九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2)

  • 早川書房
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感想 : 178
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150711023

感想・レビュー・書評

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  • よく聞くタイトルだったので読んでみなくてはと思っていました。安楽椅子探偵ものですね。面白かったです。読めて良かった(^^)

  • 父が貸してくれた本。
    読んだらめっちゃ好きなやつでした。主人公のニッキィと語り手である「わたし」のやり取りに、最初はイギリス人かと思いましたがアメリカが舞台でした。ウィットに富んだ登場人物の会話、少ない手がかりから導き出される意外な答え。オチの付け方もオシャレ。お父さん素敵な本をありがとう!

  • 「9マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となると尚更だ」という何気ない一文から推論の末、殺人事件の真相を暴き出す、という裏表紙のあらすじに惹かれて手に取った短編集。
    表題作を含めどの話も、常にちょっと上から目線のニッキイ・ウェルト教授がその場にいないにも関わらず、ほんの些細な手掛かりで表面上分からない犯行(ほとんど殺人)を解き明かすという“安楽椅子探偵”の作りで構成されています。
    狭い世界で登場人物も少ない中なので犯人はすぐ分かりますし、トリックも難しいものではなく、ハラハラドキドキはありません。
    ニッキイ・ウェルト教授のキャラクターを楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそうな。
    個人的には裏表紙のあらすじに勝手に騙されたなぁという気がしました。

  • 久しぶりのミステリ。「9マイルは遠すぎる」という言葉。指紋の残る誘拐犯の手紙。コーヒー党の若者がならした湯わかしの音。などなど、ちょっとしたヒントから推論を組み上げる安楽椅子探偵ニッキィの活躍。
    正直にいうと上記の三編以外はいまいちに感じて。なんでだろう?一言でヒントを示せないから?いや示せるな。ただそれがクリアに、強調して示されない分印象が弱くなってるのかもしれない。
    いまいちに感じた、ってだけで、安楽椅子ミステリとしてもちろん面白かった。翻訳から45年近くたってるのに古く感じないのもすごい。言語学者の知識を礎としてるこの作品ならではなのかな。

  • おもしろかった。「九マイルは遠すぎる。(以下略)」という言葉だけから驚くべき事件を解決してしまう安楽椅子探偵による短編ミステリー集。序文でも書かれているように、「推理」のおもしろさにだけ特化し、余計なドラマや冒険譚などは一切ない。ストーリーも登場人物も必要最小限に絞られ、練り上げられた作品に感じた。これは単に私が本格系が好きだというだけかもしれない。表題作はもちろん面白いが、個人的には最後の一遍「梯子の上の男」のような終わり方が好き。

  • ◆ お風呂でミステリ ◆

    ・・・ 第九回 「9マイルは遠すぎる」 ・・・

    ジェームス・ヤッフェと同じく、ユダヤ人の作家、ハリイ・ケメルマンの、ミステリファンなら知らない人はいないであろう、超有名短編です。
    大学生に英文を教えているニッキイ・ウェルト教授が、11語の文章
    「9マイルは遠すぎる、まして雨の中ならなおさらだ」
    という文章からなにが推論できるか、という遊びをやってとんでもない結論を導きだす、というもので、もうこれは古典というか、教養になっているクラスだと思うので、司書なら読んどいた方がいいよ、と思います。

    2017年08月01日

  • ホームズ:ニッキィ・ウェルト
    ワトソン:「わたし」

    有名な表題作より他の作品、特に後半の方が面白かった。
    ニッキィは、たまたま耳に飛び込んできた情報から、その場の誰もが思いもよらなかった結論を導き出す。同じ会話を聞いていても、彼の頭の中には常人とまったく違う光景が浮かんでいるようだ。
    それは、通りすがりに無自覚で耳にしたたった11語の文章だったり、隣人がお湯を沸かした音だったりする。

    文章も短文でキレがよくて読みやすい。
    「わたし」が意気揚々と見当はずれの発言をしたらニッキィに軽蔑の目で見られ、「いや、ちがう」と自分で却下するくだりは、漫画のような光景が目に浮かんで可笑しかった。

  • ニッキイ・ウェルト(ニコラス・ウェルト)

  •  そもそも文化や社会制度も違うし、カタカナで書かれた名前や地名を区別するのも苦手なので、舞台が日本以外の小説には、なかなか手を出さないんですが。
     今、苦手克服月間なので(自分で勝手に決めてる)、読んでみました。
     短編だしね。

     論理的思考力に優れた大学教授のニッキィ・ウェルトが探偵役の短編集。
     こういう論理的推理の話、好きなんですけどね、何しろ頭が悪いですから、読んでもなかなか理解できないというか、状況や行動が頭に思い浮かばないわけです。
     しかも、メートル法の中で生まれ育ってますから、マイルと言われても、いったんメートルに置き換えないと距離感が掴めないんで、大変です。
     短編のわりに、読むのに時間掛かった…。

     序文を含めて9つの章があって、3人の訳者さんが訳しているのに、なぜか表紙には2人の訳者の名前しかない不思議。
     訳者さんによる訳の違いを楽しむというのもいいかも。

     あと、1話目も唐突に話が始まるんで、登場人物(語り部である「私」が何者なのかがよく分かんない…。

     ちなみにこの本、図書館で借りたんだけれど、同じ日に、戸板康二さんの「團十郎切腹事件」を借りたの。
     そしたら、この本の解説、戸板康二さんが書いているという偶然。

  • うーん。翻訳ものって苦手かも

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