ガセネッタ&シモネッタ (文春文庫 よ 21-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167671013

感想・レビュー・書評

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  • 言葉ってやっぱり奥が深くて、どうしようもない。
    世界の名作と呼ばれる作品のことなんかも、本当にそのとおりだと思ったし、触れた言語を絶対化していくのなんかもさもありなんと。

  • 『不貞な…』の直後に読んだので、多少重なる部部があり、前回ほどの感激はなかったものの、あっという間に読みきった。

    意思疎通を成立させる通訳という職業、米原さんのその語術はすばらしい。
    本作で「芋蔓式読書」の章が突然ですます調で書かれていた。文体が変わるだけでこんなに文章がかわってしまうんだ。この一章だけ、米原さんへの思い描いていたイメージがガラッと変化した。

    原発言者の言葉をイメージどおりに外国語へ転換する。そんな大それた通訳という仕事を面白く垣間見れる一冊。

  • 同時通訳で困るのは笑いを訳すること。特にダジャレは同時通訳泣かせ。その一方、下ネタについてはそのまま訳せば、笑いが取れることは万国共通らしい。しかし、どこまで正確に訳すかが、迷うところ。そんな憎むべきダジャレと下ネタを愛する同時通訳者、米原万里の語学エッセイ。

    著者の通訳者としての師匠「シモネッタ」が登場する軽妙なエッセイから始まるが、しだいに内容は語学教育や日本語論へと移る。バラバラに発表されたエッセイを無理矢理収集しているので、本としての統一感がなくて、読むのに苦労する。個々のエッセイは笑うところも、考えさせられるところもあり、楽しめるだけにもったいない編集だ。

  • 2、3ページほどのエッセイをまとめたもの。
    どれも短くも面白いのだが、結構著者の別作品で取り扱っているテーマが多い。

  • 日露通訳の米原万里さんのエッセイ。通訳業、そして言葉に対する深い思い入れが随所に出ていて、改めて尊敬しました。早逝が惜しまれます。ところで、この本を登録しようと「シモネッタ」で検索したら、米原さんが師匠と呼ぶ田丸公美子さんの著書が沢山見つかりました。今度読んでみようかな。

  • 米原万里、いいかも
    普通におもしろい 良エッセイ

  • 英語の偏重主義など、ひざを打つ下りが多い。「国際化」へのアンチテーゼも。「不実な美女か貞淑な醜女か」を読みやすくしたような感じ。

  • 思わず笑ってしまうような、米原さんの脳味噌の中をのぞいたような内容で面白かったです。米原さんが普段こんなことを考えているんだなぁーと思いながら読んでいました。

    時々対談形式が入っていた個所は面白くなかったのですが、それ以外の部分は面白かったです。

  • 米原万里エッセイ。
    私の大好きな田丸さんがちょこっと出てくる。

    通訳が遭遇した悲喜こもごものエピソード。

    田丸さんのエッセイはひたすら笑いがこみ上げる、柔らかなものだけれども、
    米原さんはウィットに富んでいてかなり苦味が効いている。

    ちょっとくどいなあというロシア語りなどもあり、
    あっさり楽しくが趣味の私としては冗長な部分はあったものの、
    文学する人は大好きだろうなと思う。

    ただ、端々でとても琴線に触れる表現や思考が垣間見え、米原さんのすごさがにじみ出ている。
    読んでよかったと思う一冊。

  • ロシア語通訳・翻訳者、米原万里さんのエッセイ。この方のエッセイを読んでいると、そのクレバーさに頭が下がる。
    でも、このエッセイは書きおろしじゃないためか、ブツ、ブツ、と途切れているのでイッキ読みよりも、だらだら読みによかった。

    チェーホフやトルストイの容貌と作品の解釈で
    「作品の長さは、作家が女を口説き落とすまでにかかる時間に比例する」
    …なるほど、と、作家を思い浮かべてみたりして。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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