帳簿の世界史

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902463

感想・レビュー・書評

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  • この本よりかなり分量の少ない「会計と経営の700年史」を先に読むことをオススメします。
    過去、イタリアで3月24日になぜ決算したかはこの本に説明はなく、700年史にはきっちり書かれています。

  • 会計と宗教、政治の話が詳しく書かれている

  • 面倒だし、現実そのものでやりたくない筆頭に近い帳簿関係の世界史。
    おろそかにすると国にだって簡単に滅びるよ、な実例集。
    思ってたより世の中どんぶり勘定でやってて失敗してるんだなって思った。

  • 世界の覇権は経済力・軍事力が表の歴史とすると、裏の歴史として「会計史」がある。国の盛衰は会計と一体。
    国が衰退する過程で君主は会計の事実から目をそらし、それが国を滅亡に導く。
    「ルイ14世」会計の前で謙虚、傲慢は必ず復讐される
    コルベール財務大臣に従順、その死後は帳簿を閉鎖させ
    国庫を使い尽くした「余はフランスを破綻させた」

    帝国の経営力
    英国は植民地の経営者を組織的に育成・配置した
    スペインは収奪のみ 直ぐに失った

    資本主義 他人資本の活用
     会計責任 透明性 説明責任

    村井章子氏の翻訳が素晴らしい

  • 中世イタリアの商業都市ジェノヴァで生まれた複式簿記は、長年定着することなく、不透明な会計はメディチ家の没落やフランス革命を引き起こした。

    複式簿記が国家レベルで定着したのはスペイン無敵艦隊を破り貿易大国となったイギリスだった。
    陶磁器のウェッジウッドの創始者ウェッジウッドは、簿記を会計だけでなく生産管理、労働管理、マーケティングにまで用いた。経営学の創始者とされるリチャード・テイラー『科学的管理法』が世に出る200年以上前のことであった。
    ウェッジウッドの孫のチャールズ・ダーウィンも簿記を重視し、アダム・スミス、功利主義や「最大多数の最大幸福」で知られるベンサムも簿記から着想を得たという。

    イギリスの次にはアメリカが簿記を重視した。現在に至るまでアメリカが金融において中心的な役割を果たしているのは、アメリカ独立戦争の中心人物たちが簿記に通じていたことに由来しているようである。
    しかし複雑化した会計・金融は不正の余地を生み、世界恐慌、サブプライムローン問題などを引き起こした。

    本書は、国家・企業が公正な会計を行い続けることがいかに困難か、そして公正な会計を行うときは同時に繁栄しているときであることを示している。

  • 世界史(というか西洋史)を帳簿(会計)という観点で記述するという発想が目新しいと思ったので読んでみたものの、事実が並べられているだけという印象であまり感心しなかった。帳簿や会計を題材にした絵画の紹介を読んで、久しぶりに美術館に行ってみたくなった。2015年5月17日付け読売新聞書評欄。

  • ☆未来の資産価値を現在に置きかえる帳簿が生まれた時、世界が変わった

  • 中世メディチ家の話やイギリス陶器メーカーのウエッジウッドの話しなど興味深かったです

  • 経済やビジネス、文化の発展にどのように会計が関わってきたかについてまとまった本。イタリアルネサンス期から現代まで幅広いトピックが扱われている。
    会計の知識はそこまで必要でないが、読んで理解する上で高校レベル世界史の知識は必要と思う。
    情報量は十分で内容としては興味深かったが、翻訳がややイマイチで退屈になるし、すっと内容が入ってこないことがあったので、??3.5というところか。
    300ページ超の内容のうち、日本の帳簿史はわずか6ページくらいである。ヨーロッパ史の本と理解しよう。

    以下、メモ。
    -金貸業で、金利分を返してもらう時に受け取ることは宗教的にタブーだった
    -複式簿記はイタリア・ヴェネチアで発展した
    -ダーウィンはウェッジウッドの孫
    -最初の公認会計士はスコットランド出身
    -監査、財務諸表の公開が法律で制度化されたのは割と最近の様子
    -監査業務を行う会計事務所は独立性を保つべきなのに、コンサルティング業務を担っており、そこからの収益割合が大きいという矛盾
    -現代の会計業への悪いイメージ、国家の財政状況の悪化はどのように改善すべきか。この負の連鎖をどのように変えるべきなのか。

  • 歴史
    経済

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