脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140882504

感想・レビュー・書評

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  • 2015年7月22日購入。
    2015年9月3日読了。

  • 本書には現代人にありがちな、悩みや無気力等に対して、脳科学を踏まえて、理性的にコントロールし解決していくためのコツが非常にわかりやすく書かれている。いかに感情系に振り回されずに思考系の脳で考えられるようにできるか、である。いくつか印象に残ったものを上げると

    ・前向きな自分を作るためには、五歩先の問題を解決しようとするのではなく、一歩先の目標を見つけることから始める
    ・やる気が出ないときは短時間の集中で済む作業をテキパキしたり、アプローチを変えて、時間の制約をつけてやってみる
    ・何となくやらなければならないことがたくさんありパニックになりそうなときには現状を正確に把握してやらなくてもいいことを消したり、後で解決すればよいことを整理すれば気持ちが楽になる
    ・365日分の「私」に仕事を割り振る
    ・物を整理することで思考のフォーカスをとれる
    ・記憶するには入力だけではだめで出力(再入力)をし、それも多面的にするとよい(相手や場所を変える)
    ・アイデアを生み出すには夜考えない方がいい(背ろと人が少なく、感情系に支配されやすい)、夜は早く寝て日中にすっきりとした頭で考える
    ・気持ちの整理をするためには1)不快な刺激を相対的に減らし、楽なこと、少し嫌なこと、すごく嫌なことを6・3・1のバランスにする。(嫌なこと不快なことはなくならない)2)解釈を変え、不快を和らげる
    ・具体的目標を持つことは理性的なコントロールを可能とし、人生の荒波に負けないように舵をとれる

  • 今仕事がうまくいかない。頭の中がグチャグチャになって整理ができていない。ふと本屋に立ち寄った時に、本書を見つけた。読み進めていくうちに、うなずくところがたくさんあり、メモをとり、読み返した。少し心が楽になった。感情の整理は、他人の脳で考えることという部分が、今の自分の環境で必要な部分で心に沁み込んだ。

  • 以下、要約(引用でない)

    途中

    89 「まとまった時間ができることなどない」――正確には、そういう時間がくるのをまっていると、いざその時間ができたときには、それが件の仕事をするための時間ではなくなっている。

    100 入力はただの入力。出力は「出力+再入力」

    102 脳は忘れるようにできている

    P.106 「一時記憶の机」は狭い。”マジック7”―一度に7つ程度の項目しか覚えられない。

    p.110 本を読むことや、勉強することも、一時記憶の机を埋めていく作業と同じ。ある程度進んだら、(例えば章ごとに)内容を自分の言葉で出力していかなければならない。

    P.115 記憶の定着には、「その日のうちに復讐する」ことが最重要

    P.127 マジック7の限界を突破するためには、風景(イメージ)として記憶する

    P.132 昔のことを思い出せる人と思い出せない人→「出力+再入力」の回数の差

    P.133 出力方法にバリエーションを持たせることで、さらに記憶が強化。

    P.134 同じ情報でもパッケージ(誰に伝えるか)が違えば、説明の仕方は全く変わる。それにより、記憶が強化されるとともに、新しいことに気づく。

    P.142 制約があるからこそ、アイデアが生み出せる

    P.148 アイデア3原則・アイデアは必ず出力、可能なら人に見せる。・アイデアを生み出すための刺激を脳に与え続けひらめきの連鎖を期待する。・思考の型を崩すために、意外性の高い情報に触れる

    P.150 夜は思考系が疲れ、感情系優位になりやすい。
    「悲しい話は夜するな」――アイデアもしかり

    P.154 散歩 休→通りなれた道
       活→通ったことのない道

    P.160 「一人の役に立ちたい」という所から出発して、「そのアイデアに普遍性があるか」ということを、データーによって確かめていく

    P.173 不快な刺激を相対的に減らす

    感情を理性的にコントロールする方法
    ・感情を発生させる刺激を量的にコントロールする
    ・脳に入力された情報に対する解釈を変える

    「強い不快+強い快」ではバランスが保てない
    感情的な波立ちが大きくなりすぎ、平衡を失いやすい。
    →快でも不快でも、強い感情のあとには、感情があまり発生しない地味な仕事や勉強をコツコツやるような時間(期間)を設ける

    「6・3・1」のバランスが理想
    6快「好ましいこと・楽なこと」(面倒だけれど自分のためになることが分かっている仕事や勉強を含む)
    3少し不快「少し嫌なこと・面倒なこと」
    1不快「嫌なこと・面倒なこと」

    ・脳は「省力化」を指向する
    働きアリの法則に似た傾向
    辛い仕事をしているとき、その他の仕事が楽に見えるが、いざ実際にその楽そうだと思った仕事だけしていればいい状態になると、今度は、その楽そうだと思ったはずの仕事のうちの何割かが、嫌なこと・面倒なことになる。
    つまり、自分にとって「嫌なこと・面倒なこと」を無くすと、次の「嫌なこと・面倒なこと」が発生する。

    ・「他人の脳」で考える
    他人から批判されると、自己防衛の本能から、最初は不快に感じるが、思考系までもが自己防衛の考えに終始してしまうと、不快な感情が増幅され、最終的には相手を攻撃しなければ収まらなくなる。
    相手の立場(相手の脳)で考えてみて、その人はどのような苦労をしたり、不満を持っているか、あるいはその人から自分がどう見えているか、を想像してみる。(p.182)

    ・社会全体の感情のバランスを考える
    著者、財団内の会議などで、経営者として批判されたとき、「私に批判をぶつけたことで、相手の感情はプラスになったかもしれない」と、組織全体としての感情のバランスが整うことを歓迎する。(p.183)

  • 覚えたいことを、どうアウトプットするかと意識しながらインプットしていくこと。
    覚えたいことにはキーワード(関連)付けを行う。
    同じ作業を長時間行わない。
    作業(勉強等)を始める前は、簡単な作業を次々と行って、作業に入れ込む態勢を作る。

  • 何度も読み返したい本。

    ・脳が健康であることがまず重要。仕事が忙しいときでも、勉強が大変な時でも、ある程度の睡眠時間を確保して、起床時間を安定させ、生活のリズムを整える。
    ・「できること」が増えると「好き」になる。「できないこと」にいつまでも向け合わされていると、脳は動かなくなる。「できること」「自信があること」が増えれば増えるほど、脳がよく動いている時間が長くなり、快の感情が大きくなり、「好き」になっていく。
    ・脳に難しい問題を考えさせたり、パワフルな仕事をさせたりするためには、助走が必要。脳にとっての助走は簡単な作業を連続させること。「テキパキと行動している状態」が脳にほどよい興奮をもたらす。
    ・出力してはじめて、情報を自分の脳に入力できているかどうかがわかる。いくらたくさんの本を読んだり、インターネットでたくさんの情報に触れたりしていても、それを自分の脳から自由に引き出すことができなければ何にもならない。
    ・脳には一時記憶の机がある。人から聞きなれない話を一気にワーッと聞かされた場合、途中から頭がぼーっとしはじめ、話をうまく聞き取れないような状態になってくる。それ以上話を覚えようとすると、最初の方に聞いていた話を忘れてしまったりする。長くなってきたら自分なりのまとめをすいることが大切。話をしている時も、一気に聞こうとするのではなく、無理のないペースで相手から話を聞き出し、長くなってきたら、「こういうことでいいですよね」と確認とまとめを行っていく必要がある。
    ・嫌なこと、面倒なことはなくならない。なくしたとしても、今まで好きだったことから嫌なこと、面倒なことを見つける。つまり、自分にとって、「好ましいこと、楽なこと」は絶対評価ではなく、相対評価である。

  • 読んで実行に移せるのは、いったいどのくらいいるんだろう?

  • 脳の特性を理解して気持ちの整理の仕方を解説した本である。脳は同じことばかりやっていると疲れるので、脳に違う刺激を与えるためにも気分転換すること、頭の中で全て考えようというのは脳に負担をかけるのでメモにして外出しにすること、そのメモからアイデアも生まれること、できないと思う難問は分割して、できる最初の1歩を見つけること、やる気が出ないときは、簡単に考えられることをどんどんやっつけて、意識的に脳に成功体験を持たせることなどが書かれていた。どれもちょっとしたことであるのだが、意識してやり始めることにしたい。

  • 脳の自助論
    脳に問題を物理的に整理する技術を身につける
    欲、好き・嫌い、ほどよい興奮
    出来ることが増えると好きになる
    好きだから頑張れる
    自分に褒美をあげるのが上手い
    成功体験は快の刺激を与える
    出来る 自信がある 好きになる
    ニューロンと結びつくと脳の成長が加速化する
    自助努力として一歩ずつ
    五歩先に解決がある問題の一歩目をまず見つけよう
    結びつく そこまで自分の意思で出来ること、それが自助力
    興奮状態は意欲につながる 石川松尾のプロレス観戦に学ぶ
    素晴らしいひとの話を聞く
    自分の意思で脳に刺激を与え、ほどよい興奮状態を作りだす
    体を動かして作業する
    ものを片付けると集中力が高まる作業興奮
    短時間の集中で済む作業を連続させる
    テキパキと行動している状態が脳にほどよい興奮をもたらす
    5分の集中で済む作業
    場所を移動しながら考える
    集中力を高めるには時間の制限を持つ
    一日に何回、時間の制約を意識しながら集中して仕事に取り組んでいる時間を作るか
    必ず結果を出す
    考えたことを脳からメモに出す
    仕事は短めに切って行く
    脳は本来、怠け者 テレビを見るな
    越智くん、午前中のスケジュールどうなってる?
    明日することは何かGoogleカレンダーに入力する
    予習は歳をとってからこそ大切になる
    誰のためにを考えよう
    誰かのためにしてあげたいこと
    結果的に人からの感謝も与えられやすくなる エネルギー源に
    部下の負担軽減 モチベーション
    自分のためには 目標の選択肢が無限に増える
    誰のためにを思い浮かべ行動目標を決める
    解決しなくていい問題はどれなのか
    感情系に影響を与えている問題に思考系の分析を加える
    なんとなく見えている時が一番怖い
    問題を脳から出し、紙に書き可視化、物理的に処理する
    問題の過大評価が冷静に思考する力を奪う
    一枚の紙にまとめ全体を見渡す
    緊急性の低い課題は修正液で消し去る
    特に重要な問題を選び赤色のペンで囲む
    後て解決したいリストに解決策案を入れ格納する
    電話

  • 分かりやすく、読みやすい。ビジネス関係の啓発本に書いてあることと内容が一致する点が多いのが不思議。

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著者プロフィール

1950年愛知県生まれ。日本大学大学院医学研究科卒業。埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長などを経て、公益財団法人河野臨床医学研究所附属北品川クリニック・予防医学センター所長。医学博士。脳神経外科専門医として1992年、脳疾患後の脳機能回復をはかる「高次脳機能外来」を開設。著書に『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』『脳が冴える勉強法』『脳を守る、たった1つの習慣』等。

「2020年 『「冴える脳」をつくる5つのステップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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