- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163905976
感想・レビュー・書評
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いつだって、誰だって、どこかに、
何かを隠している、ことを隠している。
大切なものか、
知られたくないものかはそれぞれだ。
作家が個々に
とても上手く隠した面白い作品集だった。
不器用だけど、愛が溢れる「水彩画」が好き。
もう少し早く、真実を知らせてあげて欲しかったけど。
そして、すべての作品に九通のアイテムが一つ。
それを探したり、感じたりしながら読む。
これまた楽し。
こうなると、
俄然、この前に出ている2冊を、読みたくなるよね。 -
女流作家たちによるアミの会(仮)アンソロジー。
今回は「隠す」がテーマです。
それぞれ、ほんわかだったり、ブラックだったり、しんみりだったり。いろいろ楽しめるのがアンソロジーの良いところのひとつです。
今回、ドキドキ楽しめたのがこの3つ。
柴田よしき「理由(わけ)」
永嶋恵美「自宅警備員の憂鬱」
近藤史恵「甘い生活」
じんわり良いなぁ〜と思った2つ。
大崎梢「バースデーブーケをあなたに」
加納朋子「少年少女秘密基地」
好きな作家さんの作品がやっぱり好みにあってるみたいです。
永嶋恵美さんは、ほかも読んでみたいです。 -
「隠す」をテーマにしたアンソロジー。実はもう一つ、共通したものもあるそうですが。案外気づきやすいです。ただし、わかりにくいのもあるので。どこに出ているかを探すのも楽しいかも?
お気に入りは近藤史恵「甘い生活」。この主人公にはもう読んでいていらいらしっぱなし。やっぱりこういう性質の人は駄目ですねえ。でもまさかこういう結末にまでなってしまうとは。ブラックだけれど、小気味よいと言えないこともありません。
柴田よしき「理由」も好き。なんてったって麻生刑事だし! 一見地味に思える物語だけれど、じわじわとくる読後感です。 -
2017.5.25.読了アミノ会(仮)に属する作家さんがたちの豪華な短編集。面白かった。
「理由」柴田よしき…傷害事件の動機を最後まで隠して言わない犯人のイラストレーターの謎。
「自宅警備員の憂鬱」永島恵美…不登校の姉が暴いた弟のトラブルの謎
「誰にも言えない」松尾由美…ホストファミリーが急に冷淡になったと訴える留学生。その真相は?
「撫桜亭奇譚」福田和代…裏山に埋蔵金が埋まっていると掘り続けていた父親の真の動機に潜む狂気。
「骨になるまで」新津きよみ…実は祖母は子供を嫁ぎ先に残して離婚していたことを知った孫が暴く祖母の死因の謎。
「アリババと四十の死体」
「まだ折れていない剣」…光原百合
アリババと四十人の盗賊の新たな解釈。もう一つは元の話を知らないのでわからない
「甘い生活」近藤史恵…幼い頃から人のものを欲しくてたまらなくなり取ってしまう女の子の恐るべき末路。
「水彩画」松村比呂美…幼い頃から画家である母親に疎まれて育った娘。母がそのような態度をとった理由。
「少年少女秘密基地」加納朋子…
「心残り」篠田真由美…一枚の古い紅い櫛が語る
持ち主の秘密。 -
アミの会(仮)アンソロジー、第3弾。
今回のテーマは【隠す】
その他に一つのサービスというか遊び心として、一つの共通のアイテムが隠されている。
作品の掲載順位に、その隠れ具合も少し影響しているかもしれない。
最後のは堂々と主役を務めているし、最初のは「どこに出てきた?!」と読み返してしまったもの(笑)
今回は、執筆者11名と、今までで一番多いので、短い作品が多い。
その中でキラリと光らせオチをつけるのはなかなか大変だろう。
大崎梢さんの話はとても温かく切ない。
永嶋恵美さんのはテンポ良くハラハラして面白かった。
新津きよみさん、切ないなあ…
加納朋子さん、元気でカワイイ!
篠田真由美さんはいつもながら世界観の中に引き込まれる。
次回のテーマは何でしょうか?
『理由(わけ)』柴田よしき
『自宅警備員の憂鬱』永嶋恵美
『誰にも言えない』松尾由美
『撫桜亭奇譚』福田和代
『骨になるまで』新津きよみ
『アリババと四十の死体/まだ折れていない剣』光原百合
『バースデイブーケをあなたに』大崎梢
『甘い生活』近藤史恵
『水彩画』松村比呂美
『少年少女秘密基地』加納朋子
『心残り』篠田真由美
松村比呂美さんは、いつものドロドロ来るか!!
と思ったら、切ない系でした。 -
そしてこの本にも何かが隠されていた
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普段読まない、たくさんの作家さんのお話を
読むことができて楽しかったです
短編なので嫌になるまえに読み終わるので素敵
バースデイブーケのお話が一番好きでした
自分自身の力で素敵な誕生日をおくれるんですね -
「隠す」というテーマは、どうしても、罪や後ろめたさや妬みなど負の感情と相性がいいようだ。ハートウォーミングは分が悪い。ハートウォーミング系では唯一加納「少年少女」はさすがだったけれども。
秀逸だったのはなんと言っても近藤史恵!ダントツの出来。
なんて怖い話を書くんだろう。結末よりも、女によくあるこの感情をえぐり出したことが恐ろしい。
福田「撫桜亭奇譚」も耽美でゴシックで、よい。
光原「アリババ」も組み直しが巧く、面白かった。
篠田「心残り」はラストにふさわしい。
後書きで言われるまでもなく3本目あたりで、あれ?もしかしてこれ共通アイテム?と。昨今ではむしろ珍しいアイテムだから、読んでいて小さな違和感が起こる。