殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198933678

感想・レビュー・書評

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  • 3.4
    フジコの行動はただただ短絡的で衝動的、感情的であり愚かだ。このまま終わるのかと思ったら最後にどんでん返しがあった。インタビューインセルも読みたいと思った。

  • 最初から『最後』まで読んでほしい!
    イヤミス好きにはたまらない鳥肌エンド。主人公はなぜ殺人鬼になったのか。連鎖する負のDNA。そして最後の最後にほんとにゾッとする!

    実は真梨幸子を林真理子と空目して間違えて買った本だったけど、買ってよかったです。

  • 「何これ…読まなきゃ良かった。」と何度も思いながら、結局読了。ものすごくイヤな気持ちにさせられたけど、あとがきまで読んで「あれ?面白かったかも…。」に変わりました。こういうひっくり返し方は好きです。メインはあとがきで、ながーい前フリだったなぁ…という感じがしました。

  • ページを捲る手が止められず、1日で読了してしまった。
    こんなにのめり込んで読んでしまう作品は久々。

    メインで描かれる「フジコ」の章は最初に語り手であった女の子のその後の人生の話だとばかり思い、
    その母親だとは思わず、このミスリードの仕掛けもすごいと思った。

    似たくない、同じじゃない!と思うばかり、その似たくない母親像が頭にこびりつき、知らず知らずのうちに同じ道を辿ってしまうフジコ。

    結果として娘のサキコも不幸な最後になってしまい、どうにかこの負の連鎖を断ち切れないのかとフィクションだと思っても願わずにはいられなかった。

    また忘れた頃に読みたい、と思うほどよかった。

  • おもろすぎて本を捲る手止まらん止まらん
    最初の方の、子供時代のいじめ描写は本当に気持ち悪くて吐きそうになったけど、、、

  • 一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。人生は、薔薇色のお菓子のよう…。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか?
    あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリー。最後の一行を、読んだとき、あなたは著者が仕掛けたたくらみに、戦慄する!
    給食費も与えられない理不尽な虐待を受ける家庭に育ち、「人生は薔薇色のお菓子のような物。苦い所は人に与えてしまえばいい」をモットーに邪魔者を次々に15人もの老若男女を殺した「殺人鬼フジコ」と呼ばれた女性の生涯をある人が記録小説にして、その記録小説を託された作家が「殺人鬼フジコ」の真相を暴くという二重構造のミステリーになっており、アクの強い登場人物やいじめや人間関係の中の力関係や殺人のエグい描写が人間のダークサイドを容赦なくえぐり出しています。最終章の真相のドンデン返しは、まさに衝撃的です。

  • なんとなく題名を聞いた事があり気になり買った一冊。

    殺人鬼フジコとその家族の話だった。

    結構キツイ内容だった。

    いじめは胸くそ悪いし
    死体処理は気持ち悪いし
    フジコには共感できないし

    話の最後ははっきり言って意味がわからなくなった。
    え?なんでまたK君?
    叔母?大叔母?

    2、3回ほどあとがきを読み、また話冒頭あたりを読み返してやっと意味がわかってきた。

    冒頭になんでいじめを受けてる子の名前がでてこないのかが疑問に思ってたが、その理由がわかり話の最後の部分のごちゃごちゃしたのが理解できた。

    そして最後の最後にまたびっくりさせられる。

    結局はみな踊らされてた?金の為に
    そう考えると壮大な話に感じる。

    読んでるときはクソみたいな女の話しだと思っていたが、読み終えなんとなく理解できたらジワジワこの話しの凄さがわかってきた小説でした。

  • 毒過ぎる……
    K君 茂子 クーコ 裕也 杏奈…… 出てくる人 皆 どこかオカシイ。

    そして何より 子供の虐待-育児放棄 子供同士のイジメ(イジメゎもぅ犯罪だと思ってる)が辛過ぎる……
    なのに 次へ次へ 読みススメてしまう 恐るべし【真梨毒】

    2008年に発売されたそぅですが、今の宗教問題 も相まって さらに恐ろしさや辛さも 割り増しされた。

    唯一の「チツジョ」だと 思ってたコサカさんまで壊されてたのかっ……っと 思うと 本当に救いがなぃ。

    真の黒幕は? カルマ(業)とは?

    そして 最後のもしかしたら 見逃してしまうかも知れない 地方紙の記事だけが この物語を違った視点で捉えさせ、フジコも早季子も 少しだけ 救われる。話(人生)だったのだなぁ……っと同時に「バレなきゃ悪じゃなぃ」まだ先がある恐怖に戦慄した。

    真梨 先生の幾重にも仕掛けられた毒にもぅ 抗う事ゎ出来ない。

  • ずっとモヤモヤした気持ちのまま、気付けば読み終わってた。
    藤子を含め、殆どの登場人物が酷い。…モヤモヤ。
    抗おうとしても背負ってしまうカルマ?それって一体何?どれだけ人を殺しても、どこまでも哀れな藤子。怖いよ。…モヤモヤ。
    そして、あとがきでの衝撃。だが、はっきりとした事実はわからない。…モヤモヤ。

  • 人に勧めるのは勇気がいるので1個減らした。
    でも苦手でも1回読んでみてもいいかもしれない。その上で好き嫌い決めればいいのだし。それでもおいそれとは勧められないな。

    場面の切り替わり方が、とても映画的だと思った。おかげで映画は観ていないが想像もしやすかった。20歳になる前が濃すぎて、20歳になってからもフジコから目が離せなかった。
    そして、ゆくゆくはこの男も墜落するのだろうなと思っているとやっぱりそうなる。人生は環境だけのせいではない。本人も執着やコンプレックスから離れられなかった。それはまさにカルマのようなものだったのだろうが、この畳み掛ける環境の攻撃は少しばかり同情してしまう。同情どころか、なぜか自分がその境遇に置かれているような気さえしてくる。いつしか同情から同調になり、フジコが私自身になりそうな感覚にも襲われる。

    一人称と三人称の使い方がとても効果的。ずっとチラホラ出てくるコサカさんの母が、なるほどそういうことだったのか。ページが進めば進むほど、母親のようになりたくないとフジコが思えば思うほど、読者が案ずる方向へ展開が進んでいく。そこで結末を迎えないところがさすがだ。
    そしてさらなる結末。もう一度驚かされることになろうとは。

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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