脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140813539

感想・レビュー・書評

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  • 思いの外、得るものがあったが、いかんせん要らない例示が多過ぎる。学会か何かの論文のまんまのところは退屈。

    人生において成功するために、神は人にふたつの手段を与えた。教育と運動である。
    しかし、前者によって魂を鍛え、後者によって体を鍛えよ、ということではない。その両方で、魂と体の両方を鍛えよ、というのが神の教えだ。このふたつの手段によって、人は完璧な存在となる。 -プラトン

    運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液がさかんに送り出され、脳がベストの状態になるからなのだ。

    筋力や心肺機能を高めることは、むしろ運動の副次的効果に過ぎない。

    運動をして脳の準備を整えてから、机に向かってなにか新しいことを覚えようとすると、脳に入ってくる刺激がニューロンの結合を強めていく。そうしてできた脳の回路は、情報が何度も通ることでさらに強くなる。

    授業前に運動することで読解力やほかの成績が上がる

    一番苦手とする教科を体育の直後に受ける

    ######
    でもアスリートが概して頭が良いとも思えないので、相関はないと思う⁈

    • とんがりさん
      確かに、読んでいて長すぎるなあと数回思いました
      確かに、読んでいて長すぎるなあと数回思いました
      2018/05/13
  • ある尊敬する方から貸して頂いた本。とてーも面白かったです。この本のメッセージは明確で以下3つだと思います。

    ①脳と体は繋がっているため、体を鍛えることによって脳が鍛えられること
    ②脳を鍛えることによって、心の状態が改善すること
    ③だからみんな、運動しよう!

    こんな感じでした。この3つのメッセージを伝えるために、世界中の論文(主にアメリカ)を引用し、生物学的、生態学的、社会学的、そして多くの事例から運動することによる重要性と有効性を訴えています。身体を鍛えることによって脳が鍛えられるメカニズムは微細に記載されていることによって逆に分かりにくくなってしまっている印象を素人目では受けましたが(笑)、大まかに言えば以下の3つだと思います。

    ①運動すると血流が良くなって脳に酸素などの栄養素が多く入る
    ②運動(特に有酸素運動)をすると、体中の筋肉や心房でBDNF(脳由来神経栄養因子)やANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)といったタンパク質やホルモンが作られ、それが血流の良くなった血液に乗って脳に入る⇒結果的に頭がよくなる
    ③運動すると脳細胞に適度なストレスがかかり、運動終了後に脳に「ストレスを自分の力で乗り越えた」という経験がインプットされ、緊張したりして心拍数が上がっても脳と気持ちが安定する

    細かく言えば、コルチゾールがどうのこうのや、セロトニンがどーのこーのと言う風に書いてあったんですが、ちょっと細かすぎて分かりませんでした(笑)それよりも大まかに身体と心が繋がっており、運動によって心のありようが改善される、ということだけ知れば、十分だと思いました。

    なんとなーく、運動は身体によい、というイメージだけありましたが、ここまで理詰めされると逆に信じないわけにいかないというか、今まで持っていた感覚が科学によって裏付けされたような、そんな感覚が得られる本。良書です。

  • 結構分厚い本で運動するとどんな良いことがあるかひたすらに書いてあります。
    厚すぎて最後はざっくばらんに読みました。
    これを読めばさすがに運動せざるを得ないでしょう。
    私も運動しようと思い試みましたが血圧が下がったのでいきなり無理はやめようと思いました。
    もちろん外国の本なので日本人とは違う点もあるかもしれないですが運動は良いことだらけだと思います。
    運動しよう!

  • 運動をすることは、ストレス解消や集中力を高めるだけでなく、小さい子供からお年寄りまですると効果的であるらしく、子供に関しては運動をしている子の方が成績がよくなる。
    またお年寄りが運動すると脳が若返るり、老後も明晰な頭脳を保って明るい気分で過ごせる。
    うつや発達障害、ADHDにも運動は効果的であり、薬と同等またはそれ以上の効果がある。
    女性に関しては妊娠中運動すると買いこい赤ちゃんが生まれ、また更年期においては更年期障害を乗り切れる。

    もう、本書を読んだら動きたくないけど、動くしかないと思いました

  • ハーバード大学精神医学准教授である著者による、運動と脳の関係に関する本。
    人間のライフステージに応じた運動と脳活動(学習、精神、ホルモン、加齢など)の関連性が、これまでの研究データを用いて強調されている。
    分子レベルの解明と、介入・疫学研究が解説されており大変わかりやすく、読む前に想像していたよりも遥かに説得力のある、論理的な本で勉強になった。そして何より『運動するしかない』と思った。

    また精神医学博士ということで、精神疾患(不安障害、うつ、ADHD、依存症)と運動との関連性を各章ごとに詳細に、筆者の具体的な経験症例をふまえて述べている点が興味深かった。

    特にわかりやすかったポイントをあげておく。

    ・有酸素運動によってなぜすっきりするのか。大変わかりやすかった。
    →有酸素運動によって脂肪が分解され、遊離脂肪酸が血中のトリプトファンと結合したアルブミンを遊離させることでトリプトファンが血液脳関門を通り抜けることでセロトニンが増加する。これにより不安軽減、落ち着きがもたらされる。またGABA分泌も生じるため、抑制がはたらく。さらに心拍数の増大により心筋細胞が辛抱性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)を生成すると過度の興奮にブレーキがかけられストレス反応が抑制される。

    ・ADHDのシャドー・シンドローム(障害というほどではない個人的性格の傾向)という言葉を知らなかったが、当てはまる人は社会に(多少組織によって偏りがあると思うが)多いのではないか。注意システムの回路調節にはたらくノルアドレナリンとドーパミンが治療のターゲット。この注意システムのどこかの部分が障害されると症状がでる。そのため同じADHDでも症状は千差万別。青斑核(概日リズムと関係がある)で作られたノルアドレナリンを運ぶ軸索は、腹側被蓋領域(VTA)から伸びているドーパミンを運ぶ軸索とともに扁桃体のニューロンに結合している。扁桃体が刺激に敏感すぎるとパニック発作がおきる。ドーパミンは側坐核(報酬中枢)に信号を運んでおり、ここが壊れると、すぐに満足が得られるものを求める「現在に囚われる人」となってしまう。

  • 最大心拍数の80~90%で短時間運動すると、脳が良く働いて勉強が進む。
    60%程度で35分運動すると、脳の柔軟性が高まる。

    運動には技術の習得と有酸素運動の両方が必要。

    ブロッコリーなどの抗酸化物質が体にいいのは、有害成分も含んでいるから。有害成分というストレスが人間を強くする。ストレスがなければ強くなれない。

    毎日10キロ、ウエイトをする日は5キロ走る。ADHDが治る。
    朝いちばんでトレーニングすると頭脳が明晰に働く。

    依存を抑えるには、週5日30分以上の運動をする。
    週2回筋トレをする。週2回強めの有酸素運動をする。
    バランスを鍛える運動をする。

    一日おきに小食にする=細胞は適度なストレスを科されると抵抗力を増す。1時間運動するのも同じ。

    インターバルトレーニング、無酸素運動で成長ホルモンが放出される。
    全力疾走がHGHを増やす。短い全力疾走を1か月続けると体重が落ちる。週二回、20~30秒の全力疾走を5回。
    2日続けて休まない。

  • 1,2年前にメンタリストのダイゴが「最近面白かった本は?」というTVの質問に対して紹介されていて、思わずポチッてしまった一冊。
    皆さんもお気づきだと思うがこの本が伝えたいメッセージはこのタイトル「脳を鍛えるには運動しかない」に尽きる。本書の中には学習、ストレス、不安、うつ、注意欠陥障害、加齢など各章に分かれているが、どの章でも結局言いたいことは「運動が唯一にして最高の解決手段である」というということだ。

    それを踏まえた上で下記のような人にはオススメ
    ①運動しようと思ってるが中々体が動かない人
    ②不安やストレスになぜ運動がいいのか、メカニズムに興味がある人
    ③具体的にどのような運動をどのくらいすればいいのか科学的な知見から知りたい人

    【感想】
    まずビックリしたのが、想像以上に運動が短期的にも長期的にも良いということが十分な科学的根拠に基づいて証明し尽くされつつあるということ。本書ではその辺について事細かに説明されている。洋書であるため相変わらず過分な例えが多いのと、同じことを少しだけ違う言い方で必要以上に説明されている。コルチゾール、BDNFといった脳神経ワードもバンバン出てくるので興味がある章を読むだけで十分かと思う。
    一方で、摂取カロリーを抑えれば寿命は延びる!?的な話や有酸素運動をどの程度の頻度と強度でどのくらいするべきかという点まで言及されていて、脳科学的な知識がなくても十二分に明日からの生活に活かせる情報が満載な一冊。
    又、そんな話興味はない!というオススメ①の方はこの本を読んだ後、嫌でも運動するようになるであろう。是非モチベーターとしてもお役立てを。

  • 脳の機能の活性化について
    記憶とは違う
    思考の方法論とも違う
    運動により脳も成長する(神経)
    海馬との神経線維の長伸が報告されている
    あらゆる場面での応用が可能である ことを 理論的に説明している
    長期に追跡をしているのかわからないが
    脳細胞増加は朗報である

  • 第6章「注意欠陥障害、注意散漫から抜け出す」より

    冒頭にて現在36歳のサムのエピソードが紹介されています。
    彼はビジネスマンとし成功していますが、
    子供の頃は落ち着きがなく問題児扱いされていたそうです。
    変化のきっかけは大学で入った厳格なスポーツクラブだったそうです。
    毎朝5時からの厳しい練習に参加するうちに
    「自分もやればできるのだ」と気がついたそうです。

    このエピソードをもとに
    著者はADHDの解決策のひとつとして
    厳しい組織にはめ込むということを提案しています。

    ADHDの特徴のひとつして
    著者は長期目標に焦点を合わせられないことをあげています。
    その状態を「現在に囚われる人」とも表現しています。
    つまり目先の報酬につながらない作業をしないということですね。

    おっとこの点は自分にもかなりあてはまりますね。
    部屋が雑然としていたり、
    やるべきことを先延ばしにするということは
    今やっても楽しくないからやらない、
    つまり「現在の利益に囚われいる人」そのものですね(笑)
    ゴロゴロだらだらはそれなりに愉しかったりするから(笑)

    著者によるとADHD傾向の人の場合、
    小脳の一部が少し小さくなっているという事もあるそうです。
    つまり精神的な問題というより、即物的な物理的な問題。

    ということは脳の動きを物理的に良くすることも可能ということですね。
    そのための方法として運動は効果的だそうです。
    具体的には運動をすると、
    ドーパミンとノルアドレナリンがすぐに増えるそうです。
    車に例えると脳みそに新たなエンジンオイルを注入するような効果があり
    当然神経回路の連携がスムーズになるということですね。

    更に定期的に運動することによって
    脳の特定の部位に新しい受容体が出来上がり
    脳自体が変化していくそうです。
    脳の可塑性というやつですね。
    脳がいつの間にかアップデートしていく。

    冒頭のサムの例ですとある程度強制的に
    運動をしたことによって脳の神経回路が良い方向へ
    変化したということのようですね。
    近頃、フィットネスがブームですし、運動をしっかりしている方は多いと思いますが
    このあたりの知識を念頭に置きながらスポーツをすると
    効果は更に上がるかもしれないし、モチベーションも保てますね!

  • もちろん内容は素晴らしいのだけど、本棚に置いといてたまにチラッとみて運動のモチベーションをあげる使い方がおすすめw

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