人のセックスを笑うな (河出文庫 や 17-1)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408149

感想・レビュー・書評

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  • 19歳の主人公は20歳上の女性と恋に落ちるが、相手には旦那がいた…という世間的には受け入れられないような関係が、こんなにも煌めいて見えるのはなぜなのか。 不倫はうまくはいかないと分かっていたとしても、流れていく関係性に、僕たちは読む手を止めることはできない。 気持ち悪いと言う人もいるだろう、一瞬の煌めきで忘れ難い恋愛だと言う人もいるだろう。 どのような意見があったとしても、文学として評価され、現実でも度々目にするような関係性に、他人は何も言う資格はないと思う。 普遍性があるなぁ。

  • 題名から受ける衝撃ほどはなく、むしろ美しい文体な印象。
    絵画の講師と生徒の恋愛。ただセックスも絵画の上達もない、作り過ぎた鍋に蓋をしたように先の見えない2人の関係性…
    危うさを含むリアリティ
    読みやすかったです

  • 図書館で読んだ本。泣いた、不意打ちでした。これは本棚に置く。
    映画もみようかな。

  • 素晴らしかったです。 何が素晴らしいって言われると上手く説明できませんが...。 強いていえば、言葉選びのセンス、物語の構成が好きで凄いなと思いました。

  • グッときた、刺さった。かなり良かった。

    発表当初、作品も作家も名前がキャッチ―だしとても話題になっていたが、天邪鬼な私は流行りものには手を出さない。今春やっとナオコーラさんの園芸エッセイを読み、ファンになり、このデビュー作に手を伸ばした。いやー、もう拍手喝采であります。

    タイトルから、てっきり年の差恋愛をからかわれたという話かと思ったら、そうではなかった。恋の話。あわせて収録されている短編も同様に恋の話で、同じく拍手喝采なのだけど、両方共最後に主人公と恋人が別れてしまう。

    私にも今恋人がいます。いつかきっと彼らと同じような気持ちになるのだろうと、悲しい気持ちになりながらページを進めました。

    彼がおじいちゃんになった顔はわからないんだな、とか。(でも、元同僚とかのツテで10年に1回でも会えないかな、とか)

    お別れしても「●●さんは素敵な人だったな」ってことを思っていることにします、とか。(彼は素敵な人なのか?カッコ悪いところもいっぱいある、とか)

  • 不倫ものなのに、さわやかな風が終始吹いている春みたいな小説。

  • とても読み易くて、乾いているけど濡れているようなそんなお話。なぜこのタイトルなのか結局わからなかった

  • 映画を観ようか小説を読もうか、どっちを先にしようかだいぶ悩みました。
    小説が先に読めてよかったな、と思える素敵な作品でした。
    読みながら永作さんの顔は浮かんでしまったのですが。
    思っていたより短くて、なんだか軽い(内容が軽いわけではないんだけど)さり気ない、なんだかそんな感じ。

    一重だし丸顔だし肉付きは良すぎるし、理想とぜんぜん違う。 

    「恋してみると、形に好みなどないことがわかる
    好きになるとその形にこころが食い込む 」

    うんうん。

    そうやってじわじわ心に沁みこんでくるような作品でした。

  • p.60「しかし恋をしてみると、形に好みなどないことがわかる。好きになると、その形に心が食い込む。(略) あのゆがみ具合がたまらない。忘れられない。」

    p.73「布団の国のお姫様と王様の気分で眠った。」

    題名のドキッとする感じとは裏腹に、切れ切れに男の子の思いが綴られる、素朴な恋の話。

    心をえぐってきたり、バチンと目が覚めるようなことなんて一つもない、むしろありきたりな表現なんだけど、そこが良い。ポエムの寄せ集めにしては、イタくない。暖かい。

  • 発表された当時(2004年ということか)話題になったことは覚えている。タイトルといい、作者の名前といい、記憶に残るヘンテコなものだったから。

    それから17年経って手に取るとは思わなかったけど…。
    今読んでも古くない。
    それどころか先をいっている感じか。

    表題作は見た目ほど刺激のある内容ではなく、
    わたし的には「人の恋愛を笑うな」の方がぴったりな気がした。主人公の男の子の気持ちが最初よくわからず、相手のユリなんてさらにさっぱりわからない。
    男の子はちゃんとユリが好きだったんだな、それはなんだか、嬉しいな。でもこれからもっと女の子と知り合って恋愛もしていくだろうし、いずれそのうちの一つに混ざっていくだけだろうな、という気もする。

    なので、何が大賞を取る理由だったのかわからない。
    解説によると「センス」だとか女性作家が男性を一人称にして書いているからだとか言うけれど、なんか、そこ?って感じ。
    自分が読み取れていないだけだろうか。

    人に勧めもしない、
    きっと再読もしない、
    とりあえず「読んだことあるよ」だけの本になってしまいそう。

    表紙の写真は松山ケンイチと永作博美?

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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