- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150711023
感想・レビュー・書評
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2020/9/25購入
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古く言うところの「安楽椅子探偵」。見てもいない話や状況を聞いて事件、犯人を言い当てる。時代背景やお国柄などわかりにくい部分は多数あるが、いわゆる謎解きは超一級。
翻訳本はどうにも訳された文章がすんなりアタマに入って来なくて、これもその一つではあるのだけど・・・それがなければもっと面白く読めるのに・・・。 -
私が買っていた本で(当然私は読み終えている)、ダンナが大好きな「ののちゃん」に載ったと言う事で俄然興味を持ち「アンタ持ってたよね?」って読んで「もっと早くに読めば良かったー」ってダンナが言った推理短編が「九マイルは遠すぎる」です。
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ニッキィ・ウェルト教授は『九マイルは遠すぎる、まして雨の中ともあれば』と言う言葉を耳にし、この言葉を頼りに前日起きた殺人事件の真相を暴き出す…。難事件を次々に解き明かしていく、教授の活躍を描く傑作短編集8編。
安楽椅子探偵ものの名作。表題作は推測に推測を重ね、挙げ句の果てにはある殺人事件に結びつけ犯人を割り出すという、その発想が素晴らしくて舌を巻きましたが、こじつけや無理矢理感が気になり、正直なところ、それほどでもない印象。
個人的には、正統派の本格推理が楽しめる【エンド・プレイ】がベスト。その他【わらの男】、【10時の学者】、【時計を二つ持つ男】も良作で、珠玉の短編集だと思います。 -
安楽椅子探偵。事件の現場に行かず状況を聞いただけで物事を特定できる探偵。
探偵ものではかなり好きな部類。
主人公のニッキィと語り部の郡司との掛け合いがホームズとワトソンを連想させる。
短編集で1話1話程良い長さで読みやすい。
とにかく題名がかっこいい!!
「一連の推論が理にかなったものであっても、かならずしもそれが事実とは一致しない」
それをことごとく自分で論破してしまうあたりカッコ良すぎる! -
安楽椅子探偵ものでよく引き合いに出される「九マイルは遠すぎる」今回初めてこの話が14年間も練られて完成したストーリーであることを知りました。推論を重ねてたどり着いた先に、出題者にも思いもかけないラストが待っているところなどはやりすぎと思えるほど見事です。この本はこの話で探偵役だったニッキィ・ウェルト教授の短編集ですが時代背景と異国ということから多少想像しにくい面はあるもののニッキィとわたしとの掛け合いも楽しく言葉遊びも含め翻訳はかなり読みやすいと思います。好みは「エンド・プレイ」「時計を二つ持つ男」。
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なんか急に翻訳もののレジェンドミステリが読みたくなりまして。有栖川有栖が著作で薦めていた本書を読んでみました。
作者実体験による「九マイル」から著作に落とし込んだって経緯がそもそも興味深いですね。内容は・・・若干無理矢理じゃないか?と思ったりもしたものの、一種の思考実験と思うとこれもまた面白い。そこから徹底した安楽椅子探偵のニッキィが大活躍。表題作を読みたくて選んだんですが、むしろそれ以外の方がだんだんと話がこなれてきているようでとても楽しめました。 -
文句なしの星5つ。
タイトルだけは知ってたけど、今まで読んでなかったのが悔やまれるような、むしろもっととっておきたかったような素晴らしい短編集。
ミステリによけいなものはいらないとばかりに削ぎ落とされた文章なのに、どうしてこんなに魅力的な人物を描けるのだろう。表題作でニッキィが大好きになり、この本におさめられている物語以外にはニッキィはいないと知り、大事に大事に一話ずつ読んだ。
ほんと好き… -
ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」読了。ニッキィ教授が活躍する推理小説の短篇集。1話目が秀逸。何気に思い浮かんだ文章”九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ”から引き出される論理的な推論がまさかの展開にとても驚いた。