脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
- NHK出版 (2009年3月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140813539
感想・レビュー・書評
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薄々感じてはいたことだけど、運動は脳にいい。
そして心や体にもいい。
運動嫌いだけど、どうにか運動を日常生活に取り込みたい、この本を読んでそう思った。
ストレスを感じたら、体を動かす。
活動するかしないかは、成長するかしないかということ。
運動は発達障害、うつ、ADHD、依存症、ホルモン、老いに効果がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・学習とは、情報を伝達するために、ニューロンどうしを新しく結びつけること。
・脳は無数の細胞からできており、それぞれがコミュニケーションをとりながら、我々の思考や行動を決めている。
・ひとつのニューロンは、ほかの10万個ほどのニューロンから情報を受け取っている。
・脳内の信号送信の80%を担うのは、グルタミン酸とGABA。
グルタミン酸がニューロンの活動を活発にし連鎖反応させる役割を果たす一方で、GABAはその活動を抑制する。
・これら脳の信号操作と全ての活動を調整しているのがセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン。
・神経伝達物質が信号を伝えるのに対し、BDNFは
ニューロンの回路を構築する。
・BDNFは血流が盛んになると放出される。
・何かを学習するには、ニューロンの繋がりを強化する事が大切。
・学習を繰り返すことによってシナプスが大きくなり結合がより強くなる。
・ニューロンは運動によって生まれ環境から刺激を受けて生き残っていく。
・激しい運動をしている間は前頭前野への血流が少なくなり、本来の機能が果たせなくなる。
運動後、脳に血が戻りはじめ、学習のチャンスとなる。
・2007年の実験でランニングしただけで認識の柔軟性が向上することがわかった。
・学習効率とBDNF値は相関関係がある。
・ニューロンは使わなければ死んでいってしまう。
・運動中に生まれたニューロンは長期増強を誘発しやすい。新しいニューロンは浮かんだ思考をとりあえず捕まえる。そして前頭前野がそれらの思考を長期の記憶として繋ぎ止めるべきかを判断する。
・運動することで、VEGFの働きが活性化(運動で増える)され体でも脳でも毛細血管が作られ始める。
・有酸素運動が神経伝達物質を増やして新しい細胞を生み出すのに対し、酸素消費量の少ない複雑な運動は、脳ネットワークを広く強くする。(=シナプスの結びつきが複雑になる。)
・ストレス因子であるコルチゾールが多すぎると既存の記憶へのアクセスも阻まれる。少々なら記憶の回路繋げるのに役立つ。
→確かに、コルチゾールが増えるとニューロンの刺激からタンパク質の増加に繋がりシナプスも太くなるが、同時にニューロン自体が回路内で生存に関わりのない要求を遮断してしまう。
・運動するとストレスがかかる。それは心拍数があがることから危機から逃げているのと同じように脳は認識するため。
・脳では運動することによって適度なストレスがかかると、遺伝子が活性化してタンパク質が生成され、ニューロンを損傷や変性から守ると共に、構造を強化する。さらにはストレス耐性の閾値もあげる。
・インターバルトレーニングによって、ノルアドレナリンやBDNPがより増加する。
・運動することで、筋肉の緊張をほぐしセロトニンとGABAが増加する。そうなると、不安が解消される。
・定期的に運動し、インスリン受容体の数を増やすことで、血糖値が下がったり血流が不十分だったらりしても血液から十分なグルコースを取り出して活動を続けられる。
・無酸素運動ではヒト成長ホルモンが放出される。
HGHは脂肪燃焼、筋肉繊維層の構築、脳の容量拡大などの役割を果たしている。
・時間を空けて学んだことをリドリーバルすることを
スペーシングという。 -
メンタリストDaiGoさんが「自分の人生を変えた5冊」の1冊らしい。マッチョを目指すキッカケになったとか。ちなみに他の4冊は「影響力の武器」「ザ・コピーライティング」「良い戦略、悪い戦略 」「ミルトン・エリクソンの催眠療法入門」。
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文字通り、運動で脳が鍛えられることを科学的に主張する内容。何となく、運動は気持ちが良いし、前向きな気分になれるので、日常的に運動することは良いことだとは感じていたけど、そんな漠然としたイメージが、本著の科学的根拠を使った説明で明確になったうえ、本著に出てくる運動で救われた人たちのエピソードによって運動へのモチベーションが爆上がりした。
一番、印象的だったのは、運動でニューロンは増えることが分かってきたこと。遺伝子や年齢によって、脳の活動は決まっていると勝手に思ってたけど、自らの行動で変えることができるのだ。しかも、運動という、やろうと思えばいつでもできる身近な方法で。その他、うつや精神障害、ストレスといった精神的な不安の軽減、加齢や老化の抑制といった人生で直面し得る困難を解決するための特効薬にも見え、やらない理由がないという気分になる。
どう科学的にも良いとされるかという観点にも触れるがゆえに、脳の仕組みや体内物質に関する説明は専門用語が使われ、十分には理解しきれない部分もあったが、詳細を正しく理解したいなら、脳科学・精神科学等に関する他の書籍に当たればよい、というぐらいの気構えでいれば、それほど苦なく読み進めることができるように思う。
運動が脳に素晴らしいこと、そのシンプルだけど強力なメッセージは十分に伝わった。 -
成分や専門用語は確かに分かりにくいですが、内容は理解できます。運動の大切さが本当によく分かりました。一日30分、頑張ってみようと思える本です。
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めちゃめちゃ良い本でした!運動は体に良いから、やった方が良い。そんなの、現代人の誰もが知っていると思いますが、何がどう作用して体に良いのか、それを語れる素人はいないと思います。つまり、私たちの運動に対する知識はその程度。やる気が出ないのは当然です。それでも、もっともっと運動の優先順位を上げなければいけないと、心底納得させてくれる内容がこの本には書かれています。運動は、精神にも肉体にも素晴らしい影響を与えてくれます。ぜひ、騙されたと思ってこの本を開いてみてほしい。きっと人生が変わります。
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運動したくないときに読むと、運動する気にさせてくれる本。
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とにかく運動すればメリットあるってことが、科学的な根拠をもとに書いてある。
正直専門用語が多くてよく難しい本だけど、運動のメリットが凄いってことはよく分かった。
低負荷の運動からスタートして、実際に効果はあるのか確かめていきたい -
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運動を始めるきっかけが欲しい人におすすめの本。
運動をやろうという動機付けになるような事例がたくさん紹介されている。