- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334772734
感想・レビュー・書評
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重たすぎる話だし、悲しい。でも読んでよかったなと思わされる。家族に愛されたいと願いながら、家族だからこそ難しく、鬱屈した感情があるからこそ、他人をも巻き込んで悲劇を生んでしまっている。それでもラストには救いがあった。
受けた仕打ちに、許せない気持ちになるのも理解できるけれど、私は人を許して生きよう。そんな気持ちになった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重い、暗い、しかし凄い!
読み進めるのが辛い、けど、先を読まないと何もわからないというもどかしい構成。
ストーリとして展開を語るのは難しい
全身にやけどを負っている庭師の雅雪は、二十歳のころから13年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けています。
7月7日に何かが起こる?
遼平にあの話をしたのか?と尋ねる人
扇の家とは?
なにがなんだかさっぱりわかりません。
雅雪は遼平の祖母からは屈辱的な扱いを受け、遼平からも嫌われてしまいます。
その背後にあるのは、ある事件の贖罪
いったい、過去、何が起きたのか?
13年前の事件とは?
雅雪の全身やけどの意味は?
なぜ、雅雪がそこまで卑屈になり、尽くすのか?
読み進めていくとそれが明らかになっていくという仕掛けです
そして、そこにあったのは、家族に愛されずに育った雅雪。愛のないもう一つの家族。そして愛と憎しみ。
ほんと、読み進めるのが辛くなる物語でした。
雅雪の思いは自己満足でしかないのか?
遼平には伝わらないのか?
最後の最後に救われた物語でした。
おすすめですが、再読はしたくない(笑) -
何故こんなにも、自分を追い込むのか?たとえそれが贖罪だとしても....と前半は主人公にイラついたが過去が明らかになっていくうちに、胸が締め付けられる思いだった。
先日、店先で苔玉を見るとこの小説がよぎった。 -
愛情の欠如は、心を壊す。ましてや血縁関係でのそれは、他人よりずっと辛く、連鎖を作ってしまう。回避依存、愛着障害から抜け出すためには、自分自身が気付いた時にやっと、視界が開け、本当の意味での人生のやり直しが出来るのではないかと思ってしまった。誰も悪くない。
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遠田さんの本は、初めてでした。
知り合いからの貸していただいた本でした。
哀しく辛い話は苦手で、途中で読むのをやめようと思った程です。
しかし、自身の生い立ちも不幸の身。
やっぱり最後は、ハッピーがいい。 -
初めからラスト1行まえまで常に前のめりになって読んでいました。
途中、何度も涙をこらえながら雅雪ガンバレって応援してました。が…
最後の1行の雅雪の思いに涙腺崩壊(TT)
自分ではこの生き方が贖罪だと信じていた事が、相手にとって迷惑だったりその人をダメにしてしまったり傷つけたりする。
結局その生き方は自己満足だったりもする。
完全に自分の人生を捨てて相手に尽くす事って本当に難しいと思った。
雅雪の阿呆で犬みたいな正解のない生き方にも、「よかった」と思える瞬間があって、少しだけ心があたたまると言うか勇気をもらえました。
庭師かっこいい。
自分は1週間で挫折しましたけど… -
終始陰鬱な雰囲気、世の中の不条理を説かれながらも何とか最後はハッピーエンドに。
複雑な家庭環境にも腐らず不器用ながらひたむきに努力を重ねていく雅雪。
自分にはそんな真似は出来ない。 -
遠田潤子さんの作品は三冊目。故に不幸要素てんこ盛りで自罰的な主人公は予想の範疇だったが、詰め込まずに余韻を残して終わるラストはまさに雪溶け…。森での雅雪と遼平の会話には思わず目頭が熱くなった…。
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今回読んだこの本は、のめり込むように読んでしまいました。
すごいのです!
心にぐいぐい入り込んできて、
先が気になって気になって。。。
そして、電車の中ではありましたが、
涙をこらえることができず、
ハンカチで、目頭を押さえながら、読み終えました。。。
庭師の雅雪は、二十歳の頃から、13年間、
両親のいない少年・遼平の面倒を見ている。
遼平の祖母から、屈辱的な扱いを受けつつも、
ただひたすら、自分を犠牲にし、献身的に尽くしている。
なぜならそれは、13年前に起った、ある事件の償いのためだった。
この物語では、なぜ、雅雪がここまで献身的になるのか、
13年前の事件がいったい何だったのかは、なかなか証されない。
なので、どんどん謎が深まり、余計に気になる。。。
そして、主人公の雅雪の気持ちが報われればいいと、願わずにはいられない。。。
おすすめの本です!
初めて読んだ作家さんでしたが、
他の作品も読みたい!と思ってしまいました。