- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309408149
感想・レビュー・書評
-
19歳の学生と39歳の女教師。
二人の関係は不思議な空間と波間を漂うような感覚だった。
それは、おそらく愛のようであっても愛でなく
恋のようであっても恋でない、と私は思う。
おそらく、ユリはそれに気付いている、と思う。
だけど、きっとそれが恋と愛だと言いたいのだ、
というのもわかる気がする。
青年が、
「寂しさを無理に解消しようとしないで、
じっと抱えて過ごしていこう」
という、心の行き先に共感した。
恋愛小説は苦手だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015.2.23読了
これ、好きだなー。また読み返そう。 -
ストーリーとしては正直ありきたりで少し物足りないのに、思わず涙が出そうになるほど表現が綺麗。
「この寂しさやストレスはかわいがってお供にする。一生ついてきたっていいよ。」
の一節が大好き -
難解な独特の詩を読んでいるよう。評価の分かれる作品だと思った。
確かに短く表面上は読みやすいが、全然関係ないと思える1文に色々な仕掛けがあって、じわじわ効いてくるような作品。
読者の、行間をすくい取れる読解力、経験値が問われそう。
解説は…さぞかし書きにくかった事であろう。 -
何気ない日常だけど、例えが面白くて、文も繊細で
すごく読みやすかった。
感じ方や解釈が人それぞれな作品だと思う。
友達や好きな人にどう感じたか聞いてまわりたくなる作品。
p60〜61の文が刺さりすぎて
何度も読んでる。
-
秋は好きですか?オレは夏が好きだから、秋は『終わり』のイメージです。楽しいことが終わって、ちょっと切ない。でもその、きゅんとする感じも悪くねえかなって
大事な人と抱き合って新しい年を迎えるということは、陳腐なようでいて、実は奇跡だ。布団の国の王様とお姫さまの気分で眠った。
鍋に蓋して置いて、知らないふりしているところが、二人の先々の暗示みたいだけどね
オレじゃ力にならないかな?家に行って、親子丼作ってあげる。苦しい話だったら、避けてもいいよ。ただ側にいてお茶を飲んでよ
オレはユリの顔を思い浮かべた。オレには彼女がおばあちゃんになった時の顔は、わからないんだな。でも、最後に会ったときのユリの笑顔は、残っていくんだな。しばらくしてから答えた。会えなければ終わるなんて、そんなものじゃないだろう
花火の火は気まぐれに色を変えながら、違う花火に移り続けていく。 -
ただの一先生を次第に意識するようになり、一緒にいると包まれる幸福、思い通りにならない怒り、お互い冷めているかもしれないというぼんやりした自覚、やっぱり好きだという再熱、相手に必要とされてないことを悟る虚無。移りゆく心情が手にとるようにわかる…
虫歯と優しさ
優しいとかかっこいいとか頭がいいとか、そういうところが好きなんじゃなくて、例えば冷蔵庫に歯磨き粉を入れてるところみたいな、日々の何気ない仕草や言葉がどうしようもなく愛しくなるっていう感覚が愛するっていう感情なんだと思う。
共感できすぎて切ない…。 -
恋愛の複雑な感情をストレートに、わかりやすく表現している。とても共感できるし、人と人の関係で生じる全ては言葉で言い表せないのだと実感した。
-
磯貝くんの言葉ひとことひとことがとっても好き。芸大を舞台にした作品の雰囲気も好き。