Op.ローズダスト(上)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163245003

感想・レビュー・書評

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  • 亡国のイージスが素晴らしかったもので。。。。
    GWの夜、寝不足になったのはこの作品のせいです。

    ネット財閥のアクト・フィナンシャルの入った赤坂フォルクスビルを、そこの重役である水月総一郎ごと吹き飛ばしたテロ組織。

    警視庁公安部の並河警部補は、SITで第一線を張る若手刑事に、賞味期限切れの”公安部(ハム)の脂身”と揶揄されながらも、現場に首を突っこむ50歳。
    今回のテロ事件で防衛庁と協力体勢をとることになった並河は、20代そこそこの自衛官である丹原朋希とともに調査活動に乗りだす。
    丹原の所属はもちろんダイス。
    きたーーーー!って感じでしょ。

    この2人、見事に亡国のイージスの仙石と如月にオーバーラップします。
    個人的には、如月のダークさの方が魅力的ですけれども。(笑)

    で、最初は北からの工作員としていたテロリスト5人組が実は元ダイスってことが分かり。
    しかも、リーダーが丹原の親友。

    ほほう、そうきたか。。。。
    と気が付いたら夢中。(笑)

    38

  • 久し振りに福井さんの長編を読みたくなって手に取った今作。上巻だけでも読み応えのある分量なのに、読むのが全く苦にならない面白さがありました。福井さんならではの熱さや苦味に涙するのはもちろん、重厚な物語に差し込まれるちょっとしたひとコマにクスリとさせられるような軽やかさが盛り込まれており、驚きもありつつ福井作品の意外な一面も見られて非常に面白い作品でした。物語の終盤での急展開が下巻にどう繋がっていくのか楽しみです。

  • 2009年3月29日(日) 13:00-17:00
    紹介スタッフ:ふじ
    『OP.ローズダスト』
    現代日本で実際にテロが起きたらどのようなことが起こるのかを細かく書かれている。
    主人公は自分たちと同じような環境。
    北朝鮮のテポドン発射問題のとき、“自己責任”という言葉が流行語大賞になった。
    憲法9条に関して、世論調査をした。そして、そのニュースで見た次の日に発射された。
    発射されたことで世論調査の結果が変わった。賛成3割反対7割から賛成7割反対3割に。
    意見を変えた人は、昨日の自分の意見に責任を持てていない。
    自分の言ったことに責任を持って仕事をする。
    ぜひ読んでみてください!

    ≪フィードバック≫
    (いっちー)英語の授業で、『国家の品格』という本を教材として勉強していた。その中で、民主主義についての項目があった。「民主主義はいいようだけど、ひとりひとりの意見に責任をもっていないとダメな制度」と書いてあった。聞いていてその通りだと思った。その場のノリとかその時々の事件によって流されがちなことが多い。自分がそう思うのはどうしてなのか、きちんと考えないといけないと感じた。

  • 福井作品は「亡国のイージス」と「終戦のローレライ」と非常に面白く猛スピードで読み進めましたが、これはちょっと辛かった・・・
    戦艦ものよりよっぽどややこしく、最後までこの世界観に馴染めなかったかも。肝心な堀部三佳の魅力と「新しい言葉」「古い言葉」が含む内容にいまいちピンと来ず。

    そしてなぜか三佳の脳内イメージは大島優子でした!

  • ”川の深さは”や”Twelve Y.O.”の世界を継承する小説です。

    相変わらず、重厚な文章で読了するまでに時間が掛かってしまいました。
    上下巻あわせて1200頁ぐらいあり、しかも、行間が結構詰まっているので、
    高嶋哲夫の小説と同等の行間にすると、倍ぐらいのページが必要なんじゃ
    ないかなぁと思ってしまいます。

    500頁ぐらいの小説なら3~4時間程度で読みきってしまうのですが、
    この本は7~8時間ぐらい必要でした・・・。

    しかし、大胆な発想でストーリーを進めるのは読んでいて完全にフィクションだと
    思わされるので、小説の世界に没頭しやすいですね。

    逆に、一度現実に戻ってしまうと、小説の世界に戻るのが大変・・・。

    福井晴敏の小説は、まとまった時間に一気に読むのが一番良いみたいです。

    まあ、そんな時間はなかなか取れないのですが・・・。

    私はこの小説結構気に入りました。

  • 『亡国のイージス』『終戦のローレライ』などのヒット作を持つ、福井晴敏の最新作。『亡国のイージス』で出てきたダイスが、この作品でも出てきます。ダイスと公安警察(防衛庁と警察庁)の闇の連携と反目が、この物語を一層複雑にします。

    舞台は、赤坂、幕張と、私の良く知っている地域。出てくるビルなども、知っているビルだったりするので、それを本の中を照らし合わせると臨場感が増します。福井氏は、本を書く時は映画化を念頭に書くと言っていますが、この本もそうでしょうね。これが映画になることを考えると、ワクワクします。本を読むだけでドキドキするような派手なシーンが、映像化されたときはどうなるのでしょうか? 福井氏の次の作品が楽しみです。

  • これは面白かった。この本読んでから読書にはまってしまった。

  • 図書館で予約してやっと借りることができた。
    いつもの萎びたオヤジ+陰のある青年の物語。
    そろそろこのパターンはやめた方がよいと思う。

    物語は現在の日本の状況を踏まえて
    いかにもありそうな展開をたどっている。
    昔なら北朝鮮のテロ等の陰謀史観はうそっぽかったけど、
    今の状況だと笑えない現実に見えてくる。

    いつものパターンだけど、心に傷を負いながらも
    必死にあがく主人公たちには心魅かれる。
    ローズダストの最終目的はいったい何なのか
    期待を盛り上げて見事に上巻を〆てくれた。
    下巻に期待!

  • ハムの脂身と揶揄されるおじさん、そしてそんなおじさんに七五三と揶揄される青年。
    反発しあう二人が立ち向かうのは、5人のテロリスト集団“ローズダスト”。


    アクションシーンを読んで、初めて

    かっこいい……!!!

    と心の底から思えた作品です。
    福井せんせいの文章の巧さは流石としかいいようがありません。

    二人が不器用にお互いを認め、心の交流を深めていく過程は、血みどろの闘いの中、どことなくほのぼのしていて癒されます。
    過去に縛られ人形のように生きようとする朋希だけれど、あまりにもぼろぼろと人間味をこぼれ出してしまう姿が可愛くて可愛くて……笑

    きな臭い国際関係が複雑に絡み合うストーリーはともすれば冗長になりがちですが、この作品は飽きさせません。
    今から読む下巻に期待です。

  • 世の中には、「古い言葉」が散乱しているね。

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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