- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163220901
感想・レビュー・書評
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感動した。日航機墜落事故を取材する新聞記者の格闘を描きながら、人間ドラマを展開させ、命の重さ・ジャーナリズムのあり方、家族、仲間とのかかわり と2重3重になったテーマを高密度に盛り込んでいる。流石の一言。
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新聞記者のプライドがこんなにも激しいのかと、心に打たれました。
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舞台は、日航機墜落事故の地元の新聞社と、そこから何年か経ったあとに、山に登っているところとが交互に書かれてます。
下りるために登る。
てっきり山のことだと思ってましたが、それがそうでも無いようで。
物語の最後の方にその答えがあります。 -
横山作品の長編では一番好きかもでふ。
一気に登頂するかの如く、一気に読了してしまいまふ。 -
面白かった。そして読後感「は」最高に良い。
日航機墜落事故を取材する新聞記者の話、と聞いて読み始めたけれど、これはむしろ「新聞社の話」でした。
でこの新聞社が酷くて、社長含め役職者にロクな奴がいない。主人公は日航事故の全権デスクとして、ロクでもない奴らにぶつかっていく。(8割方物理的に)
半沢直樹みたいに主人公が主人公主人公してない。この人が上司だったら自分は嫌だなと思う点も多々あるし、家庭は顧みないし、(というか激務がすぎて途中家族の存在が空気)、暗い過去はあるし。
でも主人公が休みなく駆け抜けるうちに、救われる部下がいたり、ロクでもない上層部のロクでもなさが若干薄まったり、過去を清算することができたり。家族のことも最後は良いところに収まって。
しかし長いお話なので途中で下山してしまう読者もいたのでは、なんて。
私は最後まで読んで良かったと思った一冊でした。
堤真一演じる悠木が見たいので映画も近いうちに観よう。
最後に、、燐太郎くんめっっっっちゃ良い子。 -
日航機墜落事故を題材にした横山秀夫作品。映画化もされておりまず間違いない作品!なんとなく知っていた事件の裏側をフィクションながら知ることができ、よく裏取りされていることを感じる。
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1985年8月12日 群馬県御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機
その惨劇を伝えるべく奮闘する地元紙 北関東新聞の記者達
上司の圧力に屈することなく、地元紙であるからこそ「詳報」にこだわり続けた墜落事故全権デスク 悠木和雅の熱い闘い
毎日のように御巣鷹山に登り、現場を伝えた佐山と神沢
34年前、テレビに釘付けになって、日本中の人々が、事故の詳細を追ったあの緊迫した日々を思い出した
同僚 安西が最後に残した言葉 「下りるために登るんさ」の意味を考え続けた悠木は、安西が北関東新聞をやめ、山の世界に戻る事をその言葉に込めたことを知る
しかし、悠木は、敢えて「下りない 」ことを選択し、草津の片田舎に追いやられても、記者であり続けた
その生き方も、かっこいい
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星5つでもいいかなと思いますが。ほぼ2日で読み(読め)ました。
企業戦士の我が儘で強圧で図々しくてそのお腹黒さにむなくそわるくなりながらも信念を守り通す男たちに胸がすく思いもしました。
でも、ここまで腹の探り合いというかつぶしあいというか、そんな一つにまとまれない企業がいい仕事できるのかな?と思ったり。
あまりそういう会社で働いたことがないからわからないけど。ゾッとしつつもここまで熱くなれる仕事というのもすごくうらやましく思います。
何よりもこの本の一つの舞台は私が30歳の時に起こった大事件でした。520人が乗った飛行機が山中に墜落という、とても強い衝撃でした。絶望的で悲惨。そんな中で生存者があったことに驚喜もしました。それはこの本の中でも描かれています。
どこだか忘れてしまったけれども、読みながら歓声を挙げた部分もありました.あの参事の裏側で体を張って真実に迫り、おのれの職務を全うしようとした男たちに“あっぱれ!”です。 -
人間模様を描くのは上手い。
松尾たいこさんの挿画が大変印象的で、忘れられない1冊です。
松尾たいこさんの挿画が大変印象的で、忘れられない1冊です。