- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120054730
感想・レビュー・書評
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途中何度も深呼吸しながら読み終えた。
星を掬うってどんな意味なんだろうと思ってたけど、意味がわかって涙が止まらない。
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辛い過去や苦しかったことやトラウマが生きていればきっとあると思う。でもそのせいにして縛られては人生が勿体無いと確かに思った。それも全て自分の責任ではあるけれど、自分の人生の責任を取るのは自分で。自分を幸せにするのは他の誰でもなく自分だということを教えてもらった。
もし、大切な人が辛い過去から逃げられなかったり今も辛い思いをしているなら抱きしめて頑張ったねと言いたいです。
星を掬う、この意味が読了後に染み渡ります。
どうかこれからの人生もたくさんの星が生まれますように✴︎ -
うまくいかない時、ついひとのせいにしてしまう。なぜならその方が楽だから。
たとえ母娘であったとしても、"ひとにはそれぞれ人生がある"
自分の人生なんだから、責任もって力強く生きていこうと思える、前向きになれる作品だった。
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親は子供の幸せを願い、自らの良かった経験は真似させ、悪かったことは反面教師として違うことをさせる。そしてそれは自分の経験則による「幸せに生きる選択」だと信じそれを子供に強いて、子供の自由な考えや想い、気持ちをないがしろにし、愛する子を縛り付けてしまっているんですね。
自分の身に置き換えると本当にそんな子育てだったなと反省していますし、子供たちに申し訳なかったと遡ることのできない罪を感じてしまいます。
この作品は元夫に暴力を振るわれお金をむしり取られる娘の千鶴と、その母であり離婚後にシェアハウス(?)の所有者である聖子、この母娘を中心にした物語。
人には想像できない辛い過去があり、それにより今の性格や行動、そして抱く想いが形成されていて、はじめは「この人は理解出来ない、自分とは合わない」と思っていても、そのバックグラウンドを理解すると考えが一変することが分かります。もっと言うと、そういう背景があることを知らずに自分の感情だけで好き嫌いを判断することは「自分の想像力の無さ」を感じるべきなんだと考えを改めさせられました。
本屋大賞を受賞した前著も良かったですが、この作品も期待以上の内容で本当に楽しめました。 -
母と娘の関係って、本当に特殊な気がする。私はうまく母との関係が築けなかった。千鶴とは状況が全く違うのに、最後はグサグサと胸に刺さりまくって、私のことを言われている様でボロボロ泣いていた。心が痛かった。
小学校1年生のある日、突然母は千鶴を連れて旅に出た。父と祖母に見つかって家に帰ることになったのだけれど、一緒に家に帰っていると思っていた母は帰ってこなかった。「私は母に捨てられた。」
そして千鶴は今まで母を恨んで恨んで生きてきた。自分の人生、母のせいで不幸なのだと。そして実際に目を背けたくなるほどの辛い現実をただただ耐えて耐えて生きている。あるきっかけによって、母と再会することになり、複雑な思いを抱きながら母とそして自分と向き合っていく。
―私の望む世界では母が生きず、母の望む世界では、わたしが生きられなかった。―
母なら自分を犠牲にしてでも愛してくれるはずだという自分勝手な幼い幻想を今もなお持っているのは、紛れもない私なんだと思ってしまった。自分を生きずに「生きる」ことが、私が本当に望んでいる「生き方」なんだろうかとも。一方で、やはり母が子どもに与える影響力は強すぎるとも思う。
すぐには割り切れない、未熟者です。
沈んでいた記憶が意識の海から不意にポコっと浮き上がってきた時。
星を掬う、とてもとても優しく素敵な表現だな。 -
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すごい。私にはここまで感じ取れないと思う。けど、読みたいです。感想を書いてくださってありがとうございます。すごい。私にはここまで感じ取れないと思う。けど、読みたいです。感想を書いてくださってありがとうございます。2022/05/16
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スツールで読む本さん
初の投稿&フォローありがとうございます。メモ程度にスタートしましたが、コメント嬉しいです♪スツールで読む本さん
初の投稿&フォローありがとうございます。メモ程度にスタートしましたが、コメント嬉しいです♪2022/05/18 -
2022/06/03
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家族ってなんなんだろう。親子ってなんなんだろう。
夫婦ってなんなんだろう。
血のつながりってなんなんだろう。
血がつながっていないってなんだろう。
物語の始まりは、主人公がラジオ番組に応募した「思い出」が、準優勝となったことからだった。
その思い出とは、小1の夏休みに母と1か月ほどの旅をしたときのことだった。
その母は、唐突に終わりを告げられた旅の帰り、いなくなってしまった。
どうして母は、わたしとあの旅に出たのか…?
主人公・千鶴はそのこたえをもたないまま、オトナになった。
そこからは、千鶴が離婚した夫から執拗に追いかけられ、金をむしりとられ困窮し、激しいDVを受ける様子が書かれていく。
その様子は描写が本当にリアルで恐ろしく、目の前で起こっているかのようだった。
ラジオ番組で思い出が準優勝というくだりから、まさかこんな展開になるとはおもわなかった。
しかし千鶴がその思い出を応募しなければ、母・聖子と再開することはなかったし、そこからの新しい出会いもなかったのだから、なんとも言い難い。
そしてこの話は、「生き別れの母と会えてよかったよかった」などという、単純な話ではないのだ。
むしろ母と一緒に住むようになってからが、この話の本当の始まりなのだ。
わたしの不幸は、母がわたしを捨てたせい。
それは千鶴にかけられた呪いである。
その呪いをかけたのは、千鶴自身とも言えるし、千鶴を育てた人たちとも言えるだろう。
しかし話の後半で千鶴は、その呪いにかかった人がどんな風に見えるのかを、外側の人間として見る機会がおとずれる。
「もう認めるしかない。わたしは、この子とまったく同じことを、母にしていた。わたしの不幸は、あなたのせいだと責め立てていた。
しかし、わたしの不幸はどこから来ていた?」
(241ページ)
千鶴は、そのこたえをやっと、見つけ出す。
そして、千鶴の母・聖子もまた、何度も何度もあることを言い聞かせていた。
自分にも、再開した娘にも、一緒に暮らす人たちにも。
そうしなければ聖子は、自分の人生を生きることができなかったから。
「私の人生は、最後まで私が支配するの。誰にも縛らせたりしない」(268ページ)
わたしの人生はわたしのものであり、あなたの人生はあなたのものだ。 -
〝星を掬う〟というタイトル。
このタイトルの意味が分かる場面で泣かされた〜。
「私の人生は、最後まで私が支配するの。」
色んな意味で母に依存していた千鶴が自立するとき、お母さんのように強くなれたね。
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「自分の経験が誰かの人生を救う」って言う千鶴さん、本当に良く言ってくれました。価値がゼロの人なんてこの世の中にはいない。辛かったからこそ今度は逆に支えになる方で癒されていってほしい。
母親って、家族って、子供を責め立てるのではなくて一緒に未来の希望を語れる存在でありたいと思う。