- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309408149
感想・レビュー・書評
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倉橋由美子『大人のための残酷童話』の解説に「おとぎ話は平凡な主人公が奇妙な世界を冒険するから面白い。それに比べて現代小説はつまらない。異常な主人公が退屈な世界で何をしようというのか。」というようなくだりがあった。
少し変わっていると言えなくもない主人公。特に修羅場もなく淡々と進む世界。薄い話と言われるとそうだと思う。繊細な気持ちを丁寧に散りばめた話と言われても同意できる。
ドラマもなく、主義主張もなく、怒りも憎しみも熱さも覚悟も愛もない。「切ない」という言葉がぴったりなのだが、恋の終わりの寂しさなのか、熱くなることがイタく、恥ずかしく、見苦しくなった時代に、辺りの様子をうかがいながら、目立ち過ぎないよう、埋もれないように生きていかなければならなくなってしまった世代への同情なのか。 -
専門大美術大生と講師の不倫の話
40代の化粧っけのない『ゆりちゃん』と呼ばれる人とアトリエでセックスをする
何もできないゆりちゃんにかわって色々してあげたりする。結局関係は、旦那とゆりちゃんが海外に1ヶ月旅行に行くってなって関係は、おわる。料理のうまい熊さんみたいな旦那さんは、すごくいい人でご飯にこの主人公を誘ったりする。なんか、こういう関係って男の子が本気になってガムシャラになってかわいい
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すぐに読みきれる。
タイトルにインパクトがありすぎるから
内容に少々期待を込めすぎたかもしれない…。
リアルってこうだよなあとも思う。
好きになってしまった人に相手がいるだけの話なのだ。
好きになってしまったらもう止められないのだ。
誰かと自分は傷つくけれど。
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他の作品はいくつか読んでいたのだがこちらも手に取ってみた。
さらさらと透明感のある文章で最後まで読めたがとても感情が動かされた。
なぜミャンマー。 -
2018.1.19-
山崎ナオコーラさん、初読み。
すごくすごく、サラサラとしたお話でした。どうしようもない感じが、いとおしくて痛くてピリピリした。
夢を見てしまいそう。。 -
非常にソフトアンドウェットな作品でした。
キーワードは「湿っている」
なに一つ女性がなにを考えているかわからないまま。わずかな渇きと湿りだけ察する。話も、渇きと湿りという二つの気配を明確に描き出すものの、人間の心理や背景とかは明らかにされることはない。
そう、現実世界には回想もなければ、自分語りもない。はたから見ればドラマチックですらない。ただ湿りと渇きのコントラストしかない。 -
19歳の俺と39歳のユリとの恋愛ものがたり。淡々と話が綴られててとても読みやすかった。2人が惹かれあってから離れてしまうまでの心の具合の描き方が絶妙な感じ。これ以上詳しくてもこれ以上曖昧でもダメで、これ位が丁度いいのかな〜と。
短編の虫歯と優しさも良かった。 -
理解するのではなく、受け容れる、ということを考える。