霊応ゲーム (ハヤカワ文庫 NV レ 5-1)

  • 早川書房
4.13
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本棚登録 : 1235
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150413439

感想・レビュー・書評

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  • おススメしてもらった本で、予備知識で読みました。
    とても怖いと同時に風景の美しさが感じ取れる物語でした。
    主人公二人が理解しあったシーンは本当にきれいで音まで聞こえてくるようでした。

    英国パブリックスクール+ホラー。でもそれだけでは済まされない
    感情で感情を殴るような激しさや学園ものならではの人間関係のもつれ、最後には大きな謎が残ります。

    読みながら登場人物たちと同じ時間を過ごし、最後はぶん殴られ静かに幕が下りる、そんな体験をした気分です。

    ストーリーテラーがあのキャラクターだったのか!という気づきがあって大変読みごたえがありました。

    あれ説明してくれ!という部分があるので☆4かなぁ。

  • 俗にいうサイコパスを題材にしたミステリ。貴志祐介の「悪の教典」を思い出す。平穏な学校生活。些細な出来事が、様々な悲劇が起こす呼び水になる。イギリスのパブリックスクールの雰囲気を味わうには世界が限定的で甘くない。殺伐としているかも。

  • 友人におすすめ頂いた作品。

    読み応えもあり面白かった。
    一番初めに思ったのは『気弱』の認識の違い。このぐらいなら普通では…?と思ってしまった。

    二人が知り合って親密度が上がるにつれ激しさを増すリチャードと困惑しながらも離れられないジョナサンの描写もさることながら、周りの人物の物語もおもしろい。

    それぞれの人物が抱えている問題、ずるさ、葛藤、性格…。それぞれで起こる不幸の発動は二人が発端のようだが、その原因はそれぞれの人物にあるという収まりが良い。

    オチまで何とか現実的な原因ではないかと推測していたが結局ソッチかーいっ!となった。むしろ好きな部類なのだが、現実的な原因が欲しかったと思ってしまった。

  • ☆4.3

    これはもうとにかく"念"が籠もりまくった作品だった。

    名門パブリック・スクールで立場としては"弱い者"として日々を苦しく生きぬいているジョナサンと、カリスマ性あふれる"強い者"として自らの世界だけで生きるリチャードが出会ってしまったことがすべての始まり。
    その関わりを持つことになったきっかけが、あのリチャードからの小さな親切だったという時点で、この先の悲劇から逃げることなど無理だっただろう。
    ジョナサンの強い者への憧れがリチャードと噛み合っている間は、とても幸福な時間として感じられただろうに。

    次第にリチャードの執着が増し独占欲を向けられ、それが支配とも呼べるものに変わってしまうと、リチャードはヤンデレというよりもはやヤンしかない。マジこわ。
    そこに霊応ゲームの存在が背後にピタリとはりついて、囲われた狭く歪んだ箱庭に彼らを縛りつける。
    こんなはずじゃなかったなんて言葉はもうなんの意味も持たないのだ。

    彼らはたかが14歳。苦悩も煩いも世界の終わりのように感じたはず。
    そのなかでやっと見つけた光が、光のままにあれたら良かったのに。

    とにかく読み応え抜群で、歪んだ心と捩れる人間関係が濃密な、読んだらもう戻れないこと請け合いです。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • たぶん私がブロークバック・マウンテンについての解説などを狂ったように読み漁っていたせいだと思うのだけど、Amazonのbotメールでおすすめされた本。(ブロークバック・マウンテン→腐女子→パブリックスクール好き、という非常にありがちなロジックかしら?)

    「"復刊ドットコム" で絶大な支持を得た傑作サスペンス、待望の文庫化!」などと書いてあったので、おお、多くの人から愛された本なのね、と思って期待をふくらませ、図書館で借りてきた。

    始まりは美しいです。
    全寮制のパブリックスクール。人目を引く容姿を持ち、成績優秀だが、誰も近づけず常に一人でいる孤高の少年と、彼に憧れるおとなしい少年との間にいつしか友情が芽生え・・・

    しかし、その後、想像のナナメ上を行くトンデモ展開にポカーン。

    ラストのドタバタ劇は謎が回収されているようで全然回収されてないし、サイドストーリーは陰鬱の一言。まあ、つまり「なんじゃこりゃー」な話です。
    はっきり言って、霊応ゲーム、で全部(リチャード自身まで)片づけられていることに不満。

    多くの人から復刊を望まれたのは、ひとえに舞台がパブリックスクールで、美少年を中心にした、友情とBLの間の少年たちの愛憎劇、という設定だけからなんじゃないの?などと思ってしまった。
    逆に言うと、そういう設定にすれば何書いたって人気出るってことかしら。
    パブリックスクール萌え、分からないでもないけれども・・・

    とはいえ、私も、結末どうなっちゃうの!?という興味から、1日でイッキ読みしたので、ぐいぐい読ませるパワフルな話であることは確かです。中だるみなし。
    特に、リチャード視点の物語と彼の父親が語る話とが全然食い違っているところはすごいうまいと思った。
    何度も読み返したいとは絶対に思わないけど。

  • ゾッとするけど、どんどん読みたくなる本だった。

  • 良すぎだろ
    ああ良すぎだろ
    良すぎだろ
    オタク心の俳句
    ディオジョナっぽいと話題だったらしい一冊。確かにリチャードの異常な執着はもう、自分としては悪役(と言ってもいいのかな?)に求めるものの理想である。

  • どこでこの本のこと知ったんだろう、、?忘れた

    絶版していたのが再販されたとか

    登場人物描写がメリハリがあって読みやすかった。

  • イギリスの名門パブリックスクールを舞台に、ある二人の少年が出会ったがために引き起こされた悲劇。
    いじめられっこのジョナサンと、クールな一匹狼のリチャード。
    ジョナサンは徐々にリチャードに惹きつけられてゆくが、過去の傷を抱えるリチャードの病的なまでに執着が、徐々にジョナサンをがんじらめにしてゆく……

    出会ってしまったから。
    もしも出会わなければ。

    あらすじだけ見ると大好きだし、
    ほの暗いBL要素が漂うことに惹かれたが、
    実際読んでみると露悪的な要素が目立ち、
    また途中からの余りの性格の豹変ぶりに心がついてゆけず、正直後味の悪さだけが残ってしまった。

    冒頭の、事件の生き残りの「誰か」がインタビューを受けているが、
    それが誰かまでは分からない、という構成は面白かった。

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