脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140882504

感想・レビュー・書評

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  • 昨年読んだ築山先生の近著「脳から変えるダメな自分」では、やる気が起きない時はまず雑用にでも手を付ける、とか脳を(自分を)活性化するヒントを頂き、実際に自分の休日の過ごし方が少し変わった。今回も期待していたが、やはり今回もこれでいいのだ、という気持ちになれ、こんなやり方もあるのか、という発見があった。脳科学の成果と長年の臨床経験に裏打ちされ、さすが、と思わせる一冊。

    一ヶ月には30人分の私がいる、だから今日仕事に追われていても焦らずに明日以降の私の役割分担を考えよう、とか、
    情報化社会で個人が大量の情報処理を迫られる時代だからこそ、少しづつ記憶することを考えよう、とか、
    目標を具体的に持つことで、感情に流されず自分を理性的にコントロールできる、とか。

    低成長かつ変化の速い現代にあってこのままでは大丈夫か、と焦りがちな我々に対し、先生は優しさの篭った目線で的確なアドバイスを与えてくれる。本書の最後では『待つことの大事さ』を説いている。焦って脳に情報を詰め込もうとするほど、基礎的な積み重ねを省略しようとするほど、脳を上手く使うことは難しくなる、と。

  • 困難にぶち当たった時、そして普段からこの本を読みたい。
    大人になった時に自分の考え方を変えてくれる本になりそう。
    仕事に就いたら一度読みたいな。

  • 意欲を高めるための基本原則
     健康 欲 好き嫌い ほどよい興奮
     ★できることが増えると好きになる
     ★五歩先に解決がある問題の一歩目
     現代人に求められている自助力
     脳の成長が加速度的に進む段階
    やる気がでないときの対処法
     興奮状態は意欲につながる
     簡単な問題から
     作業興奮の効果を大きくする方法
     難しい仕事を任されている人が陥りやすい悪循環
     大変な仕事をするときには助走が要る
     ★短時間の集中×多数で脳は活性化 てきぱきしている状態を意図的につくる
    脳をリフレッシュさせる技術
     ★同じことを続けていると早く疲れやすい 変化をつける
      アプローチを変えれば新鮮に取り組める
     不完全であっても答案用紙は必ず出す
    脳のエネルギーの投資先を明確に
     午前中の予定
     ★前日の夜のうちに明日することを書いておく
     準備や予習は歳をとってからこそ大切
    まず「誰のために」をかんがえよう
     自分は誰に対して、どんな役割を担っているか?
     人からの感謝や評価は意欲を高めるエネルギー源
     自分本意は脳にとって楽ではない
     ★次になるをやるか脳に意識させる
     ★誰のため、行動目標は具体的に
    2思考の整理術 計画・実行力を高める
    見えない敵が脳を混乱させる
     感情に思考を加えてバランスを取る
     なんとなくみえているとき、が一番怖い
     冷静に思考する力を奪う悪習
     ★たくさんの問題に対処するときには徹底的に見える化して処理する。見える化するというのは思考の整理を脳の中だけでおこなおうとしないこと。脳から出力して見える形にして物理的に処理する
    ★気になっていることリストをつくろう
     感情から切り離された情報を一枚の紙に
     ★思考の整理は引き算で考える
     人に任せられるというのは重要な能力
    時間的整理 仕事と私をた時限的にとらえよう
     時間の流れを見失うとパに来る
     その日の私、その時の私 に仕事を割り振る
     段取りにとらわれすぎてもいけない
     
     結果的に実行したことも記録する
    空間的整理 仕事の効率にさをつけるものの整理
     気になるという感情を処理する
     昔の恋人時になる仕事
     物を整理しているとき、脳の中野情報も整理される
     ★先に入れ物を用意すると整理しやすい
    仕事をため込まないようにするコツ
     手つかずの仕事をため込んでしまうとき
     脳は変化に反応する
     問題解決のヒントは自分で作る
     ★まとまった時間ができることはない
     ★大きな問題は細切れにの時間にコツコツと解決しよ

    3記憶を強化する技術
    情報を覚えるためには努力が要る
     他人の脳の中にある知識
     入力はただの入力 ★出力は出力+再入力
     ★脳は忘れるようにできている
    脳の中の小さな机を意識しよう
     一時記憶の机と長期記憶の書庫
     一時記憶の机がいっぱいになると
     アイディアはたくさん浮かんでいるのにまとめられない
     記憶のファイル化とまとめ
     情報化社会ならではの脳の問題
    記憶を引き出す手掛かりを作ろう キーワード化
     その日のうちに復習 記憶の定着
     キーワードを拾いながら読む
     情報は差異に注目
     意見と論拠を抑える
    風景やイメージとして記憶しよう
     言葉だけでおぼえるのには限界がある
     情報を自分の体験と結び付ける
     説明文を読むときでもイメージや有効
    出力の機会にバリエーションを持たせよう
     記憶には自由に使える有効期限がある
     論語の冒頭は記憶の強化法に通じている
     多面的な出力が知識の有効性を高める
     社会の現状に合わせて記憶をリニューアルしていく

    4アイディアを生みだす技術
    創造力を高める生き方考え方
     アイディアが突然ひらめくという現象の招待
     環境からアイディアの材料を与えられている
     制約があるからこそよいアイディアが生み出せる
     ★アイディアは無からは生まれない
    ひらめきの連鎖を生みだそう
     めちゃくちゃなアイディアでも出すように
     良質の刺激を脳に与える合理的な方法
     ★出力されたアイディアが次のアイディアを生む
     脳の中だけで考えていると、ひらめきの連鎖は
    脳を休めなければ大きな思考はできない
     悲しい話は夜するな アイディアも夜考えない
     散歩には目と脳を休ませる効果がある
    ★夜は早く寝る アイディアをまとめたいときは目を休める
    社会の必要に気づくために大切なこと
     既存のものとの差異が新しい芽を育む
     一人の役に立ちたいという思いから出発
    考えるほど問題が複雑化してしまうとき
     答えにくい質問はどんなものか
     話がこじれていくときの特徴
     主観の世界と現実のバランス
    ★そのアイディアに普遍性があるか
    5気持ちの整理術
    脳を安定さえる感情のリスク・コントロール
     不快な刺激を相対的に減らす
     強い不快+強い快 では平衡が保てない
     感情のコントロールは6(好ましい)3(少し嫌)1(すごく嫌)のバランスで考える
     脳は省力化を志向している
     いやなこと、面倒なことはなくならない
    問題解決のゴールはひとつではない
    解釈を変え、不快を和らげる方法
     感情は記憶に対する解釈に付随している
     他人の脳で考える
     社会全体の感情のバランスを考える
     松下幸之助さんならどう考えるか
     時間的視野を広げ、得てきたものを確認する
     得をする役ばかりになっているのはよくない
    目標を持っている人はなぜ強いのか
     人生の荒波を乗り切るために、じぶんという船のかじをとる
     悲しさや悔しさをバネにすること
     目標は出力した言葉の中から発見するもの
     目標は中間地点を設けることで実現しやすくなる
     日々誰かの役に立っていることも大切
    ★目標は具体的に

     

  • 脳神経外科医の書いた本ということで、やや身構えて読んでみたのだが、意外や意外、文章もその内容も非常に読みやすかった。

    内容はといえば、自己啓発本などにもよく書かれていることが多いのだが、不思議と脳科学の観点から同じことを説明されると、妙に納得してしまう自分にある意味笑えた。

    本書の内容としては、まず各章ごとにそのエッセンスのまとめがあるのがよい。
    これは、本書でも記されているが、本を読むときにひとつの章が終わるたびに、この章には何が書かれていたかを、キーワードを中心に拾ってまとめることが、実は遠回りのようではやく本の内容を理解するのに役立つという。
    本書の各章ごとに配されたまとめは、まさにそれを具現化するものである。

    脳科学者というと、茂木健一郎氏が昨今もてはやされているが、茂木本よりは、本書の方が、内容的には納得感がある。

  • この手の本は、どれもこれも似たような内容が多くて、タイトルだけが個性的ってパターンが多いのだが、この本もその類。ただし、トンでもないことは言っていないし説教くさくもないのが救い。

  • この本は読みやすくわかりやすい。また、為になる。

  • 嫌なことや面倒なことはなくならない。アウトプットの重要性。

  • ■理解について
    ・まずは分類して,カテゴリーごとにしっかりと覚えていく
    ・本を読むときはキーワードをひろう
    ・章ごとに,そのキーワードだけでまとめを語ることができるかどうかを検証する
    ・差異に注目する
     ・一般論との差異
     ・自分の意見との差異
     ・同一人物が過去に発言していたこととの差異
    ・少しずつ,一歩ずつが脳にとってはもっとも合理的
    ・省略しようとすればするほど,脳の機能を使いこなすことは難しくなる。

    ■予定について
    ・前日夜のうちに明日することを書き出す
    ・夜のうちに明日の準備・予習を行う
    ・自分自身の大きな目標を立てる
    ・「誰のタメに」「何をするのか」を考え,空いている時間に「自分のタメ」に何をするのかを考える

    ■その他
    ・物忘れがひどくなったという人が多いが本当に脳の記憶力が低下していることはまれである

  • 説得力のある論旨展開で、為になり実践的。一杯一杯時のお伴に。

  • 参考になったが期待したほどではなかった。もう少し脳の機能にフォーカスされていると思った。とにかく頭の中で考えるのではなく「書く」ことを強調。「アウトプット(出力)」の重要性を再認識。とにかくアウトプットだ!

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著者プロフィール

1950年愛知県生まれ。日本大学大学院医学研究科卒業。埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長などを経て、公益財団法人河野臨床医学研究所附属北品川クリニック・予防医学センター所長。医学博士。脳神経外科専門医として1992年、脳疾患後の脳機能回復をはかる「高次脳機能外来」を開設。著書に『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』『脳が冴える勉強法』『脳を守る、たった1つの習慣』等。

「2020年 『「冴える脳」をつくる5つのステップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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