人のセックスを笑うな (河出文庫 や 17-1)

  • 河出書房新社
3.38
  • (279)
  • (552)
  • (1079)
  • (199)
  • (48)
本棚登録 : 5383
感想 : 801
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408149

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 19歳の学生と39歳の女教師。
    二人の関係は不思議な空間と波間を漂うような感覚だった。
    それは、おそらく愛のようであっても愛でなく
    恋のようであっても恋でない、と私は思う。
    おそらく、ユリはそれに気付いている、と思う。

    だけど、きっとそれが恋と愛だと言いたいのだ、
    というのもわかる気がする。

    青年が、
    「寂しさを無理に解消しようとしないで、
    じっと抱えて過ごしていこう」
    という、心の行き先に共感した。

    恋愛小説は苦手だ。

  • 2015.2.23読了
    これ、好きだなー。また読み返そう。

  • 2015.02.07読了

    19歳の男子美術学校生みるめが39歳の美術学校の油絵の講師ユリに恋をし、失恋する話。

    若いみるめの純な心とユリの自由奔放な性格が織り成す物語は透明感が高くて、淡い青のビー玉を覗いているような雰囲気を感じる。

    客観的に見るとユリは若い青年をたらしこんだだけのおばさんなんだけど、どこか憎めないし、みるめもきっとそれでいいと思っているはず。

    真剣な恋だったのだから。

  • ストーリーとしては正直ありきたりで少し物足りないのに、思わず涙が出そうになるほど表現が綺麗。
    「この寂しさやストレスはかわいがってお供にする。一生ついてきたっていいよ。」
    の一節が大好き

  • 難解な独特の詩を読んでいるよう。評価の分かれる作品だと思った。

    確かに短く表面上は読みやすいが、全然関係ないと思える1文に色々な仕掛けがあって、じわじわ効いてくるような作品。
    読者の、行間をすくい取れる読解力、経験値が問われそう。

    解説は…さぞかし書きにくかった事であろう。

  • 何気ない日常だけど、例えが面白くて、文も繊細で
    すごく読みやすかった。
    感じ方や解釈が人それぞれな作品だと思う。

    友達や好きな人にどう感じたか聞いてまわりたくなる作品。
    p60〜61の文が刺さりすぎて
    何度も読んでる。

  • 秋は好きですか?オレは夏が好きだから、秋は『終わり』のイメージです。楽しいことが終わって、ちょっと切ない。でもその、きゅんとする感じも悪くねえかなって

    大事な人と抱き合って新しい年を迎えるということは、陳腐なようでいて、実は奇跡だ。布団の国の王様とお姫さまの気分で眠った。

    鍋に蓋して置いて、知らないふりしているところが、二人の先々の暗示みたいだけどね

    オレじゃ力にならないかな?家に行って、親子丼作ってあげる。苦しい話だったら、避けてもいいよ。ただ側にいてお茶を飲んでよ

    オレはユリの顔を思い浮かべた。オレには彼女がおばあちゃんになった時の顔は、わからないんだな。でも、最後に会ったときのユリの笑顔は、残っていくんだな。しばらくしてから答えた。会えなければ終わるなんて、そんなものじゃないだろう
    花火の火は気まぐれに色を変えながら、違う花火に移り続けていく。

  • ただの一先生を次第に意識するようになり、一緒にいると包まれる幸福、思い通りにならない怒り、お互い冷めているかもしれないというぼんやりした自覚、やっぱり好きだという再熱、相手に必要とされてないことを悟る虚無。移りゆく心情が手にとるようにわかる…

    虫歯と優しさ
    優しいとかかっこいいとか頭がいいとか、そういうところが好きなんじゃなくて、例えば冷蔵庫に歯磨き粉を入れてるところみたいな、日々の何気ない仕草や言葉がどうしようもなく愛しくなるっていう感覚が愛するっていう感情なんだと思う。
    共感できすぎて切ない…。

  • 恋愛の複雑な感情をストレートに、わかりやすく表現している。とても共感できるし、人と人の関係で生じる全ては言葉で言い表せないのだと実感した。

  • 磯貝くんの言葉ひとことひとことがとっても好き。芸大を舞台にした作品の雰囲気も好き。

全801件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山崎ナオコーラの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
角田 光代
劇団ひとり
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×