- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150105686
感想・レビュー・書評
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第二次大戦にて、ドイツと日本が勝った世界を描いた作品との事。
ちょっと読み辛い感じ。
ただ、ドラマをみてるので、登場人物は把握できてるのは助かったかな?
田上氏が古物商といきなり絡んでるとか、フランクとジュリアナは別れているとか。
古物商のチルダンは、テレビと同じ雰囲気。日本人夫婦の妻に興味を持って、
フランクに作らせたブローチをあげるとかテレビも同じ設定。
田上の立場や易を信じること、ブローチで違う世界に行くこととかもテレビで使われてる。
ジュリアナは強い女性は変わらず、ジョーと行動を共にするも、イナゴの本に出会い、
作者に興味を持つ。ジョーが暗殺者と知るや、カミソリで首を切り、ジョーを殺すとか、すごい女性。
で、作者に会うけど、作者もたじたじな感じ。
で?という終わり方になってしまったかな?
たんぽぽ作戦(日本にドイツが核攻撃)も日本が水爆を持ってる事を知り、中止となるところもドラマでも使われている。
まあ、不思議な感じで読んで楽しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おすすめしていただいた本をようやく読みましたが、とても面白かったです。
第二次世界大戦で枢軸国が勝利した世界はこのように描かれているのかと思いました。
ほとんど、日本が統治しているアメリカが舞台でしたが、易経に決定事項を頼っていたりするのが特殊な文化だな…と興味深いです。易は日本人は使わないと思うのですが。。
この世界でベストセラーになっている、同盟国が勝利した世界を描く「イナゴ身重く横たわる」も易が書いたことか…タイトルの男とは…と、最後までわくわく読みました。
途中、チルダンから三角を買った田上が見た別の世界は、わたしたちが住んでいるところとはいえ、ぞわっときました。
歴史のもしもをこんな風にかっちりしっかり構築されると圧倒されます。
おすすめしてくださって良かったです。この作家さんの本は2冊目ですが、アンドロイドのよりもこちらが好きでした。 -
易が真の主軸になるif小説。世界の反転と、反転でも変わらない世界のありよう。
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星0評価。というか読むに耐えなくて途中でやめた。
「もしも第二次世界大戦でナチスドイツと大日本帝国が勝ったら?」という設定に魅力を感じて読み始めたものの、作者の書く日本像が適当すぎて無理だった。
大日本帝国で易が流行ってる、って明らかに中国と日本を混同してるよね??そして大日本帝国といいつつ天皇制が全く存在してないってどういうこと??天皇制のない大日本帝国なんてヒトラーの存在しないナチスドイツみたいなもんでしょ。
作者がこの物語を通じて真に書きたいものが、史実を踏まえたパラレルワールドではなかったから、題材にしてる国の歴史や文化を無視した描写をしてるんだろうな…っていうのはわかる。でも、ナチスと日本が勝ったIfの世界を題材にするからには最低限の取材をして、所謂ガイジンのイメージする薄っぺらなエセジャパンに過ぎないものにはしないでほしかった。
戦後日本を風刺して馬鹿にする描写が入ってる(日本人の収集癖とか西洋崇拝とか?)けど、それを入れるのならなおさら戦前の日本からしっかり理解しておくべきだったよね?
知識ゼロの適当な日本を描いた上に、本が書かれた当時の日本人のステレオタイプにのっかって日本人像を皮肉ってる…というのはあまりに中身がスッカラカンでは??というか、元々きちんと歴史、文化を取材するほど日本に興味がなかったのなら最初からオリジナルでやれよ。
評価が高い本だっただけに期待外れだった。まあ多分もう読まないな -
ヒエ……と呟いてページを閉じた
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僕にとってフィリップ・K・ディックの2作品目。一作目は「電気羊はアンドロイドの夢を見るか」あれは楽しかったから期待!
あれ、また日本が出てくる。田上さん。第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わり、日本とドイツが世界を支配している世界線のお話らしい。楽しみ。
「彼はジュリアナを、何か計り知れない理由で自分の人生に投げ込まれた、文字通りの神のじきじきの創造物、としか考えられなかった。そしてそれのために、ーー彼女に対する一種の宗教的直観か信仰のためにーー彼女を失った痛手からまだたちなおれずにいるのだった。」
この文すごく好きだ。僕も同じような節がある。
いろんな人の一人称で話が進んでいく群像劇スタイルの物語みたい。今はまだ各々の序盤だけど、これからどう絡み合っていくのか、、、ワクワクする
第二次世界大戦で枢軸国側が勝利したという世界線の設定の小説の中で、第二次世界大戦では連合国側が勝利したという内容のフィクション小説が登場し、物語の中心になっている。しかも登場人物はその作者を褒めちぎり、小説家という想像力に飛んだ存在を賛美する。書いててこっぱずかしくならないのかな?と思うけど、その傲慢さも含めて小説かという職業をこなせる器なんだろうなあ。
読み終わった。
途中まではこの群像劇がどう絡み合って収拾がつくのかなあと思っていたけど、最後は少しよく分からなくなってスッキリしないまま終わった。クライマックスがない小説だった。
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『アンドロイド〜』に続き、ディック作品三作目。読み始めてから終わりまで、大分時間が掛かってしまった…。訳がが悪く、全然世界観に入っていけず——。あらすじは面白そうだったんだけどなぁ…残念。もうこの翻訳家の作品は読まない方がいいかも知れない・・
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SF内SFが物語の重要な要素となっている。
映画内映画にしろその作品自体が位置しているジャンルへの言及はメタにならない程度にしつこくならない程度のものであれば作家への信頼に繋がるよなぁと思う。
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アマゾンプライムでドラマ化される前から本自体は持っていたのに、ずっと積本してあった。ドラマの初めの方だけ見て、今さらながら読んでみようと思ったのがきっかけ。
日本とドイツがアメリカを支配している世界で、その中でもドイツと日本が負けた世界の本が出ており、ドイツ領内では発禁扱いになっている。その本がどうやって書かれたのかも最後には明らかになるが、正直そんなことはそれほど重要ではなく、ドイツと日本が制している世界の中で、日本人やアメリカ人、ユダヤ人などのうまく言い表せない世間の流れに対する気持ちや状勢を読んでいくべきなのかな。ただ、日本人が易を使っているというのはいかがなものかとは思った。そんなものを知っている日本人には出会ったことがない。 -
★3.5
舞台となるのはドイツと日本が第二次世界大戦に勝利した世界で、その世界の中で“ドイツと日本が敗れていたなら”を想定した小説が書かれているのが面白い。そして、登場する人物がやたらと「易経」を行い、様々な判断を「卦」に委ねているのが奇妙ながらも楽しい。が、田上やチルダン、バイネスの立場や信念は分かるものの、ジュリアナだけは最後の最後までよく分からないまま。タイトルに冠されている「高い城の男」の登場もほんの少しで、彼が作中で綴る作品ほどの印象は残らなかった。それでも、個々のエピソード自体は楽しめる。