- Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163245003
感想・レビュー・書評
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亡国のイージスが素晴らしかったもので。。。。
GWの夜、寝不足になったのはこの作品のせいです。
ネット財閥のアクト・フィナンシャルの入った赤坂フォルクスビルを、そこの重役である水月総一郎ごと吹き飛ばしたテロ組織。
警視庁公安部の並河警部補は、SITで第一線を張る若手刑事に、賞味期限切れの”公安部(ハム)の脂身”と揶揄されながらも、現場に首を突っこむ50歳。
今回のテロ事件で防衛庁と協力体勢をとることになった並河は、20代そこそこの自衛官である丹原朋希とともに調査活動に乗りだす。
丹原の所属はもちろんダイス。
きたーーーー!って感じでしょ。
この2人、見事に亡国のイージスの仙石と如月にオーバーラップします。
個人的には、如月のダークさの方が魅力的ですけれども。(笑)
で、最初は北からの工作員としていたテロリスト5人組が実は元ダイスってことが分かり。
しかも、リーダーが丹原の親友。
ほほう、そうきたか。。。。
と気が付いたら夢中。(笑)
38詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久し振りに福井さんの長編を読みたくなって手に取った今作。上巻だけでも読み応えのある分量なのに、読むのが全く苦にならない面白さがありました。福井さんならではの熱さや苦味に涙するのはもちろん、重厚な物語に差し込まれるちょっとしたひとコマにクスリとさせられるような軽やかさが盛り込まれており、驚きもありつつ福井作品の意外な一面も見られて非常に面白い作品でした。物語の終盤での急展開が下巻にどう繋がっていくのか楽しみです。
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福井作品は「亡国のイージス」と「終戦のローレライ」と非常に面白く猛スピードで読み進めましたが、これはちょっと辛かった・・・
戦艦ものよりよっぽどややこしく、最後までこの世界観に馴染めなかったかも。肝心な堀部三佳の魅力と「新しい言葉」「古い言葉」が含む内容にいまいちピンと来ず。
そしてなぜか三佳の脳内イメージは大島優子でした! -
『亡国のイージス』『終戦のローレライ』などのヒット作を持つ、福井晴敏の最新作。『亡国のイージス』で出てきたダイスが、この作品でも出てきます。ダイスと公安警察(防衛庁と警察庁)の闇の連携と反目が、この物語を一層複雑にします。
舞台は、赤坂、幕張と、私の良く知っている地域。出てくるビルなども、知っているビルだったりするので、それを本の中を照らし合わせると臨場感が増します。福井氏は、本を書く時は映画化を念頭に書くと言っていますが、この本もそうでしょうね。これが映画になることを考えると、ワクワクします。本を読むだけでドキドキするような派手なシーンが、映像化されたときはどうなるのでしょうか? 福井氏の次の作品が楽しみです。 -
これは面白かった。この本読んでから読書にはまってしまった。
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図書館で予約してやっと借りることができた。
いつもの萎びたオヤジ+陰のある青年の物語。
そろそろこのパターンはやめた方がよいと思う。
物語は現在の日本の状況を踏まえて
いかにもありそうな展開をたどっている。
昔なら北朝鮮のテロ等の陰謀史観はうそっぽかったけど、
今の状況だと笑えない現実に見えてくる。
いつものパターンだけど、心に傷を負いながらも
必死にあがく主人公たちには心魅かれる。
ローズダストの最終目的はいったい何なのか
期待を盛り上げて見事に上巻を〆てくれた。
下巻に期待! -
ハムの脂身と揶揄されるおじさん、そしてそんなおじさんに七五三と揶揄される青年。
反発しあう二人が立ち向かうのは、5人のテロリスト集団“ローズダスト”。
アクションシーンを読んで、初めて
かっこいい……!!!
と心の底から思えた作品です。
福井せんせいの文章の巧さは流石としかいいようがありません。
二人が不器用にお互いを認め、心の交流を深めていく過程は、血みどろの闘いの中、どことなくほのぼのしていて癒されます。
過去に縛られ人形のように生きようとする朋希だけれど、あまりにもぼろぼろと人間味をこぼれ出してしまう姿が可愛くて可愛くて……笑
きな臭い国際関係が複雑に絡み合うストーリーはともすれば冗長になりがちですが、この作品は飽きさせません。
今から読む下巻に期待です。