高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150105686

感想・レビュー・書評

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  • 第二次大戦でドイツと日本が勝った後の世界が舞台。
    当然のごとく、人々は日常生活を営んでいますが、その世界は何となく歪んでいて不安定な感じを受けます。
    その世界の中で『イナゴ身重く横たわる』という発禁本と、『易経』がそれぞれ別の世界を展開しています。
    “44口径のコルト”や“新しい装身具”など何かを象徴しているようなアイテムが出てきつつ、どこに真実があるのかを問うようにしながら、話は進んでいきますが、訳文の味わい深さもあり、全く難解な話ではありません。
    脳の色々なところが刺激されるような、楽しい読書時間を過ごせました。

  • 設定は面白いし、個々のキャラの心の動きなんかも凄く面白い所があるんだけど、いかんせん「易」の描写が長いし多いし詳しいしで、そこが辛かった。あと最後のほうがイマイチよくわからなかった。

  • ピンと来なかったな。群像劇なんだけどどの人物のエピソードも盛り上がりそうで盛り上がりに欠けた。あと、なんでも易経で決めるみたいなのについて行けなくて一歩引いて読んでた。これ日本文化のつもりなん?エンターテイメント期待して読んだからな、時代背景とかこれが書かれた当時の空気とか、色々仄めかされてた気がしたけど深読みする気になれなかった。

  • 第二次世界大戦の勝敗が逆転した世界を題材にしたSFです。
    ドイツと日本がアメリカを二分し、アーリア人は優生人種、日本人は権力ある黄色人種として君臨しています。
    しかし、枢軸国であるイタリアの存在は薄いものとなっています。
    小説の世界では「イナゴ身重く横たわる」という、WW2で連合国側が勝利した内容の小説が密かに流行っています。
    まるですぐ横に存在しているパラレル世界を垣間見ているような感覚にとらわれます。
    日本人として、どちらの世界が良いのかを考えさせられる一冊。

  • ながく手元に置いたまま、読み始めることができずにいたが、amazonのドラマを見て、また『ユナイテッド ステイツ オブ ジャパン』を読んで、いよいよ手に取った。

    案外淡白で淡々と進む話なのだった。

  • 設定に惹かれて買ったけれど、易経のことがさっぱりピンとこなかったからか、かなり不完全燃焼。
    ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパンの方が、まだ面白かった。
    それにしても、翻訳本はこれで最後にしようと、毎度思うのに、ついつい読んでしまいたくなるのはなんでだろう。
    170112

  • Amazonプライムビデオでドラマ版を観たのを機に再読。あー、こういう話だったか。

  • 途中から、これ読んだことある気がするなーってずっと思っていた。多分2回目。ドラマを観ようと思って読了。

  •  日本人でも易とか、やったことないですけど……。

     っていうマジレスは置いといて。読みたい本があって、それがこの作品の「精神的続編」だそうなので、先にこっちを読んでみた。ディックだし、読んどいて損はないかなって思って。
     正直歴史的知識がほぼないので、なにがなんやら。
     第二次世界大戦で、日独側が勝ったIFの世界での話。アメリカ含めた世界を日独でそれぞれわけっこして統括してる、って感じなのかな? ドイツはもちろんナチスがそのまま存続してる感じで、宇宙征服(っていうとギャグっぽいけど)も企んでる感じ?
     思となる視点が複数。
     アメリカ人の美術商の男、工場を首になった金属細工工のユダヤ人の男、その別れた妻、ドイツ国防軍所属の男、アメリカにいる日本人のそこそこ偉い立場にいるひと(このひとの役職がいまいちよくわからん)。
     征服された側、迫害された側、迫害する側、征服する側。
     物語のなかの小説として、ドイツが負けたIF小説が出てきたけど、それが史実とどこまで同じものとして作者が書いていたのかが分からない。知識があれば断片でも嗅ぎ取れたかもしれない。
     易を絡めた考え方、世界、人生、人間について。そういうのは読む価値は大いにある。けどただ、話の筋はいまいち理解できないままでした。結局ジュリアナはなんなん。
     抜粋。田上氏の思考より。


     悪はある! セメントのように実体のある悪が。


     全体的に面白い文章が多かったな。

  • 個人的には前評判に比して大いに期待ハズレであった「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」の本歌である歴史改変ものです。

    第二次世界大戦に枢軸国側が勝利した世界で、複数の登場人物それぞれの視点がこまめに切り替わりつつ、物語は進みます。

    僕自身がきちんと消化できていないために、うまくストーリーを説明することはできませんが、重く暗く危うい世界を舞台としていながら、読後感は一種爽快ですらありまして、「USJ」でのモヤモヤを吹っ飛ばしてくれました。

    また、本書の中でも重要なツールとなっている「易経」や、ディックの他の作品も読んでみたいと思いました。
    (ディック作品は、高校時代に読んだ「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」以来でしたので)

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