霊応ゲーム (ハヤカワ文庫 NV レ 5-1)

  • 早川書房
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本棚登録 : 1235
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150413439

感想・レビュー・書評

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  • 後半は続きが気になって一気に読み進めてしまった。
    なかなか面白かったし、
    思春期特有の感情の起伏の激しさが尊く、そして恐ろしい。
    登場人物それぞれ闇が深いなあ…

  • かなり長いが、絶対に面白い!と思い購入。
    読んでみると長さなんて気にならない。寝るのも食べるのも惜しんで一気に読んでしまった。
    それくらい面白い。読むのを止められなくさせるような、読者を惹きつけるものがある。

    前半のリチャードとジョナサンが友達になっていく過程は安心して楽しんで読めるのに対して後半は漂う狂気、悲劇の予感。これしかなかった。笑
    だから読むのを止められなくなるのだけど。
    何とか幸福な結末をと願っていたがやはり…といった感じ。
    パブリックスクールという閉鎖された空間。少年というまさに自己形成期も相まってと言うのは簡単かもしれない。
    それよりも感じられるのは人間の狂気である。「ずっと悪人」はいない。しかし誰だって狂気に駆られる。

    それにしても、ああどうしてこうなったんだ……!

  • ヤンホモやった‥‥霊応ゲームという古典的な降霊術? 呪い? があるのかな? 説明があまりなくそのものを知らないのでちょっと核になっているだけわからないところがあった。
    孤高の二人が心を繋げるシーンは甘美ですね。まあそれだけだったら微笑ましい〜くらいなんですが段々リチャードの束縛の言動がヤバい感じになっていて、ジョナサンはついに彼の伯母から彼の母親の自殺の顛末を明かされる。そうして伯母からもリチャードをことを頼まれ絶望する。堪らん。
    双子のしっかり者のスティーヴンとほやほやなマイケルも萌えました。
    スチュアート先生がガチホモだと判明した時点でお前もかよといっそつっこみたくなった(いや本来的にはホモカップルはこの一組だけなのですが‥‥)。
    最後はバッタバッタ人が死んでいってそこらへんの展開も怒涛の楽しさでした。
    耽美なそれ系()の表紙からは想像もつかない面白さでした。満足。
    解説の最後にオススメBL臭小説まとめてあってありがたい笑 参考になります。

  • まずは、復刊してくれてありがとう!!と言いたい。
    読みたいと気になりつつもなかなか背中を押す一手がなかったところに復刊で、さっくりと購入決定。
    結果、読んで良かった!に尽きる。

    腐った魂の持ち主さんにお薦めできる、少年達の危うい近すぎる関係。
    といいつつ、愛とか友情というよりは、リチャード→ジョナサンの依存とか執着だよね。(そういう関係がお好みの方には特におススメ\(^o^)/)
    そして、英国パブリックスクールという世界。
    丁度この本の前に「アナザーカントリー」も観たけど、パブリックスクールの悪い面しか見えてこないという(笑)階級社会に加えて狭い世界での抑圧。
    英国=人間本来の性質を無理くり押し込め、きっちり正方形にさせてないと許さない社会、っていうイメージしか持てなくなる。今はもう少し変わったのかもしれないけど?
    小説としてすごく読みやすかった。
    背後にせまるものの正体を描かないままにとにかく追い詰められていく人々という構成。
    からの、事件の日があって、さらにニコラスの最後の言動。薄気味悪さ抜群。
    キャラ達の心情や言動に違和感なく読めるので先へ進む手を止められなくなる。
    出てくる大人達が軒並み酷い秘密を抱えていて、さらに、秘密への対応方法がダメダメすぎる。とにかく隠そうとしている。
    だからこそ、秘密を妻に打ち明け許しを乞うた校長だけが唯一救われるという結末なのかも。

    そして、ジョジョ好きとしたら、主人公の名前も相まって、どうしても、どうしても、リチャードのイメージがディオになってしまう…!
    頭の中のビジュアルは、完全に第1部の少年ディオですよ。
    美少年設定、裏表ありまくりの不敵な性格、邪悪さを滴らせつつも圧倒的なカリスマ、憎しみの権化。
    ジョナサンに執着するのもまたね。
    英国だし、もう一つのジョナサンとディオの物語としても読めちゃうのでお得だ!

  • 伝説の書、待望の復刊!!!
    …と聞かされて即購入したが、あらすじからして重い内容の640p。ついつい積ん読していたが、ふと手に取ってみて驚いた。
    予想を超えるサスペンス、リリシズム、カタストロフ、そしてリーダビリティ。

    読みにくさなど微塵もない。むしろ、とても止められない。それはリチャードを始めとして誰ひとり絶対悪、人ならぬ邪悪なるothersではなく、哀しき人間として描ききってみせたことにもあるのだろう。
    640p、悲惨なことばかりが続くし、どいつもこいつもよくもまあと思えるほどに脛に傷持ち、ためにどうしようもなく転落破滅していく者ばっかりで、救いや希望などはどこにもない。それでも、思いのほか後味は悪くなく、ただ透徹した諦念に満ちた哀しみだけが残る。哀しく、悲惨で、うつくしい、極上の物語だ。

    2015/9/12〜9/14読了

  • 「英国のパブリック・スクール×史上最凶のヤンデレ」というネットの情報に、これは読まねばと手に取ったけれど、もうもう本当にやばかった…(ボキャ貧)。
    600頁超があっという間。
    読後の余韻がすごい。肌が粟立つ。
    大矢博子さんの解説がこれまた素敵で。
    散らかった自分の脳内をすっきりさせながら、高まるフレーズで反芻させてくださる…。

    それにしても、ニコラスを想うと、途方に暮れてしまう。

  • 120ページほど読み進めて思ったのは、「この本は疲弊する」だった。
    誰しもが持っている、あなたとわたし、「二人」という関係。歪み、淀んだそれらは澱のようにパブリック・スクールという閉じた世界に降り積み、やがて臨界点を超える。
    結局のところ、「二人」という関係など存在しなかった、それはあくまでも「孤独たち」でしかなかったのだと突き付け、物語は終わる。
    読み終えて数時間経つけれど、疲労感が消えない。

  • イギリスの全寮制の男子校というとっつきにくい設定ではあるのに、物語の中にどんどん引き込まれてページをめくる手が止まりませんでした。

    この本を購入したきっかけは、正直に言えば内容がすごくBLくさいよ、というネットの噂からでした。読み始める時も、「孤高の美形青年と地味な普通青年の寄宿舎BL楽しみだなあ」とにやにやしながら本を開きました。
    もちろん、それを匂わせる描写もありました。実際、生徒との同性愛に苦悩する先生も出てきますしね。けれど、単なる「BL」で括るのはあまりに軽率すぎるのではないかな、と思いました。
    主人公ジョナサンのリチャードに対する思いは恋愛というよりは崇拝に似た憧れであり、リチャードの思いは狂気を孕んだ依存というべきもの。その思いのすれ違いが、結果として凄惨なラストへ繋がっていったと考えるなら、やはりこれはBLではなくサスペンスだろうな、と思います。

    脇役一人一人の人間性も豊かに描かれていて、特にジョナサンの友人ニコラスの感情が痛いほど伝わって、途中読むのが辛いくらいでした。
    ニコラスが全て話を打ち明けようと思い至るまで、いったいどんな気持ちで生きていたのか、またあの後どんな風に生きていくのかを思うと、彼もまた生き続けることであのゲームの報いを受けているのではないかと思います。

    転げ落ちるように展開する物語に夢中になり、読み終わってしばし呆然としてしまいました。まだ謎を残して、読者に想像の余地を残したまま終わる物語に、しばらく私は捕らえられたままだと思います。

  • な…なんだこれ。
    某所で話題だったので、にやにやできるかな、と期待して読んでみましたが……こ、これは予想外だ…!
    いや、前半のほうはまあ、良いんですよ。閉鎖的な環境、悩みと不安、あからさまなまでに素直で純粋な少年たち、いじめ、友情。ちょっと物足りないような気もしつつ、(いじめっこにはもうちょっと頑張れよ、と思ってしまった)ここからどう展開するか…いや、どこまでいくのか、とハラハラワクワクしながらページを進めていくと……まさかのミステリ展開!確かにプロローグで提示された謎は気になってはいたけれど…!と読んでいったらあろうことかの怪奇ホラー展開!ええーっ!死体多すぎーっ!なんじゃこれーっ!あーそういえば確かにこういうタイトルだったわ!…とまあ、予想していたのとは違う方向に楽しんでしまいました。
    しかしもちろん当初期待していたにやにや分も摂取できたので、とりあえず私は満足です。
    あと解説がものすごくぶっちゃけていて笑った。「孤高の不良美少年と、真面目で心優しい少年。鉄板である。」「ヤンデレ」……うん、私もそう思いました。おすすめ作品があまりにもわかりやすいラインナップで、思わず無言で頷きました。

  • KL 2015.7.18-2015.7.23
    図書館本なので、2000年版ハードカバー。

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