イギリスはおいしい (文春文庫 は 14-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167570026

感想・レビュー・書評

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  • イギリスは美味しいって…ほんまかいな?と思いつつ読みました。ら、やはりあまり料理はおいしくないそうで。塩味が足りない、食事が単調、と言う辺りで昔イギリスで下宿していた方(日本人)が毎日マカロニだかニョッキだかのうでたのが夕食でしかも味が無いので醤油だか塩だかをかけ過ぎて帰ってくる頃には危険領域まで行っている高血圧になってしまった、と言う話を思い出しました。

    この本を読むと食べ物が何だ、それぐらいイギリスの魅力でカバーだ、と言う意志がひしひしと伝わってくるような気がしました。面白かったです。

  • ロイヤルウェディングのとき、本屋にイギリス棚が出来てて、一番面白そうだったので買った。

    どうでもいいけど、本開いて真っ先にまずい描写ってのがいいな(笑)!

    私のイギリス好きは、あくまで本の上のことなので、いいことしか印象にないんだよなあ。きっかけは緑色の休み時間という子供の頃読んだ本。あとは秘密の花園とか、紅茶の本とか、ハリーポッターとか、本以外ではキャスキッドソンとか。
    そのへん見てるだけじゃ、気にならないんだよね。それどころか、気になるんだ。メアリーが食べられなかったポリッジってどんなだ?とか、ハリポタのお菓子気になるな、とか。紅茶の本に載ってるお菓子、みんな美味しそうだし。なかないでストレイシープのごはんやパーティーも美味しそうだと思ったし。中世メイドのレシピ見ても割と食ってみたいなあ、と思ったし(笑)。

    ああ、本当にまずいんだ!と思ってしまった(笑)。
    美味しそうなことも載ってるのに、まずそうなことの方が印象的(笑)。
    だけど面白いし、嫌いにはならないんだよなあ。

  •  しょっぱなからイギリスのまずい料理の作り方が微に入り細に入り説明されている。そのレシピは、たしかに「こうしたら確実に不味い料理が作れる」という太鼓判を押したくなるものだ。そして、それと寸分たがわない料理に、たとえばパブのランチでお目にかかる。

     「イギリスはおいしい」というタイトルは、イギリス料理がまずかった時代だからインパクトがあったのだろう。いまの、本当に美味しいイギリス料理を知っている世代には「なんのこと?」という書名だ。でも、いまもパブや家庭料理で遭遇するイギリス料理は、驚くほど美味しくない。その料理を毎日選んで、笑顔ひとつ見せずに食べる。そんなイギリス人から見えてくるイギリスの姿は、逆説的においしい。

     この本がなければ、イギリスで出会った料理に失望して、イギリスが嫌いになってしまうかもしれない。でもこの本があると、その味の向こうにイギリスの良さが見えてくるはずだ。イギリスへの愛。この国の愛し方を教えてくれるこの本は、はじめて行く人には必携としたい。

  • しょっぱなからイギリスのまずい料理の作り方が微に入り細に入り説明されている。そのレシピは、たしかに「こうしたら確実に不味い料理が作れる」という太鼓判を押したくなるものだ。そして、それと寸分たがわない料理が、たとえばパブのランチでお目にかかる。

    「イギリスはおいしい」というタイトルは、イギリス料理がまずかった時代だからインパクトがあったのだろう。いまの、本当に美味しいイギリス料理を知っている世代には「なんのこと?」という書名だ。でも、いまもパブや家庭料理で遭遇するイギリス料理は、驚くほど美味しくない。その料理を毎日選んで、笑顔ひとつ見せずに食べる。そんなイギリス人から見えてくるイギリスの姿は、逆説的においしい。

    この本がなければ、イギリスで出会った料理に失望して、イギリスが嫌いになってしまうかも知れない。でもこの本があると、その味の向こうにイギリスの良さが見えてくるはずだ。イギリスへの愛。この国の愛し方を教えてくれるこの本は、はじめて行く人には必携としたい。

  • 図書館から借りました

     エッセイ。風土紀?

     イギリスの食べ物の話。
     最初は、まずい物の話が続く。

     イギリス人は料理に「手間」かけない。
     塩味と食感に対するセンスというかこだわりがなくて、「やたら薄味(でも唐突に塩辛い料理も出る)」で、「野菜はくたりするまで煮込む(煮込みすぎるほど煮込む。40分ぐらいなんでも煮込む)」
     ヴィクトリア時代で、料理への探求を終わらせてしまっているらしい。
     なんだか、好きかもしれない、この考え方。下宿人への料理に毎日ベークド・ビーンズと、まずいソーセージを毎日食べさせる理由。ベークド・ビーンズは「缶詰」で売っていて「暖めれば料理として出せる」。ゆえに、毎日毎日。。
     え。。
     下宿人に気を遣わないらしいな。

     スコーンの作り方や、アフターヌーン・ティー、サンドイッチ。
     美味しそうなレシピも、描写も後半はいっぱい。料理に手間はかけないけれど、お茶に添える(というかお茶が沿う?)菓子は大好きイギリス人。
     読み終わったあとで、表紙の絵をじっくりと見ると・・・。
     すごく美味しそう。

  • 美味しさの表現も、まずさの表現も上手いから、どっちも食べてみたくなる。

  • 著者は,ケインブリッジ大学図書館が所蔵する和漢書目録を編纂するためにケインブリッジに滞在した.その時の体験を基に書かれたエッセイで,一躍ベストセラーとなった.西欧の視点から日本を見直すと,今まで意識されなかった日本の日常の中にいろいろ発見されることがわかる.夏目漱石を擬した文体も氏のエッセイの魅力の一つである.重い内容の本は苦手であるという人に西欧との比較を通した日本文化理解へのきっかけとなる軽い読み物として勧める.(2011:小林茂之先生推薦)

  • リンボー先生の著書の中でとりわけ好きな一冊。
    先生の本を未読の方は、まずはこちらから♪とお勧めしたいです。
    気持ちが重くなる本って、ありますよね。
    この本は、気持ちが軽くなる本かな。
    イギリスの美味しい料理を、紹介する本と思いきや、
    いかにイギリスの料理がまずいか力説されてます!

  • 私の英国好きに拍車をかけた一冊。
    リンゴの食べ方は
    即イギリスで実行した。

  • イギリスの文化やイギリス人の考え方を、筆者の目を通じて知ることができる。
    食べることは生きることの基本であるから、日本との違いは当然だが、イギリス流儀から、逆に日本独特なものもあぶり出されてくるから面白い。

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著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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