- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309408149
感想・レビュー・書評
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19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさがオレを駆り立てた…
美術専門学校の講師ユリと過ごした日々をみずみずしくかいた小説。
言えば不倫だが、後味は悪くはない、でもぽっかり穴があいてしまったような感じが残る小説。
さくさく読める。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの意味は、他人の~、でなく、人間の~、だった。
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かつての恋人と、とても親密だった時にうまれる他愛も無いエピソード。もう二度と戻らない時間を思う切なさ。そんなものがたくさん散りばめられた小説でした。
巻末の高橋源一郎さんの解説も、新たな視点が得られて面白かった。山崎ナオコーラは半分男である、と。 -
ライトにサラっと読めた。
でも、センスがいいと思う。
なんだろう。
行間に漂う奥深さかな
絶妙な気怠さだな(^^)/
うん、良い! -
セックス!!!!!!!!
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なんとなく読まず嫌いしてたナオコーラを初めて読んだのだけれど、思っていたほど嫌じゃなかった。
芸術家を描いた話だからかたびたび宇宙に飛んだような表現があるが、なんというかとても好きな文章でした。 -
何年か前に、先に映画を見た。それとは世界観が違ってた、原作。
気づいたら20歳差の恋が始まっていて、いつのまにか終わっていた。 -
仕事帰りに同僚と寄ったバーのマスターが好きな本って話題になって再読。
シュチュエーションとは裏腹に、登場人物が切ない感情を誰も荒げる事なく淡々とストーリーが進んで、なんだか詩みたい。
昔読んだ時は、主人公のみるめ君に想いを寄せるえんちゃんの気持ちが痛い程分かって、ユリが魔性だよーって思ってたけど、改めて読むとユリも揺らいでいて、みるめ君に不器用な気持ちを渡そうとしていたのかな…とか思った。
映画は、松ケンと永作博美がなんだかリアルで、ホントにカップルのドキュメンタリーを見てるみたいだった。松ケンの演じるみるめ君が、永作博美演じるユリにかける言葉の一つ一つがリアルで超切ない。
でも、やっぱり私はえんちゃんの気持ちに寄っちゃうな。みるめ君にバカーって思っちゃう。笑
しかし、かわいいなユリ。永作博美がはまり過ぎて。
女性が描く男性恋愛もの。やっぱり山崎ナオコーラ好きだな。 -
こんな主観的な小説を久しぶりに読んだ。
お風呂で読んでたら
どうしようもなく寂しくなってのぼせた。
「自然は美しいことがあるけれど、美しさには向かっていない 」 -
やわらかで瑞々しくて純粋な、リアルなファンタジー。
人肌の温もりあふれるおとぎ話のような奔放なひとつの恋の始まりとその終わりが独特の時間の流れの中に切り取られていて、するすると心地よく物語に溶け込める不思議な読後感の物語でした。
ユリとのやり取りとどこか対照的な堂本くん、えんちゃんとの三人の時に見せる顔が等身大の男の子の青春で、瑞々しくてとても可愛い。
嵐のように巻き込まれて嵐のように去っていくユリとの恋、それらを経て「寂しさ」に向き合い、乗り越えていこうとする磯貝くんのいじらしさ。
本当にどうしようもない恋で、だからこそ愛おしくていじらしくて、どんな小説にも描かれなかった独特の空気や時間の流れ方、関係性が刻まれている物語だなぁと。
字が大きく余白も広めのスカスカでは?な文字組も、この小説に流れる時間を切り取るのにはふさわしい組み方なのでは?と素直に思えました。