高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

  • 早川書房
3.42
  • (76)
  • (206)
  • (319)
  • (52)
  • (12)
本棚登録 : 3001
感想 : 205
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150105686

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第二次世界大戦で枢軸国側が勝利していた世界を描いた作品。その世界では連合国側が勝利していたらという内容の小説が出版されており、いろんな登場人物が考察を加えるので面白い。

  • 登場人物がやたらと易経にはまって、やたら重要な決定や、行動指針をほぼこの占いにあっさりとなんの省察もなく全面的に頼っているという世界が気に食わない上に、まったくわけが分からない。なんなんだ。

    プロットとしての、もし第2次大戦でナチスと日本が戦勝国となり、アメリカ合衆国を分割統治してた世界だったら、しかもその世界観の中で現実同様連合国がナチと日本に勝っているという世界を書いた小説がベストセラーになっている、というのは非常に魅力的な舞台設定ではあるものの、肝心の登場人部が誰もよくわからない思想と、意味不明な行為を続けているので感情移入できない上にさっぱり面白く感じられないのだ。

  • 第二次世界大戦でドイツ・日本が勝利し、日本がアメリカを、ドイツがヨーロッパ、アジアを支配している設定のSF。
    日本とドイツの冷戦的な関係も描かれる。
    物語の舞台は日本に支配されたアメリカ。
    「わかりやすいストーリー」はなく、映画「マグノリア」に似た、多数の登場人物による群像劇的な作品。
    それぞれに共通するのは『易経』『虚構』、そして「高い城」に住むという作家の「第二次世界大戦で連合国軍が勝利していたら」という設定で書かれた『イナゴ身重く横たわる』という小説。

  • 難しかった、、、第二次世界大戦で枢軸国が勝利した世界。本物と偽物の曖昧さ。そして自分が信じたものが本物。

  •  『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に続き2冊目。第二次世界大戦で枢軸国が勝利し、日独が米国を支配している世界が舞台。イタリアはどこへ行ったのか。
     作中では『イナゴ身重く横たわる』という本が発禁になっている。内容は、「WWⅡで連合国が勝利した世界」。つまり、小説内と現実で、現実と虚構が逆転している(ただし、『イナゴ』ではイギリスがソ連っぽく独裁やってて、ソ連がほとんど出てこない)。。
     でも、『イナゴ』内でアメリカを「白人も黒人も肩を並べて暮らし、働き、食事をとっている。第二次世界大戦が人種差別に終止符を打ったのである」(p.259)と、明らかに現実と異なる描写をしており、これは作者の皮肉なのか、それとも本当に事実を誤認しているのだろうか。たぶん前者だと思ってる。
     作中で、骨董品の本物と贋作を分けるのが、本物を証明する紙切れ一枚だという指摘をしているように、この作品では現実と虚構に必ずしも優劣は付いていない。枢軸国が勝とうが連合国が勝とうが、第二次世界大戦は人種差別に終止符など打っていない。
     2つの選択肢があるならば、それはどちらかが本物でどちらかが贋作、という2択ではなく、どちらが自分で選んだものなのか、ということになるのだろう。

  • 数か所引き込まれる箇所があったが、
    夢中にはなれなかった。
    共産主義やナチスについて
    もっと知っていたら、違ったのかもしれない。
    考えてみると、第二次世界大戦のドイツ側のことは
    ほとんど知らないのだと思う。
    少しずつ学んでいきたい。

  • 第二次大戦で枢軸国が勝利し、アメリカを東西で日本とドイツが分割統治していたらというSF。
    当時は斬新な考えだったのでしょうが、今ではありふれているもの。
    古典と言っていい作品で、古典ならではの良さと荒削りな点が有る。

  • 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

  • "第二次世界大戦に勝利した国は、我々が生きている世界の歴史では連合国(アメリカ・イギリス・ソビエト連邦・フランス・中華民国など)となっている。
    もしも、枢軸国(ドイツ、イタリア、日本など)が勝利していたとしたら・・・・
    この歴史のもしもを小説にしたものが本書。
    100人の作家がいれば100種類の小説ができそうなテーマ。"

  • ドラマをシーズン3まで観てから読んだ。「原作」と「ドラマ」の共通点と相違点の両方が大きくて、、先にドラマを観たことで、どうしても認識がドラマに引っ張られてしまって本の内容が上手く入ってこないという残念さと、逆にドラマを観てなかったらわからなかったかもしれない所がたくさんあって、なんとも言えない気持ちになった。ドラマを観ずに原作を読んでいたらどうだったろう、原作を読んでから初めてドラマを観ていたらどうだったろう、と考えてみるけど、想像もつかない。
    でも、ドラマが面白くて、そのおかげでこの本に出会えて、よかったと思う。

全205件中 61 - 70件を表示

フィリップ・K・ディックの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
グレッグ・イーガ...
フランツ・カフカ
グレッグ・イーガ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×