- Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163245003
感想・レビュー・書評
-
福井晴敏の作品で一番好きな小説です。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代の腐敗を一掃し新たな新時代の礎をそれぞれのやり方で築こうとする者たちの物語。
合計1100ページの長編小説。
特殊組織やテロ、政治家や官僚たちの腐敗を描き、それらに巻き込まれた者の復讐と日本の再生を起こすための作戦が「ローズダスト」
主役は中年の刑事と特殊組織の青年。
物語を進める上で老と若の絶妙な掛け合いと衝突が良かった。
感想を深く記したくても、この物語は深く抉るような捉えどころが無く難しい。
しかし自衛隊の兵器に詳しい人なら十分に楽しめる作品には違いない。
私は「終戦のローレライ」が福井作品を知る初めての小説だった。
そちらと比べると今作は登場人物たちの心理や心境が深く綴られていないような気がした。
特に敵側のローズダストのメンバーの心境が少ない。
こちら側サイドの人間心理はよく描いている印象を受けたが、
敵側のサイドを深く知り得なければ彼らの悪意でもない人間の存在価値を追求したローズダストの作戦が活かされていない印象を受けてしまった。
しかし1つの小説として、他の作品を見比べなければ十分に楽しめる。
中年刑事と青年の心の面での成長と葛藤も見所で、読み手は十分に彼らの気持ちを知ることができる。
それぞれの譲れない戦いへの思いは、過程や形が違えど根本的な本質は同じに見えた。
そしてこの小説は現実でも日本が直面しているアジアやアメリカとの外交問題も忠実に描いていて、改めて学ばされる。
そして気付かされる。
今の日本は他力本願でマスコミの情報だけで簡単に鵜呑みにし飲み込む。
自分で日本という国がどうあるべきなのか、そして現代に生きる人間が自分自身で考える力が欠落している事実に直面する政治的な小説に私は思えた。 -
福井節炸裂!! 中年刑事と少年兵器のペアが、DAIS と交錯しながら国家を、自らの魂を守る。
わくわくしながら読むから、分厚いハードカバー二冊の長編も苦ではない。くどいほどの説明を合間に挟みながら、徐々に背景と人間関係が明らかになってくる。
その頃にはもう主人公コンビに感情移入してしまい、多少の粗が見えなくなっている。
つまり、いつものパターンである。これを是とするか非とするかは考えようだけれど、今回の主役はダークヒーロー如月行とはまったく違う人間らしい弱さを持つ男。その弱さゆえテログループからはずされ、そしてそのテロと戦う。テロは彼に何を期待しているのか。その辺が一番の見所だ。
この主役の生々しさと、いつもより活躍する中年警部補がいい。カッコよさは薄らぐものの、はるかにドラマチックな小説に脱帽。長すぎる部分をカットすればなお良いと思う。 -
憎い奴を爆殺.すごいことだが,専門的に見るとやや不可解な点もあるが,... 下巻が楽しみだ.
-
ダイス同士の抗争。
テロリストが日本に潜入したという知らせを受け、公安の窓際警部補とダイスの青年が組んで犯行を阻止しようと試みる。
今回のダイス隊員は感情を殺しながらも、不器用な一面が顔を除かせる不安定な青年。
彼を後輩のように接する並河警部補がいい味を出している。ダメなおじさんではなかった!マル六とのやり取りもかっこいいよ!
本作では、著者の国防に対する考え方が強く問題提起されている。
自国を十分に守る防衛能力がなく、それも一晩で3割が7割に変わる意見を持つ世論。
そんな国が一人前の国としてやっていけるのか。
国民の国営意識の低さと、縦社会の防衛機関。
それらを変えるために、テロという荒療治を実施するテロリストたち。そこには著者の強い意見が見える。
けれど、だからこそ主人公たちが出す答えに期待が高まる。
私自身、国防に関してアレルギーのようにノーを唱えていた。
けれど、それでは何も責任も持たない意見だ。
まず、知る。そして、意見を持つ。
難しいとか、面倒とか、どうでもいいとか言っていると、いつか悔やむときが来る。
無知のせいで、間違った判断をしたくない。 -
この世界観、たまらない。
-
前振りつーか、伏線の話が長げーよ・・・
-
感想は下巻に
-
傑作!!!
-
面白い!!
またDAISの話が読めるなんて最高。