烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫) (文春文庫 あ 65-2)

著者 : 阿部智里

• 文藝春秋 (2015年6月10日発売)

感想・レビュー・書評

[mitsukiさんの感想 · 2015年6月21日]

いいねー。いい感じにクロイ！

一作目「烏に単は似合わない」を偶然にも手に取った幸運が続いている。
あの、ゾクッと感。続編を今か今かと待っていたのでした。

宮廷ファンタジーと言ってしまえば簡単なんだけど、八咫烏（ニンゲン）の設定、四家と宗家の為す山内の世界観。
きっちりと組み上げられた舞台の中で、黒々と某略思い巡らす感じ、異常に面白い。
今作は若宮側。まあ、男ばっかりが残念。白珠ちゃんほとんど出番なしだし。←仕方ない。

まだまだ、文章からは若い感じも受けるのだけど、次作も絶対読むだろうな。
一作目とは表裏一体な内容なのだが、どちらから読んでもネタバレは殆どない所も、素敵。（わかって読んでニヤリとはするけれど）

烏は主を選ばない。
なるほどね。
さてまた、しばらく待ちますかー。

[カイさんの感想 · 2023年4月6日]

「烏に単衣は似合わない」の裏で何が起こっていたか、のお話。もう上下編にしちゃってもいいんじゃないか。
しばしば不在の若宮が何を考え何をしていたのかがわかる。
まあ面白いけれど、ラストの登場人物たちが自分の考えを延々と語るところは嫌い。一番言いたいところなのかもしれないが、はっきり言って青臭くてしち面倒くさくて長くてつまらない。

[まりのすけさんの感想 · 2022年4月14日]

前作「烏に単は似合わない」読了後、すぐに本書を購入。そしてあっという間に読了。
シリーズ作は、1部だけ読んで終わってしまうことが多いのでここまで沼にハマれて、またそんな作品と出逢えて嬉しい。

本作では、謎に包まれた若宮の正体？というか真の事情を知ることができたので、とてもスッキリした。いやー魅力たっぷりの若宮。惚れてまう。。
前作の華やかで壮絶な女バトルも良かったが、本作の陰謀や裏切りの匂いがぷんぷんする、アグレッシブな感じも、いい意味で前作とはガラッと雰囲気が変わって新鮮なまま楽しめた。

【評価に関係ない話】
ここでとても残念なお知らせ…本日読了し、学校の帰りに第3部を手に入れようと、わざわざ途中下車して寄った書店。なんと私の欲しい3部だけ在庫切れという始末…明日…絶対買うぞ。。待ってろ、、

[まるさんの感想 · 2024年2月3日]

あなたのために、なんて言うやつは信用ならない。
本当に信じて良いのは己の心のみ。
そんな世界だからこそ「お前は信用できる」という言葉が輝くんですねえ。

演技でボンクラになれるくらいに器用で賢くてヒネてるように見える雪哉が、山内に渦巻く陰謀で揉まれるうちに道理だけでは割り切れない年相応の純真さを持ってることがわかってきちゃうのが、なんとも可愛くて切ない。いや可愛いのは序盤からわかってたよ、わかってたけど。
1番kawaiiポイントは大紫の御前に誘われたときに欲しいものとして1に母の手料理、2に金柑を（内心毒突きながら）挙げちゃうところですね。コイツ思ってたより絆されとる！
ラストの取引もよかった。やっぱり雪哉は賢い子だよ。

長束様のことを気に入ってたから中盤で突然阿保そうな会話始めた時は心配になったけど終盤にはカッコいいところを見せてくれたのでよかった。ヒールはこうでなくちゃね。でも最終的には、なんかかわいい人だな？という認識になった。今後の活躍に期待しておきます。

[3ruさんの感想 · 2023年10月12日]

前作、「烏に単は似合わない」の若宮側の話。

若宮がとった行動の意味が、前作と繋がって面白かった。続編も読みたい。

[Ｒitaさんの感想 · 2023年8月6日]

八咫烏シリーズ2作目。若宮の后選びで姫達が荒れに荒れてた1作目、その時若宮は何をしてたかが今作で明らかに。若宮が深掘りされてたのが良かった、そして何より近習の雪哉がとにっかく好き。今後のシリーズにも是非出てきてほしい。

[でつさんの感想 · 2023年6月11日]

八咫烏シリーズの２作目。

ホラーでも無いのに、怖っ……という印象を植え付けられた前作とは打って変わって、冒険譚のように楽しめた。
時系列は前作と被っているというか、前作の内容を別の視点から描いてるので、話が進んだわけではない。
なのに、面白い。
前作ほどでは無いにせよ、予想を裏切られる展開もあって、またやられたなーなんて楽しみ方もできる。

また、今作の主人公である少年が良い意味で曲者。
そんな少年と若宮の軽快な掛け合いも、前作では全く無かった要素の一つ。
舞台も前作ではほとんどが姫たちの住む桜花宮だったのに対し、今作は若宮の住む招陽宮から、朝廷、花街、山間など盛りだくさん。
今作の方が素直に楽しめる要素というか、エンタメ感が強い。
今作の方が人気なのも頷ける。

東家の恐ろしさは、「最後まで去就を決しない」という、徹底した日和見主義にある。
という若宮の台詞に、思わずゾクリ。
前作の衝撃、まだ引きずってるみたい。

[Saltさんの感想 · 2023年4月8日]

2023.04.08

昨日やっとシリーズ1作目を読み終え、そのまま2作目へ。
1作目よりテンポも、人物も魅力的。デビュー作より、向上している！
子どもの世話そっちのけで夢中で読みました。


1作目はお妃様選びで、前半はだるくてなかなか進まなかったけれど、今回は男たちのハードボイルドな政の駆け引きがテンポ良くあっという間に読み終えた。1作目では唐突に現れた若宮がイキがってる嫌なやつ、という印象だったのが、2作目を読んでみて、ほほお、なるほど。こういう事情だったからなのね〜と納得。
間髪入れずに3作目も読みます！

[ひろさんの感想 · 2023年3月23日]

前作では後味の悪さからもう読まないかもしれないとまで思いましたが、たまたま目にしたあらすじを知って面白そうと手に取り、あっという間に読み終わりました。前作とは打って変わってとても面白かったです。若宮と雪哉の掛け合いが最高でした。次巻も読みます。

[あけあけさんの感想 · 2023年3月2日]

若宮と雪哉の駆け引きな会話が面白い

著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』（NHK出版）刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない（4）』 で使われていた紹介文から引用しています。」