脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140813539

感想・レビュー・書評

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  • 運動が脳にどう影響するのか科学的に説明された良書。これから毎日ちゃんと運動を生活の中に取り入れよう、と思った。

    ◯運動が脳を鍛えるメカニズム
    ・脳内信号送信の8割の神経伝達物質はグルタミン酸(ニューロンの活動を活発化して信号の連鎖的反応を始動)とGABA(抑えるはたらき)。グルタミン酸の往来が頻繁になるほど結合が強くなる
    ・脳の信号操作と活動を調整している神経伝達物質は、セロトニン(脳の機能を正常に保つ警察官、気分や怒り)、ノルアドレナリン(注意 知覚 意欲)、ドーパミン(学習 満足 運動)、1%のニューロンでしかないが全体のバランスをとる重要な役割。
    ・精神剤はこの三つに働きかけるもの、運動はこれをバランスさせる効果がある
    ・脳由来神経栄養因子(BDNF)はニューロンインフラを維持する肥料のような役割を果たす。ニューロン間の結びつきを強化する一役も買っている。
    ・BDNFはシナプス近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出される。その際体内の多くのホルモンが召集され、そのプロセスを助ける。
    ・IGF-1(インスリン様成長因子): 活動中の筋肉がさらに燃料を欲する時に放たれる、インスリンと協力してグルコースを細胞へ運ぶ。脳内ではニューロンを活性化してセロトニンやグルタミン酸を盛んに作らせ、BDNFの生成を促す。VEGF(血管内皮成長因子)、IGF-2(繊維芽細胞成長因子)

    ◯運動の仕方
    ・少しでもいいから始める。DNAに刻み込まれたようにいろんな強度の運動を混ぜると良い。
    ・理論上最大心拍数は220-年齢、心拍計でこのレンジをキープ
    ・低強度: ウォーキング 最大心拍数の55〜65、ウォーキングを1日1時間、会話できるギリギリのペースで1時間歩けるようになったら中強度の運動を加える。
    ・中強度: ジョギング 65〜75、脂肪だけでなくグルコースも燃やすようになる。筋肉組織の損傷と修復が加速。アドレナリンを放出、免疫系を強化
    ・高強度: ランニング 75〜90、緊急体制90%は無酸素状態に切り替わり、筋肉が血流から酸素を引き出せないライン。インターバルで中強度の中に組み込むのは効果的だが体が出来てから。
    ・週に6日何らかの有酸素運動を45〜60分、内4日は中強度、2日は高強度が理想的。

  • 内容を説明するとしたら、「脳に対してメリットばかりだからとにかく運動しろ!」という本です。
    以前読んだ「一流の頭脳」という本と結論は同じです。
    この本は運動がどのような症状にどのように効くかをより詳細に事例とともに記載されているので、詳しく知りたい方はこの本、ざっと知りたい方は「一流の頭脳」を読まれるのが良いのではないでしょうか。

    以下特に気になった箇所を挙げます。

    二章 学習
    ・神経血管と脳を同時に酷使するスポーツ(テニス)をするか、10分ほどの有酸素運動とロッククライミングやバランスの訓練を行うのがおすすめ。

    三章 ストレス
    ・ストレス自体は悪いものではない。それどころか、脳の成長に拍車をかける。ただし、ストレスが過酷すぎず、ニューロンが回復する時間があればの話。
    ・ストレスが多すぎると、人間はストレスと関係のない記憶を形成できなくなり、また、すでに持っている記憶も取り出せなくなる

    四章 不安
    ・運動には不安を一層掻き立てるマイナスのフィードバックを断ち切る効果がある。
    ・運動によって、セロトニンとノルアドレナリンが増えて恐怖を抑える。GABAやBDNFも増やしこれらは恐怖に代わる記憶を補強するのに重要な働きをする。

    七章 依存症
    ・"中国語では、動物は主語になり得るが、野菜は主語にならない。野菜にここからあそこまでジャンプしろとは言えません。動くのをやめてしまえば、あなたは動物ではなく、野菜になってしまうのです!"
    ・たとえ10分の運動でも、アルコールへの渇望を抑える力がある
    ・アルコールは海馬の長期増強(LTP)、すなわち学習と記憶を支える細胞メカニズムも破壊する。ただし運動をすれば海馬は再生する

  • 40代の初めに
    過労で倒れて
    職を失いました。

    でもこの本に出会う事ができ
    人生の下り坂から這い上がるキッカケをもらいました。

    更にこの本のお陰で
    運動指導者になるという
    新しい目標も見つけることが出来ました。

    生きるための指針の1つとなった大切な一冊です。

  • 脳の働きや生成される物質の説明、様々な症例を元にした実例の紹介で長くなっているが、究極のところ「身体にも脳にも良いから運動しよう」というのが結論。

    ・最大心拍数(220-自分の年齢)の60~65%程度で1時間弱の有酸素運動を習慣付け、たまに全力疾走や筋トレで70~75%程度の負荷をかける日を設ける。
    ・毎日やるのがベストだが、挫折して全くやらないよりは休み休みでも継続することが重要。
    ・ジョギングのような単純な運動でも良いが、脳と体の両方に負荷をかける複雑な動きをする運動を取り入れると効果的である。

  • 健全な精神は健全な肉体に宿るという言葉があるが、
    まさにそれを科学的に証明したような内容。

    この本を読んで走ることが習慣になった。
    というか読んだら体を動かしたくなる。

    脳は何歳からでも何度でも鍛えられる、これがどれほどの人を救うだろう。
    両親や大事な人に贈りたい本。

  • おもしろかったが、どうしてこう洋書は長いのか。ふんだんな事例を集めて何度も何度も同じ結論を語る。つまり、「運動が脳を鍛えるのです!」

    ・「ゼロ時間目」:1時間目が始まる前に必ず10分ほどの運動を取り入れる⇒成績向上
    ・30分のジョギングを週に2〜3回続ける⇒遂行機能向上
    ・ある程度のストレスは、人を努力させ、成長し、学ぶ⇒ストレス免疫
    ・現代のライフスタイルと、一日中狩りをしてきたヒトの遺伝子は釣り合っていない⇒圧倒的に運動不足
    ・ニューロンについても、筋肉と同様、修復・回復のメカニズムが成り立つ⇒ストレス→運動→回復→増強
    ・うつが克服されにくいのは、その症状があまりにも多様でだれでも大なり小なり似たような経験をするからだ。
    ・うつはひととのつながりだけでなく、ニューロンのつながりが蝕まれた状態→無理にでも運動することで、「1時間後、5時間後、明日、ずっと、きっと良い時間になる」お思えるようになる。
    ・うつは希望がまったくない環境で資源を保存しようとする生存本能

  • ・頭のキレを保つ→30分のジョギングを週に2・3回。複雑な動きも大切
    ・女性の骨量のピークは30歳前後。更年期まで毎年1%減。更年期以降その倍減。60歳頃には30%骨量減。カルシウムとビタミンDを摂り(毎朝太陽光を10分浴びれば、ただで摂取できる)、有酸素運動のほか、筋力トレーニングも取り入れる
    ・毎日できなくても、休み休みでも効果あり
    ・この著者→毎日20分のジョギングの合間に週に2日は20〜30秒の全力疾走を5回(週2日以上はやらない)

  • 脳の性能をいかに上げるか、をひたすら試行錯誤していた頃に読んだ時の記憶ではあるが、この本を読んだ事でランニングに目覚め、今では少し度が過ぎてウルトラマラソンランナーとなった。
    スマートドラッグ、睡眠、瞑想等様々なアプローチがあるが、適度な有酸素運動は全ての要素に影響している。
    今では、走りながら瞑想をし、脳を空っぽにしてクリーニングしている。残りの時間は、ビジュアライゼーションやプレゼンのアイデア出し、ポジティブイメージ等に充てている。
    主張は題名の通りだが、それを350ページを使い丁寧に論証してくれる。人生が変わったと言っても過言ではない一冊。

  • サイクリングや歩くことが好きなことと、仕事の調子には関連性がある気がしていて読んでみた1冊。運動、特に心拍数を上げることが脳の活性化に直結し、健康と脳の回転数を一緒に手にれられる確信が得られた1冊でした。自転車通勤も歩くのも、この本を読んでる途中からスピードが上がってきたかも。ストレスは食べることだけでなく運動でも解消でき、運動の方が健康面でもパフォーマンスの面でも得られるものが大きい、ということがわかって家でのんびりしている時間にどう運動を組み込むかまで考え出した1冊になりました。これ、オススメの1冊。

  • とにかく運動をすれば、心も体も良くなります。これにつきますね。

    運動の大切さを実感します。どんな薬よりも効果があるものだと再認識しました。

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