あんじゅう: 三島屋変調百物語事続

著者 :
  • 中央公論新社
4.12
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本棚登録 : 2823
感想 : 461
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  • Amazon.co.jp ・本 (563ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041372

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の袋屋三島屋のおちかの不思議物語続編。目に見えないものの存在が、あるときはふんわりと、ある時は針で刺すように宮部さんの筆で描かれる。人と関わることが煩わしい新左衛門。わが子や孫も憎いわけでも、ないがしろにするわけでもないが、心底愛おしいと感じたことがない。話もできない、何か役に立つわけでもなく、存在だけの暗獣「くろすけ」に出会い、人を想う、想われることを知り、心を溶かしていった『あんじゅう』が印象的。「お前は孤独だが、独りぼっちではない。」「想い、想われること」が柔らかく描かれる。

  • 三島屋は怪談を集めている。その内容は他言無用。話の聴き手である若いおちかには、ある事情があったが前巻で全て解決とはいかず、まだ彼女は外へ出るほどの力はなかった。
    なんといっても表題作が哀しく、温かい名作。またとちゅうのいきさつがなあ……。他の話もよかったです。あと、なんと前頁ミニとはいえ全て違う挿絵いりってすごい。このページ数でこんなのみたことないっすよ。時代ものを普段読まない人も読みやすいのではないかと思います。

  • 不思議な百物語。こちらもたいへんおもしろいはなしばかりでどうしたらこんな不思議な物語が作れるのかそちらのほうが不思議です。

  • 作品紹介・あらすじ
    さあ、おはなしを続けましょう。三島屋の行儀見習い、おちかのもとにやってくるお客さまは、みんな胸の内に「不思議」をしまっているのです。ほっこり温かく、ちょっと奇妙で、ぞおっと怖い、百物語のはじまり、はじまり。

    平成30年9月5日~12日

  • やっぱり読んでなかったので読んでみた(笑)いやぁ…お話ももちろんいいんだけど、挿絵がすごく良いですね。そうか、新聞連載だからか…でも単行本にする時に一切使わないのが普通と思ってたから、これは嬉しかった。お旱さんと平太の話は可愛かったし、くろすけの話も切な可愛いというか…木仏の話、針千本の話はやるせないですね…。しかしまぁよく毛色の違うお話が次々と出てくるもんだなぁ…このシリーズ、実際に百話続くんやろか…?

  • 全4編。後ろ2編は新たな登場人物が。後への伏線? 内容としては前巻よりも超人的な存在が明らかになっているか。 表題作の「あんじゅう」は途中で誰が語っているのかわからなくなってしまった。

  • 図書館より。

    楽しく読了。新聞掲載だからが、短く読みやすく、いつの間にかページをめくり夜更かししてしまった。
    シリーズ物なので、途中から読んだけど他のも読まないとね。安心して読める作者様に感謝。

  • 面白かったー!
    登場するキャラクター全てが愛おしい。
    江戸の風情も素敵。穏やかで少しおとぼけていて、そして情がある。
    「暗獣」では少し涙してしまった。くろすけが可愛くて可愛くて。くろすけにとって消えてしまうことは本当の幸せになるのではないかとも思ったけれど、私が師匠夫妻だったら同じことをしたのではないかな。
    たくさんの人情と「縁の妙」を感じた小説だった。

  • お嬢さんはもちろん、今回は子どもたちが大活躍。
    新しい登場人物も個性的で、続きを期待してしまう。
    「あんじゅう」の老夫妻とくろすけの交流は、
    ほのぼのして佳作。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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