的」と表現される何も...
      川端康成も、「幻想」という言葉で表現されるような類の小説なんですね、そこからかい!という感じですが。
      個人的には、「神話的」と表現される何ものかに惹かれて本を選ぶことが多いです。ともあれ淳水堂さんリコメンドから川端入門します、ありがとうございます!
      2022/07/14
  • ガルシア=マルケスがその想像力と語る力を大盤振る舞いする滑稽で哀しい物語。細部がとにかく鮮やかで突拍子もなくて圧倒される。何度も休憩を入れて読んだ。

    登場人物みんなが何かに夢中になって苦しい思いをして、でもたいていは努力の甲斐も穏やかな安らぎも訪れない。あたりを見回すとか人に相談するとかする機能が付いていない。愛と孤独と情熱がこんな風に共存できるものなのか。

    ブエンディア一族はみんなが違う方向を向いていてそれぞれに孤独だったけれど、だからといって彼らの百年が空しいとも思われない。目指すものがあってそれに懸命になれたのだったら、それだけでもう十分だという気がした。外野ののんきな感想かもしれないけれど。

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